金利1%超で注目集まる「個人向け国債」 固定5年と変動10年、どちらを選ぶ?

個人の資産運用先として、いま「個人向け国債」があらためて注目を浴びています。
背景にあるのは、長く続いた超低金利からの変化です。2025年12月募集分の個人向け国債では、金利が年1%超となり、銀行預金よりも有利な水準になってきました。

この記事では、固定5年と変動10年はどちらが人気なのか、現在の金利状況や応募状況のポイント、そして個人向け国債の仕組みや向く人・向かない人まで、やさしい言葉で解説します。

いま話題の「個人向け国債」最新金利:1%超の水準に

2025年12月募集分の個人向け国債は、以下の3タイプが用意されています。

  • 固定3年型:年1.10%(税引前)
  • 固定5年型:年1.35%(税引前)
  • 変動10年型:初回適用利率 年1.23%(税引前)

いずれも、過去の超低金利と比べると、「1%を超える」水準となっており、普通預金や多くの定期預金よりも高い利回りが期待できる状況です。

しかも、個人向け国債には

  • 国が元本を保証している
  • 年2回、利子を受け取れる
  • 最低金利年0.05%が保証されている

といった特徴があり、安全性と安定性を重視する人にとって、有力な選択肢になっています。

固定5年vs変動10年 どちらが人気?

2025年12月の募集では、金利だけを見ると固定5年型(1.35%)が最も高い水準になっています。
一方で、変動10年型(初回1.23%)は、今後の金利動向によって利率が見直される仕組みです。

人気の傾向としては、

  • 「今の高めの金利をできるだけ長く固定したい」人には固定5年型が選ばれやすい
  • 「今後さらに金利が上がる可能性にも備えたい」人には変動10年型が選ばれやすい

という構図があります。

また、多くの金融機関では、5年・10年の個人向け国債を対象にしたキャンペーンを行っており、一定額以上購入すると、現金プレゼントなどの特典が付くケースも見られます。
このようなキャンペーンの影響もあり、固定5年と変動10年が中心的な人気商品になっている状況です。

実際いくら利子がもらえる?100万円投資でシミュレーション

「金利が1%を超えた」と言われても、実際いくらもらえるのかが気になる方も多いでしょう。
ここでは、2025年12月募集分の金利を前提に、100万円を投資した場合に半年後にもらえる利子を見てみます。

固定5年型(年1.35%)に100万円投資した場合

固定5年型(第177回債)に100万円を投資したケースです。

  • 税引前の利子:100万円 × 1.35% × 6か月 ÷ 12か月 = 6,750円
  • 税額(20.315%):6,750円 × 20.315% ≒ 1,371円
  • 税引後の手取り:6,750円 − 1,371円 = 5,379円

この利率は、満期の5年間、変わらずに続く点がポイントです。

変動10年型(初回1.23%)に100万円投資した場合

変動10年型(第189回債)の初回適用利率は年1.23%です。

  • 税引前の利子:100万円 × 1.23% × 6か月 ÷ 12か月 = 6,150円
  • 税額(20.315%):6,150円 × 20.315% ≒ 1,249円
  • 税引後の手取り:6,150円 − 1,249円 = 4,901円

変動10年型は、半年ごとに適用利率が見直されるため、2回目以降の利子は、その時々の金利水準によって変わります。

固定3年型(年1.10%)に100万円投資した場合

  • 税引前の利子:100万円 × 1.10% × 6か月 ÷ 12か月 = 5,500円
  • 税額(20.315%):5,500円 × 20.315% ≒ 1,117円
  • 税引後の手取り:5,500円 − 1,117円 = 4,383円

同じ100万円を預ける場合、半年後の税引後利子はおおよそ4,300〜5,300円台となり、銀行預金と比べても魅力的な水準となっています。

金利の決まり方と「最低金利0.05%保証」

個人向け国債の金利は、市場金利をもとにして決まる仕組みです。

  • 固定3年型:「残存3年の固定利付国債の想定利回り − 0.03%」で決定(ただし下限0.05%)
  • 固定5年型:「5年の固定利付国債の想定利回り − 0.05%」で決定(同じく下限0.05%)
  • 変動10年型:「5年国債の利回りなどをもとにした基準金利 − 0.05%」で半年ごとに見直し(下限0.05%)

ここで重要なのが、最低金利0.05%が保証されている点です。
たとえ市場金利が大きく低下しても、金利が0%になってしまうことはないという安心感があります。

個人向け国債の基本的な仕組み

あらためて、個人向け国債の基本を整理しておきましょう。

  • 発行主体:日本国政府(国が元本と利払いを保証)
  • 購入単位:1万円から、1万円単位で購入可能
  • 利払い:年2回(多くは毎年1月と7月など)
  • 種類:固定3年、固定5年、変動10年の3タイプ
  • 最低金利:年0.05%(税引前)が保証される

安全性の高さから、「預金より少しでも利回りを高く、でも大きなリスクは取りたくない」という人に適した商品といえます。

途中解約はできる?流動性のポイント

個人向け国債は、原則として満期まで保有する商品ですが、やむを得ない事情などで途中解約することも可能です。

ただし、その場合には

  • 直前2回分の利子相当額 × 0.79685 を中途換金調整額として差し引かれる

といったペナルティ(実質的なコスト)がかかります。
そのため、「確実に使う予定のない余裕資金を運用する」という考え方が基本になります。

個人向け国債のメリット

個人向け国債には、次のようなメリットがあります。

  • 元本保証:日本国が元本と利子の支払いを約束している
  • 最低金利0.05%保証:極端な低金利でも0%にはならない
  • 利子は半年ごとに受け取り:定期的な収入源としても利用しやすい
  • 1万円から購入可能:少額からスタートできる
  • 銀行預金よりも高い金利水準になりやすい:2025年12月募集分では1.10〜1.35%

リスクを抑えながら、「預金より一歩踏み出した資産運用」をしたい人にとって、使いやすい商品です。

個人向け国債のリスク・注意点

一方で、個人向け国債にも注意すべきポイントがあります。

  • インフレリスク:物価上昇率が金利を上回ると、実質的な資産価値は目減りしてしまう可能性があります。
  • 途中解約のコスト:原則として途中解約にはペナルティがかかるため、短期で出し入れする目的には向きません。
  • 変動金利型の金利低下リスク:変動10年型は、将来の金利が下がる局面では、適用利率が引き下げられることがあります。

「元本割れリスク」は極めて低い一方で、インフレや金利動向といった“目に見えにくいリスク”を理解しておくことが大切です。

固定5年はどんな人に向いている?

固定5年型が向いているのは、次のような人です。

  • 今の金利水準(1.35%)を5年間、変えずに確保したい人
  • 5年程度は使う予定のない資金があり、安定した利息収入を得たい人
  • 将来の金利動向についてあれこれ考えるより、シンプルに固定金利で運用したい

固定5年は、「いまの水準でロックしておきたい」というニーズに応える商品であり、バランスの良さから人気を集めています

変動10年はどんな人に向いている?

一方、変動10年型が向いているのは、次のような人です。

  • 10年程度の長期資金を、安全性を保ちながら運用したい人
  • 将来、金利がさらに上昇する可能性にも備えたい人
  • 定期的に見直される金利の動きを、長期で付き合う感覚で持てる人

変動10年型は、半年ごとに適用利率が見直されるため、
「金利が上がれば利子も増える」「下がれば利子も減る」という特徴があります。
そのため、金利の先行きをあまり固定したくない人にとっては、魅力的な選択肢になり得ます。

個人向け国債が「向く人」「向かない人」

個人向け国債が向いている人

  • 元本割れリスクを極力取りたくない人
  • 普通預金だけではもったいないと感じているが、株式や投資信託は不安な人
  • 将来の教育資金や老後資金など、数年以上先に使う予定のお金を運用したい人
  • 定期的に利子を受け取りながら、コツコツ資産を増やしたい人

個人向け国債があまり向かない人

  • 短期で大きなリターンを狙いたい人(株式などの値動きの大きい資産向き)
  • 1〜2年以内に使う予定があるお金を運用したい人(途中解約コストがネックになる可能性)
  • インフレや物価上昇よりも高い利回りを強く求める人

個人向け国債は、「大きく増やす」商品ではなく、「減らさずに守る」商品に近い位置づけです。
その特性を理解したうえで、手元資金の一部を充てる、といった使い方が現実的といえるでしょう。

「なるほどマネー学」的まとめ:どう選べばいい?

最後に、いま話題になっている「固定5年vs変動10年」の選び方の考え方を整理しておきます。

  • 金利を固定して安心したいなら:固定5年
    現在の1.35%という金利は、これまでの超低金利時代と比べると魅力的な水準です。 これを5年間しっかり確保したいなら、固定5年が有力候補になります。
  • 将来の金利上昇にも期待したいなら:変動10年
    変動10年は、初回1.23%からスタートし、半年ごとに見直されます。 今後の金利がどのように動くかは誰にもわかりませんが、「長期で金利の変化に合わせたい」という方に向きます。
  • 迷ったら分散も選択肢
    ひとつに決めきれない場合は、固定5年と変動10年を組み合わせる方法もあります。例えば、余裕資金を半分ずつ振り分けることで、「いまの金利の確保」と「将来の変動への備え」を両立できます。

個人向け国債は、国が元本を保証し、最低金利も守られるという、数少ない「安全性の高い商品」のひとつです。
2025年12月募集のように金利が1%を超えるタイミングでは、とくに注目度が高まります。

一方で、「何となく話題だから」という理由だけで選ぶのではなく、自分のお金の使い道や期間、リスクの許容度としっかり照らし合わせて決めることが大切です。
そのうえで、「預金と個人向け国債を組み合わせる」「一部だけ個人向け国債に回してみる」といった、無理のない一歩から始めるのも良いでしょう。

参考元