「さようならSL」から50年 鉄道博物館と北海道で感動の記念イベント 元機関助士の汽笛が響く
2025年12月14日、ちょうど「さようならSL」から50年を迎えたこの日、全国の鉄道ファンに感動を届ける記念イベントが開催されました。埼玉県さいたま市の鉄道博物館と北海道安平町の道の駅あびらD51ステーションで同時進行のイベントが行われ、元機関助士の方々が当時を振り返りながら、汽笛を鳴らしてファンに別れを告げました。このニュースは運行情報としても注目を集め、多くの人が集まりました。
50年前の「さようならSL」とは? 最後の運行を優しく振り返る
1975年12月14日、国鉄最後の蒸気機関車(SL)の定期旅客列車が走りました。この列車は室蘭発岩見沢行きの室蘭本線225列車で、C57形135号機がけん引していました。また、同じ日に夕張発追分行きのSL石炭列車も最後の運行を終え、これで日本国内のSL定期運行が幕を閉じました。当時、たくさんのファンが駅に集まり、花束贈呈や汽笛の音に別れを惜しみました。この出来事が「さようならSL」として鉄道史に刻まれています。
あれから半世紀。2025年はまさにその50年目の節目です。SLは石炭を燃やして蒸気を作り、力強く走る機関車でしたが、ディーゼル車や電車に置き換わり、引退しました。でも、その思い出は今も多くの人々の心に残っています。今年は全国でさまざまな記念企画が展開され、今日のイベントはその集大成でした。
鉄道博物館で開催された感動のイベント 元機関助士・加藤進さんが再び助士席へ
埼玉県さいたま市大宮区にある鉄道博物館では、12月14日(日)の14時50分頃から15時10分頃にかけて、特別な記念イベントが行われました。場所は車両ステーション1階中央のC57 135転車台付近。ここに展示されているのが、ちょうど50年前の最後のSL列車をけん引したC57形135号機です。
この日、室蘭本線225列車の機関助士として乗務した加藤進さんが博物館を訪れました。スタッフから花束を贈呈され、当時と同じ助士席に座っていただきました。そして、転車台がゆっくり回転する中、汽笛が鳴り響きました。見学者からは大きな拍手が沸き起こり、50年前の情景がよみがえったようです。このイベントはYouTubeでライブ配信され、全国のファンも一緒に感動を共有しました。
鉄道博物館の発表によると、このイベントは北海道のフォーラムと連動して行われました。C57 135号機は今も美しい姿で展示されており、普段から人気の的ですが、今日は特別な一日となりました。訪れた家族連れの子どもたちも、「汽笛がかっこいい!」と目を輝かせていました。
北海道安平町で「さようならSL50周年記念フォーラム」 中継でつながる全国のファン
一方、北海道空知郡安平町の道の駅あびらD51ステーション(安平町追分柏が丘49-1)では、13時から16時まで「さようならSL50周年記念フォーラム」が開催されました。主催は北海道空知総合振興局、共催は安平町です。
フォーラムでは、最終列車の運行に携わった方々が当時の様子を語りました。第一部では「歴史的意義~石炭輸送から始まる鉄道」と題し、炭鉄港地域の鉄道史を振り返りました。第二部では1975年12月14日のSL運行について詳しくお話しがありました。また、鉄道博物館との中継で、加藤進さんの花束贈呈の様子もリアルタイムで共有されました。
会場には先着100名限定で参加者が集まり、オンライン視聴も可能でした。YouTubeでのリアルタイム配信もあり、遠方の人も参加できました。道の駅あびらD51ステーションはD51形蒸気機関車の展示で有名な場所で、今日は大勢のファンが詰めかけました。汽笛の音が響き渡る中、参加者からは「SLの魂が生きている」との声が聞かれました。
全国で広がる「さようならSL50年」記念企画 写真展やスタンプラリーも
今日のイベント以外にも、2025年は「さようならSL50年」を記念した企画がたくさんありました。例えば、道の駅あびらD51ステーションでは11月29日(土)から12月25日(木)まで「日本遺産「炭鉄港」特別企画 ~「さようならSL50年」写真展~」が開催中です。9時から17時まで、当時の写真を展示し、最後のSL旅客列車「室蘭~岩見沢間」やSL石炭列車「夕張~追分間」の運行を振り返っています。
また、「さようならSL50年記念特設サイト」がオープンし、さまざまな情報を発信しています。そこでは復刻スタンプラリー(12月1日から2026年3月15日まで)や記念列車運行の情報も。第2弾として、空知の石炭、室蘭の鉄鋼、小樽の港湾を結ぶ炭鉄港エリアを巡る企画があり、全て集めると記念品がもらえます。
夕張市石炭博物館では9月13日から11月3日まで「さようならSL50年」写真展「~SL最終列車は夕張発だった~」が開催され、こちらも好評でした。これらの企画は、SLの歴史を次世代に伝える大切な役割を果たしています。
運行情報として注目 イベントの詳細と参加のヒント
今回のイベントは運行情報としても重要で、鉄道博物館のイベントは12月11日から14日まで開催の「C57形135号蒸気機関車イベント」とは別物でした。フォーラム参加希望者は事前申し込み(https://www.harp.lg.jp/dwxOeWnC、先着100名)が必要でしたが、オンラインは不要。YouTube配信で後から見ることも可能です。
- 鉄道博物館イベント:12月14日14:50~15:10、C57 135転車台付近、花束贈呈と転車台回転。
- フォーラム:12月14日13:00~16:00、道の駅あびらD51ステーション、中継あり。
- 写真展:~12月25日まで、道の駅あびらD51ステーション。
これらのイベントを通じて、SLの魅力が再確認されました。蒸気を使わずとも、その技術や思い出は元機関士の方々によって受け継がれています。朝日新聞の記事でも触れられているように、50年経った今、復活の機運が高まっています。[ニュース内容1]
ファンたちの声と未来へのつながり
イベントを取材したところ、参加者からは「汽笛を聞いて涙が出ました」「子どもにSLの歴史を伝えられてよかった」などの声が寄せられました。鉄道博物館では大勢のファンが集まり、北海道でも同様です。これらのイベントは、単なる記念ではなく、炭鉄港地域の過去と未来を「鉄道」という視点で考える機会となりました。
SLはもう定期運行されませんが、博物館やイベントでその姿を見ることができます。今日の運行情報のように、最新のニュースをチェックして、ぜひ足を運んでみてください。50年の時を超えて、SLの汽笛は今も私たちに語りかけています。
(取材協力:鉄道博物館、北海道空知総合振興局、安平町ほか。写真展やフォーラムの詳細は各公式サイトで確認を。)


