東武動物公園のサルたちもほっこり 全国で広がる「冬至×ゆず湯」どうぶつ温泉リレー

冬至を前に、全国の動物園や遊園地で「ゆず湯」や「かぼす湯」を楽しむ動物たちの姿が話題になっています。
埼玉県の東武動物公園では、アカゲザルたちが露天風呂のゆず湯につかって気持ちよさそうな表情を見せ、福井県の足羽山公園遊園地ではカピバラがゆず湯でほっこり。大分県の別府ラクテンチでも、名物のカピバラ温泉がこの時期だけ「かぼす湯」に変身し、来園者の目を楽しませています。

東武動物公園「あかげ365 露天風呂」 冬の恒例イベントにゆずの香り

埼玉県宮代町にある東武動物公園では、冬の土曜日恒例のイベントとして、アカゲザルの露天風呂企画「あかげ365 露天風呂」を開催しています。園内のアカゲザル展示場「あかげ365」にあるプールにお湯を張り、サルたちが肩まで浸かったり、泳いだりする様子を観察できる人気の冬イベントです。

開催期間は2025年12月20日(土)から2026年2月28日(土)までの毎週土曜日で、時間は午後1時からお湯が冷めるまで。観賞は無料で、通常の入園料のみで楽しむことができます。

このイベントの初日となる12月20日は、冬至(22日)に合わせた1日限定の特別企画として、露天風呂が「ゆず湯」バージョンになります。
湯船には園内で収穫されたゆずが浮かべられ、アカゲザルたちは香り豊かな湯に浸かりながら、うっとりとした表情を見せます。

ニュース映像などでは、お湯に肩までつかって目を細めるサルや、湯船に浮かぶ黄色いゆずを手に取って転がして遊ぶ子ザルの姿が映し出されており、その愛らしい様子が「見ているだけであたたかくなる」と話題を集めています。

サルの健康にも一役買う「おサルの露天風呂」

東武動物公園によると、あかげ365の露天風呂は、サルたちの寒さ対策としてだけでなく、健康維持にも役立つ取り組みです。

  • 寒い季節に体をあたためることで、体調を崩しにくくする
  • お湯に浸かることで、サル同士が極端に身を寄せ合う時間を減らし、過度な毛づくろいを防ぐ
  • 皮膚の乾燥が原因とされる脱毛の防止にもつながる

このように、「見て楽しい」だけでなく、サルたちの健康を守る意味も持つイベントとして、毎年多くの来園者が楽しみにしている冬の風物詩となっています。

また、12月20日と翌年1月3日には、担当飼育員による特別ガイドも予定されており、アカゲザルの生態や個体ごとの性格などを解説してくれる企画も用意されています。
動物たちを「かわいい」だけで終わらせず、暮らしや特徴を知るきっかけにもなっています。

ゆず湯でほっこり 各地のカピバラ温泉も話題に

一方で、冬至の時期に話題になるのが、カピバラたちがつかる「カピバラ温泉」です。
福井市の足羽山公園遊園地「ハピジャン」では、カピバラの露天風呂にゆずを浮かべる「ゆず湯」が行われ、カピバラたちが目を細めてリラックスする姿が来園者の心を和ませています。

また、大分県別府市の遊園地「別府ラクテンチ」では、名物のカピバラ温泉が、地元の特産品であるかぼすを使った「かぼす湯」として提供される冬至イベントが開かれています。
湯船に浮かぶ緑がかったかぼすと、のんびりつかるカピバラたちの様子は、写真映えも抜群で、毎年多くの人がカメラを向ける人気企画になっています。

こうした全国各地のカピバラ温泉と、東武動物公園のサルの露天風呂は、「冬至」「柑橘」「お風呂」という共通のテーマでつながっており、動物たちが季節の行事を一緒に楽しんでいるかのような温かい雰囲気を作り出しています。

冬至にゆず湯を楽しむ意味と、どうぶつたちへの配慮

日本では、冬至にゆず湯に入ると「風邪をひかない」「一年中健康で過ごせる」といった言い伝えがあります。
東武動物公園のアカゲザルたちが楽しむゆず湯も、こうした日本の風習にちなんだ企画で、来園者に季節感を伝える役割も担っています。

もちろん、動物たちにとって安全であることが最優先されており、湯の温度や柑橘類の量などは、飼育スタッフが慎重に調整しています。
また、天候や動物の体調によっては、イベントの中止や内容の変更が行われる場合もあると案内されています。

このように、「かわいいイベント」の裏側には、動物福祉に配慮した丁寧な準備があり、その積み重ねが毎年の恒例行事として定着する背景にあります。

東武動物公園で楽しむ「冬の一日」のすすめ

東武動物公園では、アカゲザルの露天風呂以外にも、冬ならではの楽しみ方が広がっています。
あたたかい服装で出かけて、お昼過ぎの露天風呂タイムに合わせてサル山を訪れると、湯気の立ちのぼるプールの中でくつろぐサルたちの姿を見ることができます。

目を閉じてじっとお湯に浸かっているサル、仲間と寄り添いながら体を温めるサル、湯船と外を行き来してはしゃぐ子ザルなど、それぞれの性格や行動の違いを観察するのも楽しみの一つです。

園内のアクセスは、東武伊勢崎線「東武動物公園駅」西口から徒歩約10分。
動物園と遊園地が一体になった施設のため、サルの露天風呂を楽しんだあとに、他の動物たちを見たり、アトラクションで遊んだりと、家族連れやカップルでも一日ゆっくり過ごせるのが魅力です。

こころも体もあたたまる「冬の風物詩」

福井のカピバラゆず湯、別府ラクテンチのかぼす湯、そして東武動物公園のアカゲザルのゆず湯――。
全国の施設で行われているこれらの取り組みは、日本ならではの季節の行事と動物たちの暮らしがほどよく溶け合った、冬の風物詩として親しまれています。

冷え込む季節、湯気の向こうで気持ちよさそうに目を細める動物たちの姿を眺めていると、見る側の心までぽかぽかとあたたまってくるようです。
冬のお出かけ先として、東武動物公園の「おサルの露天風呂」や、各地のカピバラ温泉に足を運んでみてはいかがでしょうか。

参考元