冬の夜空を彩る「ふたご座流星群」 きょうから2夜がいちばんの見頃に

冬の夜空を代表する天体ショー、ふたご座流星群が、今年もいよいよ見頃を迎えています。例年安定して多くの流れ星が見られる流星群として知られ、2025年はきょう13日夜から2夜連続で、全国的に絶好の観察チャンスとなりそうです。

ここでは、発生のピーク時期や、おすすめの時間帯、見える方角、観察のコツなどを、やさしい言葉でわかりやすくお伝えします。寒い冬の夜ですが、しっかり防寒をして、家族や友人と一緒に、空を見上げてみませんか。

2025年のふたご座流星群は「年間最大級」 ピークは14日夕方

ふたご座流星群は、毎年12月中旬に活動が活発になる、三大流星群のひとつです。2025年は、12月14日17時ごろに流れ星の数がもっとも多くなる「極大」を迎えると予想されています。

ただし、この極大時刻の17時ごろは、まだ空が明るく放射点も低いため、日本から見る実際の「見頃」は少しずれます。
専門機関の予測によると、14日夜から15日明け方が最も多くの流れ星が見られる時間帯で、その前日の13日夜から14日明け方もかなり多くの流星が期待できるとされています。

国立天文台は、13日夜~14日明け方、そして14日夜~15日明け方の2夜を「普段よりもかなり多く流星が見られそうな好機」と案内しています。
天文情報サイトなどでも、13日夜から14日明け方をおすすめの観察期間のひとつとして挙げています。

きょうからのおすすめ観察時間帯は?

2025年のふたご座流星群は、月明かりの影響が比較的小さい好条件で観察できます。 それでも、時間帯によって見えやすさは変わってきます。

  • 13日夜~14日明け方:
    極大前夜にあたり、「かなり多くの流星」が見込まれる時間帯です。
    国立天文台の予測では、14日0時〜4時ごろ、空の暗い場所では1時間に40〜45個程度の流れ星が期待されています。
  • 14日夜~15日明け方:
    こちらが、いわゆる「極大夜」にあたります。
    14日21時ごろには、すでに1時間あたり30個程度の流星が見込まれ、放射点が高くなる23時〜15日2時ごろには、1時間あたり50個前後と、非常に多くの流れ星が見られると予想されています。
    明け方にかけても、35〜45個程度と高い活動が続く見込みです。
  • 月の影響:
    14日から15日にかけての月齢はおよそ25で、やや細い月が深夜2時過ぎに昇るため、月明かりの影響はそれほど大きくありません。
    そのため、夜半前後から月が昇る前後までが、もっとも見やすい時間帯といえます。

フェリー会社の星空解説などでは、「極大が14日夕方にあたるため、13日夜に観察するとよい」とし、13日は21時ごろから月が昇るまでをおすすめ時間帯として紹介しています。
いずれにしても、13日深夜から14日明け方、そして14日夜から15日明け方にかけてが、今年のベストチャンスです。

どこを見ればいい? 方角と「木星」を目印に

ふたご座流星群の流れ星は、空のある一点から放射状に飛び出してくるように見えます。この点を「放射点」と呼び、ふたご座の方向にあります。

ですが、流れ星は空のどの方角にも現れるため、放射点だけをじっと見つめる必要はありません。
街の明かりが少ない場所では、空全体を広く見渡すようにして寝転がって見ると、多くの流れ星をとらえやすくなります。

冬の夜空では、目印となる星たちもたくさん輝いています。

  • 放射点(ふたご座)は深夜に高く:
    ふたご座の放射点は、日没後に東の空から昇り始め、夜が深くなるにつれて空高く上ります。
    深夜にはほぼ天頂付近に達し、ここから四方八方へ流れ星が飛び出すように見えます。
  • 東の空の木星が大きな目印:
    冬の夜、東の空でひときわ明るく輝く木星は、ふたご座流星群を探すときのよい目印になります。
    木星の近くには「オリオン座」や「冬の大三角」などの華やかな星々が並び、これらの星々の間を縫うように流れ星が走る光景が期待されています。
  • 見上げる方向:
    特定の方角にこだわる必要はありませんが、できるだけ空の広い範囲が見える方向(頭上からやや高めの空)を眺めるのがおすすめです。

どのくらい見える? 街中と郊外での違い

流れ星の見える数は、空の暗さによって大きく変わります。

  • 暗い場所(郊外・山間部など):
    街明かりがなく、視界の開けた場所では、1時間あたり20〜25個程度の流れ星が見られると予想されています。
    国立天文台の詳細な予測では、条件の良い場所で14日深夜には1時間に50個前後が期待される時間帯もあります。
  • 郊外・明るい空:
    郊外の明るめの空では、見える数は暗い場所の半分程度(10個前後)に減る可能性があります。
    街中で観察した場合や、極大の時間帯から外れると、さらに数が少なくなることもあります。

また、観察に慣れた人や目の良い人は、初心者よりも2倍以上多くの流れ星を数えることができる、という報告もあります。
観察を始めてから15分ほどは暗さに目を慣らす時間が必要なので、少し長めに空を見上げてみてください。

観察のコツ:準備と楽しみ方

ふたご座流星群を楽しく、安全に観察するためには、少しの工夫が役立ちます。

  • 防寒対策をしっかりと:
    12月の深夜から明け方は、非常に冷え込みます。コートやフリースに加え、帽子・手袋・マフラー・カイロ・毛布などで、念入りに防寒してください。
    地面からの冷気を避けるため、レジャーシートやマット、リクライニングチェアなどがあると快適です。
  • 暗い場所を選ぶ:
    街灯や車のライトなど、強い光が視界に入ると、流れ星が見えにくくなります。
    できるだけ明かりの少ない場所で、空が広く開けたところを選びましょう。
  • 目を慣らす:
    暗い場所に入ってから、少なくとも15分ほどはスマートフォンの画面などを見ずに空を見上げ、目を暗さに慣らします。
    これだけで、見える流れ星の数がぐっと増えます。
  • 道具は不要:
    流れ星の観察に、双眼鏡や望遠鏡は必要ありません。かえって視野が狭くなり、見える数が減ってしまいます。肉眼で空全体を眺めるのがいちばんです。
  • 安全とマナー:
    観察中は、車道の近くや足元の悪い場所を避け、転倒や交通事故に十分注意してください。
    住宅地の近くでは、大声を出したり長時間たむろしたりしないなど、周囲への配慮も忘れないようにしましょう。

ライブ配信で楽しむという選択肢も

ふたご座流星群は、天候や観察場所によっては十分に楽しめないこともあります。そうした人のために、天文台やメディアなどが夜空のライブ配信を行うケースもあり、13日・14日夜の見頃に合わせて中継が予定されているところもあります。

ご自宅の暖かい部屋から、スマートフォンやパソコンを通じて、プロのカメラがとらえた夜空を楽しむのも一つの方法です。外での観察とあわせて活用すれば、実際の空と画面の両方で流れ星を味わうことができます。

ふたご座流星群とは? 安定して見やすい「冬の主役」

ふたご座流星群は、毎年12月14日前後に活動がピークを迎える流星群です。
活動が安定しており、「期待どおりに多くの流れ星が見える」ことから、天文ファンのあいだでも特に人気の高い流星群のひとつです。

また、冬は夜が長いうえ、ふたご座の放射点が一晩中地平線上にあり、深夜には高く上るため、観察しやすいという特徴もあります。
寒ささえしっかり対策すれば、一年のうちで最も観察条件に恵まれた流星群ともいえる存在です。

今年は月明かりの影響も比較的小さく、条件の良い場所では1時間あたり数十個もの流れ星が期待されています。
天候に恵まれれば、「今年いちばんの流星群」と呼ぶにふさわしい、にぎやかな夜空になるでしょう。

きょうからの2夜、東の空で輝く木星

参考元