ラランド・ニシダ、「ノンパワーセックス」と「妻に性欲を向けづらい問題」を語る人気連載が話題に
お笑いコンビ「ラランド」のツッコミ担当であり、小説家としても活動するニシダさんが、性をテーマにした対談連載「ラランド・ニシダと『みんなのセックス大全!』」で語った内容が、大きな注目を集めています。
連載では、読者やファンをゲストに迎え、「性」についてただひたすら話し合うスタイルが特徴で、今回取り上げられているのは、
「子供ができると妻に性欲を向けづらくなる、ということの意味がわからない」というテーマと、「僕のセックスは全然パワーじゃない。ノンパワーセックス」という発言です。
「みんなのセックス大全!」とはどんな連載?
この連載「ラランド・ニシダと『みんなのセックス大全!』」は、週刊プレイボーイのウェブ版で展開されている人気シリーズです。
お笑い芸人でありながら小説家としても評価されているニシダさんが、読者やファンと一緒に、自身の経験や考えを交えながら、とにかく「性」の話を深掘りしていくというコンセプトになっています。
大きな特徴は、「悩みに答えない」「正解を出さない」「ジャッジしない」というスタンスです。
一般的な性の相談コーナーとは違い、「これは良い・悪い」と決めつけるのではなく、ただただ性について自由に語り合う場として作られている点が、多くの読者の共感を呼んでいます。
連載では、セックスレスやフェチ、マスターベーション、浮気観、体型コンプレックスなど、多様なテーマが取り上げられてきました。
そうした中で今回は、「結婚後・出産後の性欲の変化」と、「パワーに頼らないセックス観」という、現代のカップルにとっても身近な話題がクローズアップされています。
「子供ができると妻に性欲を向けづらくなる」の意味がわからない
最新回のひとつで注目されているのが、「子供ができると妻に性欲を向けづらくなる、ということの意味がわからない」というニシダさんの発言です。
記事によれば、一般的によく聞かれる「妻が母親になると、性的な対象として見られなくなる」という男性側の悩みや言い分に対し、ニシダさんは首をかしげるスタンスを示しています。
ニシダさんは、「子どもができたからといって、なぜ性的な欲求を向けられなくなるのか、そのロジックがよくわからない」というニュアンスで語っており、「母になった=セックスの対象ではない」という分断に疑問を投げかけています。
この発言の背景には、パートナーを「母」か「性の対象」かで二分してしまう価値観そのものに対する違和感があります。
「母親になったからといって、その人が『一人の女性』であることまで否定されるわけではない」という暗黙のメッセージが、多くの読者にとっても印象的に響いたようです。
連載は、特定の答えを示すというよりも、こうした「よく聞くけれど、よく考えると不思議な価値観」を取り上げて、一緒に考えてみるきっかけを提供していると言えます。
育児とセックスをめぐる現実へのまなざし
記事の中では、子どもが生まれた家庭での性生活の変化にも触れられています。
現実として、出産や育児をきっかけに、夫婦間で性に関する悩みが増えるケースは少なくありません。しかし、ニシダさんは、ありきたりな「セックスレスの処方箋」を提示するのではなく、「そもそも、なぜそう考えてしまうのか」という根本の部分に視線を向けています。
「母になったから性欲を向けにくい」と思い込む背後には、「母親は清くあれ」という理想像や、「妻」と「性」の切り離しなど、社会的なイメージも少なからず影響しているとされます。
連載の対談は、そうした前提を一度立ち止まって見直すことで、パートナーとの関係性をどう捉え直せるのかを、読者と共にゆるやかに考えようとする試みになっています。
「僕のセックスは全然パワーじゃない。ノンパワーセックス」
一方、別の回で話題となっているのが、「僕のセックスは全然パワーじゃない。ノンパワーセックス」というフレーズです。
この回では、30代女性のゲスト「Pさん」との対談の中で、海外のセックス観や「パワーセックス」という言葉が話題にのぼりました。
Pさんは、過去に海外の男性とのセックス経験を振り返りながら、「韓国の人は前戯が薄い」「アメリカには“パワーセックス”のイメージがある」といった率直な感想を語ります。
そこから、「パワーセックス」という言葉を軸に、日本と海外の“テンション感”の違いが話題に。
その流れで、「日本男児たれ!」的なマッチョなイメージのセックス像に触れつつ、ニシダさん自身はそうしたイメージとはかなり距離があると打ち明けます。
Pさんから「じゃあ、ニシダさんは全然パワーじゃない?」と聞かれると、ニシダさんは「全然パワーじゃない。ノンパワーセックス」ときっぱり回答。
この「ノンパワーセックス」という言い切りが、多くの読者にインパクトを与えました。
「ノンパワーセックス」が示すもの
記事の文脈からすると、ニシダさんのいう「ノンパワーセックス」とは、肉体的な激しさや支配的な態度に頼らないセックスというイメージに近いと受け取れます。
いわゆる「パワーセックス」が、激しさや勢い、体力勝負のようなイメージを帯びて語られがちな一方で、ニシダさんは自分はそういうタイプではないと正直に認めています。
また、記事中では各国の文化やテンションがセックスにも表れる、といった話も飛び出し、「いいとこ取りができたらいい」という会話も交わされています。
「パワーのところはパワーで、しっとりなところはしっとりで」という言葉からは、一つの正解に縛られない、多様なセックス観を認めていく姿勢が伝わります。
「ノンパワーセックス」という言葉は、派手さはないかもしれないけれど、相手のペースや心情を尊重しながら楽しむセックス、そんなスタイルへの肯定としても読み取ることができます。
マッチョな「男らしさ」に縛られがちな日本の性文化の中で、「力まないセックス」をあえて掲げるニシダさんの発言は、多くの人にとって肩の力を抜いて考えられるきっかけになっているようです。
「ただただ、セックスの話をしていきます」という宣言
この連載が支持されている背景には、「価値観を押しつけない」というスタンスがあります。
企画そのものの説明として、「特にお悩みには答えないし、何かしらの答えも出さないし、ジャッジもしません。ただただ、セックスの、話を、していきます」と明言されています。
「子どもができると妻を性的対象として見られない」という話題も、「ノンパワーセックス」という表現も、どちらが正しい・間違っていると裁くためのものではありません。
むしろ、「そう感じる人もいる」「そうは思わない人もいる」という前提に立ったうえで、自分はどう考えるのかを探っていくための対話として成り立っています。
この「ただ話すだけ」「決めつけない」という距離感は、性にまつわる悩みや恥ずかしさを抱える人にとって、安心して読める空気を作り出しています。
読者は、ニシダさんとゲストのやり取りを追いながら、自分自身の経験や価値観を、少し離れた場所から見つめ直すことができるのかもしれません。
お笑い芸人・小説家としての顔と、「性」を語るまなざし
ラランド・ニシダさんは、1994年生まれ、山口県宇部市出身。相方のサーヤさんとともに、お笑いコンビ「ラランド」を2014年に結成しました。
テレビやラジオ、YouTubeなどで活動する一方で、小説集『不器用で』『ただ君に幸あらんことを』(いずれも角川書店)を刊行するなど、文筆家としての評価も高まっています。
この連載でも、お笑い芸人としての軽妙さやツッコミの鋭さを保ちつつ、どこか文学的なまなざしで「性」や「人間関係」を見つめているのが印象的です。
過去回のタイトルには、「セックスって漫才と一緒だと思うんですよ」「セックスとオナニーでは“埋まる穴”が違う」「金玉をイジられるのは“生殺与奪感”がハンパない」など、独特の比喩や言葉選びが並んでいます。
こうしたタイトルからもわかるように、連載はユーモアと赤裸々さが同居した、どこか文学的なエッセイのような空気をまとっています。
「性」という、扱いを間違えると下品にもなりやすいテーマを、笑いと率直さで包み込みながら、人間そのものを描き出す試みになっていると言えるでしょう。
読者参加型の「性の対談企画」として広がる
「みんなのセックス大全!」は、読者参加型の対談企画でもあります。
週刊プレイボーイのウェブサイトでは、ニシダさんと「性」について語り合う企画に参加したい読者を募集しており、実際に多様なバックグラウンドのゲストが登場しています。
今回話題となったPさん(30代・女性)のように、自身の性体験や価値観をオープンに語るゲストがいるからこそ、連載は単なる一方向のエッセイではなく、生々しい「対話」として成立しています。
読者にとっても、自分と似た感覚の人、まったく違う考え方の人、その両方の話に触れることで、「こうじゃなきゃいけない」という縛りから少し距離を置ける場になっているようです。
「ノンパワーセックス」という言葉も、「子どもができたら妻に性欲を向けづらい」という一般的な悩みも、そのどれもを一度フラットに眺めてみようという連載の姿勢が、今後もさまざまな議論や共感を呼びそうです。



