ジョン・シナ、WWEラストマッチへ――頂点への軌跡と最後の戦い
世界的プロレス団体WWEの象徴的スーパースター、ジョン・シナ(John Cena)が、ついに現役ラストマッチを迎えます。長年「フェイス・オブ・WWE」として団体をけん引してきたシナが、最後のリングで相対するのは、“リング・ジェネラル”ことグンター(Gunther)。ファンにとっては、喜びと寂しさが入り交じる歴史的な瞬間となりそうです。
また、このラストマッチを前に、WWEリングアナウンサーとして長くシナを見つめてきたリリアン・ガルシア(Lilian Garcia)も、彼の最後の試合への思い、そして自らの人生の再出発について語っています。本記事では、シナがWWEの頂点へと駆け上がった道のり、グンターとのラストマッチの意味、そしてリリアンの言葉を通して見える「人間ジョン・シナ」の姿を、やさしい言葉で整理してお伝えします。
WWEの頂点へ――ジョン・シナという存在
ジョン・シナは、デビュー当初は無名の新人に過ぎませんでしたが、やがて「You Can’t See Me」の決めゼリフとともに、WWEを代表するスーパースターへと成長しました。日本の報道によると、シナはWWEで通算17度の世界王座を獲得しており、その実績はWWE史に残る記録となっています。
WWEで現場の責任者を務めるトリプルH(Paul “Triple H” Levesque)は、シナの引退ラストマッチを発表した際に、次のような趣旨のコメントを出しています。
- 「ジョンのWWEへの貢献は計り知れない」
- 「彼の偉業をたたえ、ジョンとWWEユニバース(ファン)にとって忘れられない送別会を届けたい」
このコメントからも分かるように、シナは単なる人気レスラーではなく、「WWEの歴史そのもの」を体現する存在として評価されています。
引退発表からラストマッチ決定までの流れ
ジョン・シナの引退は、いきなり決まったものではなく、数年かけて準備されてきた流れの中にあります。2024年にはすでに、シナが2025年での引退を視野に入れていることが報じられていました。そこから約1年をかけて、「最後のレッスルマニア出場」や「引退ツアー」といった形で、世界各地のファンに別れを告げる機会が用意されてきました。
日本時間2025年10月1日には、シナのラストマッチの正式な日時と会場が発表されています。
- 大会名:WWEサタデー・ナイト・メインイベント
- 日時:2025年12月13日(現地時間)
- 会場:米ワシントンD.C. キャピタル・ワン・アリーナ
この大会は、シナのラストマッチが組まれることから、いわゆる“プラチナチケット”化しているとも報じられています。長年のファンにとって、リング上でシナを生で見られる最後の機会になる可能性が高く、チケットの価値が一気に高まっている状況です。
ラストマッチの相手は“リング・ジェネラル” グンター
シナのラストマッチの対戦相手として選ばれたのが、オーストリア出身の強豪レスラー、グンター(Gunther)です。グンターは元インターコンチネンタル王者として知られ、堅実で重厚なファイトスタイルから「リング・ジェネラル(Ring General)」の異名を持ちます。
WWEの番組紹介では、シナの最終戦の対戦権を巡る戦いの中で、グンターの名前が大きくクローズアップされていました。その上で、最終的にシナがラストマッチで対峙するのがグンターであることが明らかになり、「世代交代」とも言えるドラマが期待されています。
グンターは、技巧とパワーを兼ね備えたレスラーであり、クラシックな欧州スタイルを現代に蘇らせた存在ともいわれます。対するシナは、アメリカン・ヒーロー的なキャラクターで、フィニッシュ技の「アティテュード・アジャストメント」、そしてSTFなどで数々の名勝負を生み出してきました。タイプの異なる2人が、シナのキャリア最後の試合でぶつかるという構図は、プロレス的にも非常に意味のあるマッチアップといえるでしょう。
“引退ツアー”としてのラスト数カ月
ジョン・シナは、ラストマッチに向けて、いわば「引退ツアー」ともいうべき形で、複数の大会に登場することが予定されていました。日本の報道によると、シナのツアーは残り5試合として告知されており、その中にはオーストラリアやボストン、ニューヨーク、サンディエゴなどでの大会が含まれていました。
- 10月11日:オーストラリア・パースで開催のPLE「クラウン・ジュエル」でAJスタイルズ戦
- 11月10日:ボストンでの「RAW」大会出場
- 11月17日:ニューヨーク・マディソン・スクエア・ガーデンでの「RAW」大会出場
- 11月29日:サンディエゴでのPLE「サバイバー・シリーズ」出場
特にニューヨークで行われた「RAW」大会は、「ジョン・シナ最後のRAW」として大きく扱われ、WWE公式動画でも「歴史的な一夜」として紹介されています。そこでは、インターコンチネンタル王座をめぐるストーリーや、シナの最後のRAW出場にふさわしい豪華なカードが組まれ、ファンに強い印象を残しました。
リリアン・ガルシアが語る「ジョン・シナのラストマッチ」と「再び見つけた愛」
シナのラストマッチのニュースとともに注目されているのが、長年WWEでリングアナウンサーを務めたリリアン・ガルシアのインタビューです。リリアンは、WWEのリングで幾度となく「And his name is John Cena!」とシナをコールしてきた人物であり、彼のキャリアを間近で見てきた1人でもあります。
今回、リリアンはメディアの取材などで、シナのラストマッチに対する特別な思いを語っています。具体的な発言の全文はここでは紹介できませんが、主なポイントは次のような内容だとされています。
- ジョン・シナは、カメラが回っていない場面でも、スタッフや他の選手に対して常に敬意と感謝を忘れない人物であったこと
- シナのラストマッチは、WWEにとって1つの時代の終わりであり、同時に次の時代へのバトン渡しでもあるということ
- 自分自身もまた、プロレス界を離れてから人生の新しい章に入り、「愛」を再び見つけたこと
リリアンは、自身の人生についてもオープンに語っており、過去の困難や別れを経て、現在は新たなパートナーと共に前向きな日々を送っているといいます。シナのラストマッチの話題と、自身の「再び愛を見つけた」経験を重ね合わせることで、彼女は「終わりは必ずしも悲しいだけではなく、新しい始まりでもある」というメッセージを伝えています。
ファンと共有してきた時間――“You Can’t See Me”の向こう側
ジョン・シナは、リングの上では豪快でパワフルなファイトを見せる一方で、リングの外では数多くの社会貢献活動を行ってきたことでも知られています。重い病気と戦う子どもたちを支援する活動などを長年続け、願いを叶える団体への協力数が歴代最多級であることが、海外メディアなどでしばしば紹介されてきました。
ファンにとってシナは、単なるレスラーではなく、
- 「どんな困難にぶつかっても、立ち上がり続けるヒーロー」
- 「努力とポジティブさを体現する存在」
- 「子どもたちの憧れであり、大人にとっても励ましをくれる人物」
として愛されてきました。「Never Give Up(決してあきらめない)」というメッセージは、試合の勝ち負けを超えて、多くのファンの人生そのものに影響を与えています。
なぜ今、引退なのか――キャリアと人生のバランス
2025年時点で、ジョン・シナは40代後半となり、肉体的な負担も無視できない年齢に達しています。それでもなお、彼は2020年代に入ってからも、スポット的な出場ながら高水準のパフォーマンスを維持し、多くの後輩レスラーたちと名勝負を繰り広げてきました。
一方で、シナはハリウッド映画やドラマなど、エンターテインメント業界での活動も本格化させており、
- プロレスラーとしてのキャリア
- 俳優・タレントとしての活動
- プライベートな人生
そのバランスを考えたときに、「WWEスーパースターとしてのフルタイムに近い活動」に区切りをつける決断をしたと見られています。2024年の時点で「2025年での引退」を示唆したことからも、短期的な感情ではなく、長い時間をかけて考え抜いた選択であることがうかがえます。
ラストマッチが持つ意味――“世代交代”と“感謝の儀式”
シナのラストマッチの相手がグンターであるという事実には、「世代交代」という大きな意味が込められていると受け止められています。グンターは、現代WWEを代表する実力派として、今後ますます中心的な役割を担うことが期待されるレスラーです。
シナが頂点に登りつめた時代には、エッジ、ランディ・オートン、バティスタなど、多くのスターたちがしのぎを削っていました。その後も、新たなスターが次々と登場する中で、シナは常に「象徴」としてWWEの顔を務めてきました。ラストマッチでグンターと相対することは、
- 自らの時代の幕引きを、自分の手で丁寧に行う
- 次の時代を担うレスラーにスポットライトを当てる
という、ベテランとしての責任と誇りを示す行為でもあります。
また、WWEにおける「引退試合」は、単なる勝敗以上に、ファンや仲間たちと「感謝を分かち合う儀式」という側面が強くあります。試合終了後には、会場中から「Thank You Cena!」のチャントが鳴り響き、リング上でのスピーチや、かつての仲間・ライバルたちの登場など、さまざまな演出が行われる可能性があります。トリプルHが述べた「忘れられない送別会」という言葉は、まさにこうした情景を指し示しているのでしょう。
観戦するファンにとっての楽しみ方
ジョン・シナのラストマッチ、そしてその前後の大会を見るにあたって、ファンとして楽しむポイントをいくつか挙げておきます。
- シナの表情やしぐさに注目する
長年の経験を持つレスラーは、言葉以上に表情や体の動きで感情を表現します。ラストマッチでは、1つ1つの動作に「別れ」と「感謝」の気持ちがにじみ出るはずです。 - 対戦相手グンターの攻防を見る
シナの引退を盛り上げる役割を担うグンターが、どのような攻防で試合を組み立てるのかも大きな見どころです。シナを「伝説」として輝かせながら、自身の強さも示す――その難しい役割に注目が集まります。 - 入場シーンと退場シーンをしっかり見届ける
プロレスにおいては、試合そのもの以上に、入場や退場のシーンが心に残ることがあります。シナが最後にどんな言葉を発し、どんな姿でリングを後にするのか。その一瞬を見逃さないようにしたいところです。
リリアン・ガルシアの視点が教えてくれるもの
リリアン・ガルシアがシナのラストマッチについて語る中で、印象的なのは「プロレスは人生そのものの縮図」であるというニュアンスです。勝つこともあれば、負けることもあり、ときにはケガをすることもある。それでも、
- あきらめずに立ち上がること
- 支えてくれる仲間やファンへの感謝を忘れないこと
- 過去の痛みを受け止めながら、新しい一歩を踏み出すこと
そうしたメッセージは、彼女自身が「愛を再び見つけた」経験とも重なっています。リリアンは、シナのラストマッチを見届けるファンに向けて、「あの日々は終わらない。あなたの心の中で、いつまでも続いていく」という趣旨の想いを語っており、リングを離れたあとも、ジョン・シナの物語が多くの人の人生の支えになることを示唆しています。
ジョン・シナという“物語”を見届けるとき
ジョン・シナのラストマッチは、WWEの1試合であると同時に、20年以上続いた大きな「物語の最終章」です。新人時代から苦労を重ね、やがて世界王者となり、多くのライバルと名勝負を繰り広げ、そして今、新しい世代に道を譲ろうとしています。
その背中を、最後まで見届けることができるのは、ファンにとって大きな幸運でもあります。リングを降りても、映画やドラマ、社会貢献活動など、別のフィールドでジョン・シナの活躍を見る機会はこれからもあるでしょう。しかし、「プロレスラー・ジョン・シナ」としての最後の姿は、このラストマッチでしか見られません。
歓声とチャントに包まれるキャピタル・ワン・アリーナの中で、ジョン・シナがどんな闘いを見せ、どんな言葉をファンに残すのか――その瞬間は、WWEの歴史だけでなく、スポーツエンターテインメント全体にとっても、忘れられない1ページとなるはずです。



