鹿島アントラーズユースが劇的PK戦を制し「真の日本一」に 高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ2025ファイナル詳報

高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ2025の頂点を決めるファイナルが、埼玉スタジアム2002で行われ、鹿島アントラーズユース(EAST王者)ヴィッセル神戸U-18(WEST王者)が対戦しました。
試合は1-1のまま延長戦までもつれこみ、最後はPK戦の末、鹿島アントラーズユースが3-2で勝利し、U-18年代で「真の日本一」と呼ばれるタイトルを手にしました。

高円宮杯プレミアリーグとは?U-18年代の“真の日本一”を決める大会

高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグは、日本サッカー協会(JFA)が主催する、高校年代(U-18)の最上位リーグです。
全国各地の強豪クラブユース、高校が集まり、EAST(東日本)とWEST(西日本)の2リーグ制で年間を通して戦い、各リーグの優勝チームが最後にファイナルで激突します。

このファイナルで勝利したチームが、その年のU-18年代における「日本一」と位置づけられています。
2025シーズンは、EAST優勝:鹿島アントラーズユース、WEST優勝:ヴィッセル神戸U-18がそれぞれリーグを制し、埼玉スタジアム2002で行われたファイナルに進出しました。

対戦カードと開催概要

  • 大会名:高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2025 ファイナル
  • カード:鹿島アントラーズユース(EAST王者) vs ヴィッセル神戸U-18(WEST王者)
  • 日時:2025年12月21日(日) 13:30キックオフ
  • 会場:埼玉スタジアム2002
  • 方式:90分+延長戦(必要時)+PK方式

ヴィッセル神戸U-18は、2025シーズンのWESTリーグを劇的な逆転で制覇してのファイナル進出。
鹿島アントラーズユースは、EASTを通して安定した戦いを見せ、堂々の王者として埼玉に乗り込んできました。

試合の流れ:前半は鹿島ペース、神戸も意地の同点

試合序盤は、報道によると鹿島アントラーズユースが主導権を握る展開となりました。
前線からの素早いプレッシングと中盤での鋭いアプローチで、神戸のビルドアップに圧力をかけ、素早い攻めへとつなげていきます。

鹿島は、前半22分、24分と立て続けにシュートチャンスを作り、左足から積極的にゴールを狙うなど、ゴール前での存在感を発揮しました。
さらに29分には、右サイドからのクロスを起点に攻撃を組み立て、こぼれ球からミドルシュートを放つなど、徐々に神戸ゴールを脅かしていきます。

そして前半37分、ついに試合が動きます。鹿島は敵陣右サイドでこぼれ球を拾うと、左前方へ鋭いスルーパス。
パスを受けた鹿島のアタッカーが巧みなトラップと切り返しでマーカーを外し、右足でゴール右隅へ突き刺し、鹿島が先制点を奪いました。

一方のヴィッセル神戸U-18は、立ち上がりこそ相手の勢いに押されましたが、徐々にペースを取り戻します。
最終ラインから丁寧につなぐスタイルを維持しつつ、前線への縦パスやサイド攻撃で鹿島ゴールに迫り、後半に入ると交代選手を投入しながら流れを変えにいきました。

神戸は後半途中、トップチーム昇格内定のFWをピッチに送り込み、攻撃のスイッチをさらに入れます。
この流れの中で、後半のうちに同点ゴールを奪い、試合は1-1の振り出しに戻りました。
(詳細な得点時間や得点者は公式記録をご参照ください。)

延長戦でも決着つかず、勝負はPK戦へ

1-1のまま90分を終えた試合は、延長戦に突入します。
延長に入っても、両チームともに運動量を落とさず、最後まで勝利への執念を見せました。

鹿島は延長後半4分、フリーキックのこぼれ球から右足でゴールを狙いますが、相手DFの寄せも早く、シュートは枠の左へ外れます。
また、サイドからのロングスローやコーナーキックでチャンスを作り続けましたが、神戸守備陣の集中した対応に阻まれ、決定打を欠きました。

一方の神戸も、空中戦に強みを持つ選手を軸にセットプレーからゴールを狙い、カウンターの局面ではスピードを生かして鹿島ゴールへ迫ります。
しかし、互いにゴール前で体を張った守備を見せ、延長戦でもスコアは動かず、ついに勝負はPK戦へともつれこみました。

運命のPK戦:鹿島が3-2で制し、頂点へ

PK戦は、緊張感あふれる展開となりました。両チームともにキッカーとGKが高い集中力を見せる中、わずかな差が勝敗を分けます。
最終的にPK戦は鹿島アントラーズユースが3-2で勝利し、激闘に終止符を打ちました。

この結果、試合は鹿島アントラーズユース 1-1(PK3-2) ヴィッセル神戸U-18というスコアで終了しました。
九十分間+延長戦+PK戦という長い戦いの末に勝利した鹿島は、選手・スタッフ・サポーターが一体となって歓喜の輪を広げました。

鹿島アントラーズユース、3冠達成の快挙

報道によると、鹿島アントラーズユースは今シーズン、高円宮杯プレミアリーグEAST制覇に加え、このファイナルの勝利によって「3冠」を達成したと伝えられています。
U-18年代のハイレベルな戦いを勝ち抜き、「真の日本一」の称号を手にしたことは、クラブの育成力の高さを改めて示す結果となりました。

プレッシングの強度や攻守の切り替えの速さ、試合終盤まで落ちない運動量など、鹿島らしいハードワークと組織力が、このファイナルでも存分に発揮されました。
また、個人技だけでなくチーム全体での連動した守備・攻撃が光り、多くの観客に「育成年代のサッカーの面白さ」を印象づける試合となりました。

ヴィッセル神戸U-18もWEST王者として堂々の戦い

敗れたヴィッセル神戸U-18も、今シーズンのWESTリーグを劇的な逆転で制してファイナルに進出するなど、非常に高いパフォーマンスを発揮してきました。
ファイナルでも、先制を許しながらも試合をあきらめず、後半に追いついて延長、PK戦までもつれ込ませた粘り強さは、チームの成長ぶりを示しています。

神戸は、ビルドアップの丁寧さやテクニカルな選手の多さに加え、試合終盤に見せた攻撃的な交代策も印象的でした。
結果としてタイトルには届かなかったものの、WEST王者としての誇りを示し、多くのサポーターの心に残る戦いとなりました。

2025シーズンのEAST・WESTの顔ぶれ

2025シーズンの高円宮杯プレミアリーグでは、EAST・WESTそれぞれに全国の強豪クラブ・高校が参戦しました。
主な順位は以下の通りです。(一部抜粋)

  • EAST優勝:鹿島アントラーズユース(ファイナル進出)
  • EAST準優勝:FC東京U-18
  • EAST第3位:青森山田高校
  • WEST優勝:ヴィッセル神戸U-18(ファイナル進出)
  • WEST準優勝:サガン鳥栖U-18
  • WEST第3位:サンフレッチェ広島F.Cユース

このように、Jクラブの育成組織と伝統ある高校サッカー部が同じ舞台で競い合うことが、この大会の大きな魅力です。
1年を通してのリーグ戦で鍛えられたチーム同士が、最後に一発勝負で日本一を争う構図は、多くのサッカーファンにとって見応えのあるものとなっています。

JFA公式サイト・クラブ発信情報とファイナルの位置づけ

日本サッカー協会(JFA)の公式サイトでは、「高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ2025 ファイナル」について、大会要項や日程・結果、チケット情報などがまとめて発信されています。
また、EAST・WESTそれぞれのリーグ戦の詳細な日程・結果や、昇格をかけたプレーオフの情報も、プレミアリーグ総合ページから確認できるようになっています。

一方で、ヴィッセル神戸はクラブ公式サイトを通じて、「WEST王者としてファイナルに臨む」ことや、対戦カード・キックオフ時間・会場などの情報を丁寧に案内していました。
クラブユースが自前の情報発信を行うことで、育成年代にも多くの関心が集まり、スタジアムに足を運ぶファン・サポーターが増えていることも、この大会の特徴だと言えます。

育成年代サッカーの今後に向けて

今回の鹿島アントラーズユース vs ヴィッセル神戸U-18のファイナルは、スコア以上に内容の濃い一戦となり、「U-18年代の日本サッカーの現在地」を象徴するゲームとなりました。
攻守の切り替えの速さ、ハイプレス、ビルドアップの工夫など、プロ顔負けの戦術的な駆け引きが随所に見られ、スタジアムで観戦した人々に強い印象を残しました。

高円宮杯プレミアリーグで育った選手たちは、今後Jリーグや海外リーグ、大学サッカーなど、さまざまなステージへ羽ばたいていきます。
このファイナルを戦った選手の中から、数年後にトップチームや日本代表でプレーする選手が生まれてくる可能性も十分にあります。

サッカーファンとしては、こうした育成年代の試合に注目することで、「将来のスター候補」を早い段階から見つける楽しみも味わうことができます。
2025年のファイナルは、そうした意味でも非常に価値のある一戦であり、鹿島アントラーズユースとヴィッセル神戸U-18、両チームのこれからの歩みに、多くの期待が寄せられています。

参考元