富士フイルム富山化学に国内最大級バイオ医薬品工場が完成 約600億円投資で2027年稼働へ
みなさん、こんにちは。今日は、富山県で大きなニュースをお届けします。富士フイルム富山化学の工場に、国内最大級のバイオ医薬品工場が完成しました。この工場は、がん治療などに使われる大事な薬を作り出す場所で、総工費約600億円をかけて作られました。2025年12月23日に竣工式が行われ、富士フイルムの後藤禎一社長や富山県の新田知事さんら多くの人が集まりました。このニュースは、富山の「くすりのまち」をさらに盛り上げる出来事です。わかりやすくご説明しますね。
工場が完成した場所とその規模
この新工場は、富山市にある富士フイルム富山化学 富山第二工場(蓮町サイト)の中に建っています。建物名は「704工場」で、地上6階建て、高さ41.2メートル、延床面積は約16,000平方メートルです。とても大きな建物ですよ。
何がすごいかというと、バイオ医薬品の開発・製造拠点として国内最大規模だということです。特に、抗体成分を抽出する工程で使う培養タンクが世界最大級の容量なんです。具体的には、シングルユースの5,000リットル動物細胞培養タンクが2基と、2,000リットルタンクが2基導入されています。これで、効率的に薬の成分を作れます。他にも拡大培養や精製工程の機器が揃っていて、最新の技術が詰まっています。
富士フイルムグループは、欧米で展開しているバイオテクノロジーのノウハウをこの工場に取り入れました。日本国内では初めての抗体医薬品製造工場になるんです。隣接する工場と合わせて、原薬の製造から製剤化、包装までをワンストップでできる体制が整いました。これで、お客さんの製薬会社さんが安心して任せられるはずです。
どんな薬を作るの? 平時はバイオ医薬品、有事はワクチン
この工場は、主にバイオ医薬品のCDMO(受託開発製造)事業のためのものです。CDMOって何?という方のために簡単に言うと、製薬会社から依頼を受けて、薬の開発から製造まで全部お手伝いするサービスのことです。特に、抗体医薬品や抗体薬物複合体(ADC)のような、がん治療などに欠かせない薬を作ります。
面白いのは、柔軟な使い方です。普段はバイオ医薬品を作りますが、パンデミックのような緊急時には感染症ワクチンの製造に切り替えられるんです。隣接地で建設中のmRNA医薬品やワクチン工場と連携して、経済産業省の「ワクチン生産体制強化のためのバイオ医薬品製造拠点等整備事業」に採択されています。これで、日本全体の医薬品供給が強くなりますよ。
富山県は昔から「くすりの富山」と呼ばれ、製薬の人材教育が進んでいます。この工場は、そんな富山の強みを活かした戦略拠点。周辺の産業を後押しし、モデルケースになるそうです。
投資額と今後の予定
富士フイルムは、この工場に約600億円を投資しました。稼働は2027年を予定していて、開始から3~5年で売り上げ100億円を目指します。後藤社長は「需要は2030年で一兆ドルのビジネス。我々もそれにあわせて拡大していきたい。輸入超過になっている日本のために輸入超過のトレンドを変える工場にしていきたい」と話しました。日本はバイオ医薬品の輸入が多いので、この工場が国内生産を増やし、安定供給に貢献します。
グループ全体では、2011年以降、バイオCDMO事業に累計1兆円以上投資。米国やデンマークの拠点を増強し、2028年までに総生産能力を75万リットル以上にします。富山の工場は、アジアの製造拠点として大事な役割を果たします。
竣工式の様子と地域への影響
12月23日の竣工式には、後藤社長や新田知事さんが出席。皆さん、工場の完成を喜んでいました。富山テレビやNHKの報道でも大きく取り上げられ、地元の人たちは誇らしげです。この工場が富山の産業を後押しし、雇用を生み、技術の集積地になるでしょう。
富士フイルム富山化学は、元々注射用抗菌剤の製造で無菌技術に強い会社。そこで培った技術と、海外の知見を融合させたのがこの工場です。グローバルな品質基準をクリアし、迅速に薬を上市できるように設計されています。言語や立地の壁が少ない国内拠点があると、製薬会社さんの負担も減りますね。
なぜ今、バイオ医薬品工場が注目されるのか
バイオ医薬品市場は急速に成長中です。日本では生産体制が海外に比べて遅れていましたが、この工場が起爆剤になります。海外依存を減らし、有事の備えもできるデュアルユース体制は、心強いですね。富山が「くすりの富山」として、さらに輝く未来が待っています。
みなさんも、このニュースを聞いて、日本の医薬品産業の進歩を感じてください。富士フイルムの取り組みが、私たちの健康を守る一翼を担います。これからも注目です!



