サガン鳥栖、DF神山京右を完全移籍で獲得 守備陣強化へ大きな一手

サッカーJ2リーグのサガン鳥栖は、カターレ富山所属のDF神山京右(かみやま・きょうすけ)選手を完全移籍で獲得したと発表しました。 富山で着実に経験を積んできた25歳のディフェンダーが、鳥栖の新たな守備の柱として期待されています。

カターレ富山からサガン鳥栖へ 完全移籍が決定

サガン鳥栖はクラブ公式サイトを通じて、カターレ富山からDF神山京右選手が完全移籍加入することを発表しました。 移籍形態はレンタルではなく完全移籍であり、鳥栖が将来を見据えて神山選手を長期的な戦力として評価していることがうかがえます。

一方、カターレ富山もクラブ公式サイトで、神山選手がサガン鳥栖へ完全移籍することをファン・サポーターに報告し、感謝のメッセージとともに送り出しています。 富山側の発表からも、4年間チームを支えてきた主力DFとの別れを惜しみながらも、新たな挑戦を後押しする温かい雰囲気が伝わってきます。

神山京右選手のプロフィール

  • 名前:神山 京右(かみやま きょうすけ)
  • ポジション:DF(ディフェンダー)
  • 生年月日:2000年1月2日(25歳)
  • 出身地:神奈川県
  • 身長/体重:178cm/72kg
  • 経歴:東急SレイエスFC → 横浜FCユース → 東洋大学 → カターレ富山
  • 代表歴:U-15日本代表(2015年)

神奈川県出身の神山選手は、ユース年代から着実にステップアップしてきた選手です。 横浜FCユースで育ち、東洋大学を経てプロの世界に飛び込んだあと、カターレ富山でプロキャリアをスタートさせました。 学生時代から守備能力とビルドアップの質に定評があり、そのポテンシャルをJリーグの舞台で磨き続けてきました。

カターレ富山での出場記録と成長の軌跡

神山選手は2022年にカターレ富山へ加入し、3シーズンにわたってチームの最終ラインを支えてきました。 富山でのリーグ戦出場記録は以下のとおりです。

  • J3リーグ:63試合出場・4得点
  • J2リーグ:37試合出場・2得点(2025シーズン)
  • ルヴァンカップ:5試合出場・0得点
  • 天皇杯:5試合出場・0得点

なかでも、2025シーズンの明治安田J2リーグでは37試合に出場し2得点と、ほぼフル稼働でチームを支えました。 昇格初年度となった富山にとって、J2残留を争う厳しいシーズンの中で、神山選手はセンターバックとして安定したパフォーマンスを発揮し続けました。

富山の公式発表では、「今季のJ2残留をつかみ取るうえで、神山選手の戦い抜く姿勢が大きな支えとなった」ことがうかがえるコメントも紹介されています。 昨年のJ2昇格プレーオフ、一昨年のあと一歩届かなかった悔しさ、そして今季の劇的残留と、クラブのターニングポイントとなる場面をともにくぐり抜けてきた存在といえます。

サガン鳥栖公式コメントとクラブの期待

サガン鳥栖は、「カターレ富山より神山京右選手がサガン鳥栖へ完全移籍加入することが決定しました」とし、プロフィールや出場記録とともに、神山選手本人のコメントを掲載しています。 クラブとしては、J2で実績を積んだ25歳のディフェンダーを迎え入れることで、守備陣の層を厚くし、将来性のあるセンターバックを確保した形です。

また、Jリーグ公式サイトやスポーツメディア各社も、鳥栖の新戦力として神山選手の加入を報じており、「2022年から富山に在籍し、今季J2で37試合2得点の成績」「鳥栖がDFラインの補強として完全移籍で獲得」といった点が共通して伝えられています。

神山京右選手のコメント ― 鳥栖での新たな挑戦へ

サガン鳥栖の公式発表では、神山選手は新天地での挑戦に向けて、次のような力強いコメントを残しています。

「覚悟を持ってこの移籍を決断しました。駅前不動産スタジアムでプレーすることにワクワクすると共に身が引き締まる思いです。チームの目標を達成するために、自分の力を全て出し切ります。」

さらに、「まずはチームのことを知り、街のことを知り、サガン鳥栖ファミリーの皆様の前でプレーするのにふさわしい選手になれるよう謙虚に全力で闘いますので、応援よろしくお願いします」と述べ、鳥栖という街やクラブにしっかりと根を下ろしながら戦っていきたいという思いも口にしています。

言葉の端々からは、「覚悟を持って」環境を変える決断をしたこと、そして新たな挑戦の場で自分をさらに成長させたいという強い意欲が感じられます。

富山サポーターへの感謝と別れのメッセージ

カターレ富山の公式サイトでは、神山選手が4年間在籍したクラブとサポーターに向けて、長文の感謝メッセージを寄せています。 その中で、2025シーズンを支えてくれたファン・サポーター、スポンサー、スタッフ、監督・コーチ陣、チームメイトへの深い感謝の思いが綴られています。

神山選手は、「今シーズン皆様の支えがなければ途中で心が折れていたかもしれません」「皆様のおかげで最後まで戦い抜き、残留を掴み取ることができました」と振り返り、厳しいシーズンを支えてくれた富山サポーターの存在の大きさを強調しています。

また、「年を重ねるたびに富山が好きになり、みなさんと県総で戦う瞬間が大好きになりました」「ゴール裏の皆様には毎試合とてつもなく大きなエネルギーをもらい、何度も何度も救われました」と語り、ホームスタジアムである県総(富山県総合運動公園陸上競技場)での時間が、自身にとってかけがえのないものだったと明かしています。

さらに、「これまで4番のユニフォーム、神山のタオルを掲げて応援してくださった皆様、本当にありがとうございました」と、背番号と自分の名前を背負って応援してくれたファンへの感謝も丁寧に伝えています。

移籍決断の背景 ― 居心地の良さより、成長を選択

神山選手は、移籍を決断するにあたって「このタイミングで離れるべきなのか、何度も何度も悩みました」と率直な思いを語っています。 一昨年のJ2昇格にあと一歩届かなかった悔しさ、昨年の念願のJ2昇格、そして今季の劇的な残留――そのすべてを経験してきたクラブを離れる決断は、簡単なものではなかったことがうかがえます。

そのうえで、「僕の性格上、これまでだったら居心地がいい場所を選んでいたと思います。それでもこの決断をしたのは、選手として新たな環境でチャレンジして、もっともっと成長したいと思ったからです」と語り、自らあえて厳しい道を選んだことを明かしています。

「この決断をしたからには覚悟を決めてより大きな選手になれるように、これからも自分なりに頑張っていこうと思います」と締めくくる言葉からは、プロサッカー選手として、より高いレベルを目指していく強い決意が伝わってきます。

サガン鳥栖にとっての神山京右獲得の意味

今回の完全移籍加入は、サガン鳥栖にとって守備陣強化の重要な一手といえます。J2の舞台でフルシーズン近く戦い抜き、昇格・残留争いといったプレッシャーのかかる試合を多く経験してきた25歳のセンターバックは、即戦力として計算できる存在です。

また、神山選手は守備面だけでなく、セットプレーなどでの得点力も持ち合わせており、2025シーズンのJ2では2ゴールを記録しています。 空中戦や対人守備の強さに加えて、現代的なDFとしてビルドアップにも関わることができる点は、鳥栖のサッカーにとって大きな武器になる可能性があります。

若手と中堅の間にあたる25歳という年齢も、チーム構成のうえでバランスがよく、中長期的な戦力として期待できます。 経験を積んできた一方で、まだ伸びしろも十分に残されており、鳥栖での環境変化がさらなる成長を促すと考えられます。

鳥栖サポーターと富山サポーター、それぞれへのメッセージ性

今回の移籍は、受け入れるサガン鳥栖側、送り出すカターレ富山側の両クラブにとって、そして両クラブのサポーターにとっても大きなニュースとなりました。 富山サポーターにとっては、J3時代からクラブを支えてきたDFのステップアップという意味を持ち、寂しさと同時に誇らしさも感じられる移籍といえるかもしれません。

一方、鳥栖サポーターにとっては、新たに加わる頼もしい守備の選手として、期待が高まる存在です。 神山選手自身が「まずはチームと街のことを知りたい」と語っているように、鳥栖という土地やサガン鳥栖ファミリーに早く溶け込もうとする姿勢も見られ、その真摯な人柄は新天地でも愛される要素となりそうです。

今後に向けて

カターレ富山での4年間で、昇格、悔しさ、残留争いなど、さまざまな経験を積んできた神山京右選手。 その経験は必ずや、これから戦うサガン鳥栖でのシーズンでも生かされるはずです。

鳥栖の駅前不動産スタジアムで、どのようなプレーを見せてくれるのか。力強い守備だけでなく、チームを鼓舞する姿や、ゴール前での決定的な一瞬にも注目が集まります。 そして、富山から見守るサポーターにとっても、かつての「4番」が新たな舞台で輝く姿は、大きな誇りとなることでしょう。

覚悟を持って鳥栖への完全移籍を決断した神山京右選手。サガン鳥栖の新たな守備の要として、これからの活躍が期待されます。

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