J1ファジアーノ岡山、横浜FCからMF山根永遠を完全移籍で獲得 豊富なJリーグ経験を持つアタッカーに期待高まる
J1リーグのファジアーノ岡山は、横浜FCに所属していたMF山根永遠選手を完全移籍で獲得したと発表しました。横浜FCからの完全移籍となるこの動きは、豊富なJ1・J2の経験を持つ攻撃的ミッドフィールダーの加入ということで、来季の岡山の戦い方に大きな影響を与える補強として注目されています。
一方の横浜FCも、公式サイトを通じて「ファジアーノ岡山へ完全移籍」となることをサポーターに報告しており、3年半在籍したクラブを離れる山根選手の、感謝と別れのメッセージが掲載されています。
山根永遠選手 完全移籍の概要
今回の移籍は、J2に降格する横浜FCから、来季もJ1で戦うファジアーノ岡山への完全移籍です。
- 移籍形態:横浜FCからファジアーノ岡山への完全移籍
- ポジション:MF(主にサイドやウイングバックでプレー)
- 年齢:26歳(1999年2月5日生まれ)
- 所属元:横浜FC(J2降格が決定)
- 新クラブ:ファジアーノ岡山(来季もJ1で戦うクラブ)
ファジアーノ岡山側は公式リリースで、横浜FCからの完全移籍加入であることを明記し、プロフィールや過去の出場記録とともに、山根選手本人のコメントを掲載しています。
プロフィールとこれまでのキャリア
山根永遠選手は、広島県出身の攻撃的ミッドフィールダーです。
- 氏名:山根 永遠(やまね とわ)
- 生年月日:1999年2月5日(26歳)
- 出身地:広島県
- 身長/体重:167cm/67kg
- ポジション:MF
ユース年代ではサンフレッチェ広島の育成組織でプレーし、プロ入りはセレッソ大阪でした。
その後のクラブ遍歴は次の通りです。
- サンフレッチェ広島ジュニアユース
- サンフレッチェ広島ユース
- セレッソ大阪
- ツエーゲン金沢
- セレッソ大阪
- ツエーゲン金沢
- セレッソ大阪
- 水戸ホーリーホック
- セレッソ大阪
- ザスパクサツ群馬
- 横浜FC
JリーグではJ1・J2・J3すべてのカテゴリーでプレーしており、豊富な出場経験を誇ります。
- J1通算:54試合出場 1得点
- J2通算:143試合出場 14得点
- J3通算:71試合出場 13得点
- リーグカップ:8試合出場 1得点
- 天皇杯:4試合出場 0得点
小柄ながら運動量が豊富で、サイドを主戦場にしつつ、攻撃と守備の両面でチームに貢献できるタイプの選手として知られています。
直近シーズンでの活躍:横浜FCでの存在感
山根選手は、横浜FCでのここ数年で大きく存在感を高めてきました。2024シーズンには、当時J2だった横浜FCで主に右ウイングバックとしてプレーし、36試合出場でチームのJ1昇格に貢献しています。
2025シーズンはJ1で戦う横浜FCで、リーグ戦30試合に出場して1ゴール、さらにカップ戦でも6試合に出場し1ゴールを記録しました。
- 2024シーズン(J2・横浜FC):36試合出場、右ウイングバックとして昇格に貢献
- 2025シーズン(J1・横浜FC):リーグ戦30試合1得点、カップ戦6試合1得点
この2シーズンで「J2からの昇格」と「J1での残留争い」という、全く性格の異なる戦いを経験したことは、プレーだけでなくメンタル面でも大きな財産になっていると考えられます。
ファジアーノ岡山での役割とプレースタイルの相性
ファジアーノ岡山は、リリースや取材を通じて「みんなで戦えるチーム」という評価を受けており、ハードワークを前提としたサッカーを志向していることがうかがえます。
山根選手自身も、岡山について次のようにコメントしています。
「ファジアーノ岡山はみんなで戦えるチームだと、試合を通して感じました。みんなが全力で走るので、僕のプレースタイルと合いそうで、今からとても楽しみです。」
ここからは、山根選手の特徴と岡山のサッカーとの相性を、わかりやすく整理してみます。
- 豊富な運動量:サイドで90分間走り切れるスタミナと献身性は、「全員で走る」スタイルの岡山にぴったりです。
- 複数ポジションへの対応:これまで右ウイングバックやサイドハーフなどで起用されており、システム変更にも柔軟に対応できる点は大きな武器です。
- J1・J2両方での経験:昇格争い・残留争い、どちらも経験してきたことで、チームの状況に応じたプレーやメンタルコントロールが期待できます。
特に、「みんなが全力で走る」という言葉に象徴されるように、彼が岡山のサッカーにフィットしやすいと自ら感じている点は、チームに溶け込むスピードにも良い影響を与えるでしょう。
地元・中国地方への“帰還”という側面
山根選手は広島県出身で、ユース時代はサンフレッチェ広島のアカデミーで育ってきました。
本人もコメントの中で、次のように語っています。
「僕は地元が広島なのですが、岡山に来た事があまりないので、沢山おいしいご飯屋さんを教えて欲しいです。」
地理的にも、広島と岡山は隣県同士です。完全な「地元クラブ」ではないものの、育った地域に近いエリアでプレーすることになり、環境面での適応もしやすいと考えられます。
また、「おいしいご飯屋さんを教えてほしい」という言葉からは、クラブやサポーター、街の人たちと積極的に関わっていきたいという、柔らかく親しみやすい人柄も感じられます。
横浜FCサポーターへの感謝と別れ
横浜FCは公式サイトで、山根選手がファジアーノ岡山へ完全移籍することを発表するとともに、本人からの長文コメントを掲載しました。
その中では、3年半を過ごしたクラブやサポーター、スタッフへの深い感謝とともに、自身の振る舞いについても率直に振り返る内容が綴られています。
コメントでは、横浜FCでの充実した時間に触れつつ、プレーに対する強い感情が表に出てしまい、挨拶などが十分でなかったことを気にかけ、サポーターに向けて素直に謝罪する一文も含まれていました。
また、「このチームはとても強いです」「僕がいなくなっても横浜FCを最後まで信じてください」といった言葉からは、クラブへの深い愛情と、残された仲間たちへの信頼が感じられます。
最後には、背負ってきた「8番」という番号への特別な思いに触れ、「横浜FCが大好きです」と締めくくられており、別れの中にも前向きな感謝が溢れるメッセージとなっています。
ファジアーノ岡山サポーターへのメッセージ
新天地となるファジアーノ岡山に向けて、山根選手は公式リリースの中で、サポーターに向けて次のように呼びかけています。
「移籍は毎回緊張しますが、知っている選手・スタッフが数名所属しているので、とても心強いです。」
岡山には、これまで一緒に戦ってきた選手や、顔なじみのスタッフが在籍しているようで、その点も新しい環境への不安を和らげているようです。
さらに、チームの印象や自分の目標については、こう述べています。
「ファジアーノ岡山はみんなで戦えるチームだと、試合を通して感じました。」
「僕のプレースタイルと合いそうで、今からとても楽しみです。」
「僕を必要としてくれたファジアーノ岡山に、たくさん恩返しが出来るように全力で戦うので、応援よろしくお願いします。」
「必要としてくれたクラブに恩返しをしたい」という言葉には、移籍という決断に対する強い覚悟と、結果で応えたいという責任感がにじみ出ています。
来季に向けたチーム編成の中での意味
ファジアーノ岡山は、来季もJ1の舞台で戦うことが決まっている一方、横浜FCは来季J2での戦いとなります。
このタイミングでの山根選手獲得には、いくつかの意味合いが見てとれます。
- J1レベルで戦える実績ある即戦力の補強:2025シーズンにJ1で30試合に出場していることから、トップカテゴリーでも十分に通用することが証明済みです。
- サイドの強化:ウイングバックとして上下動を繰り返せるタイプは、現代サッカーで非常に重要な存在であり、岡山にとって戦術の幅を広げる補強になります。
- 経験値のある26歳:若すぎず、ベテランでもない年齢で、J1・J2・J3を渡り歩いてきた経験値をチームにもたらすことが期待されます。
また、J1に残留するクラブとJ2に降格するクラブの間で起きる「主力級の移籍」の一つとしても、この動きは注目されています。
サポーターにとっての楽しみなポイント
最後に、ファジアーノ岡山、そして横浜FC双方のサポーターの目線から、今回の移籍の「楽しみなポイント」を整理しておきます。
- 岡山サポーターにとって:J1・J2で実績のあるサイドアタッカーが加わることで、攻撃のバリエーションが増えます。全力で走り続けるスタイルは、スタジアムでも非常に映えるタイプの選手です。
- 横浜FCサポーターにとって:3年半クラブを支え、昇格とJ1の戦いを共にした選手が、新たな挑戦の場へ進む姿を見守ることになります。本人が語る「横浜FCが大好き」という言葉は、今後もクラブとサポーターをつなぐ温かい記憶として残るでしょう。
山根永遠選手は、これまでも多くのクラブを渡り歩きながら成長してきましたが、今回のファジアーノ岡山への完全移籍は、J1の舞台で自身の価値をさらに高める大きなチャンスとなります。ピッチを縦横無尽に駆け回るその姿が、岡山の新しいシーズンを彩ってくれることになりそうです。



