東武鉄道の年末年始ダイヤまとめ:終夜運転は実施せず、大師線を中心に増発へ
東武鉄道は、2025年~2026年の年末年始期間について、大晦日の終夜運転は行わず、日中時間帯を中心にダイヤを調整する形で対応する方針を発表しています。年末年始の帰省や初詣の計画を立てるうえで、知っておきたいポイントをやさしく整理してご紹介します。東武沿線にお住まいの方はもちろん、初詣などで東武線を利用する予定のある方は、ぜひ参考にしてください。
年末年始の基本ダイヤ:12月30日~1月2日(または3日)は「土休日ダイヤ」で運転
まず押さえておきたいのが、年末年始の運行パターンです。東武鉄道では、ここ数年、年末年始の列車本数や運行体系を大きく変えるのではなく、「土休日ダイヤ」をベースに運転する方針をとっています。
公式発表によると、年末年始の12月30日~1月2日(あるいは1月3日)まで、全線で「土休日ダイヤ」で運転する形がとられています。
これは、平日ダイヤに比べて本数はやや少ないものの、休日としては標準的な本数で運転されるというイメージです。多くの利用者が休暇に入り、通勤・通学利用が減る一方で、買い物やお出かけ、初詣などで利用時間帯が分散することを踏まえたダイヤ設定といえます。
なお、具体的な日付の区切り(12月30日~1月2日か、~1月3日か)については、年度ごとに若干異なる場合があります。最新の年度分は、東武鉄道の公式サイト「お知らせ」ページや、駅掲示のポスターなどで必ず確認するようにしてください。
大晦日の終夜運転は「実施しない」方針が継続
近年、首都圏の鉄道各社では、大晦日の深夜から元日早朝にかけた「終夜運転」を縮小または取りやめる流れが続いています。東武鉄道もその一社で、2024~2025年シーズンに続き、2025~2026年の年末年始も終夜運転を実施しないことが案内されています。
東武鉄道の公式リリースでは、「大晦日深夜時間帯の終夜運転や終列車の繰下げ・初列車の繰上げ運転は行いません」と、明確に記されています。
これはつまり、
- 大晦日の夜~元日早朝にかけて、東武線が一晩中走り続けることはない
- 普段よりも終電を遅くしたり、初電を極端に早めたりといった特別な深夜ダイヤも実施しない
ということを意味します。東京近郊の終夜運転を詳しくまとめたガイド記事でも、「小田急・西武・東武電鉄は終夜運転なし。深夜は完全運休」と整理されており、東武の方針が他社と比較しても「深夜帯は動かさないグループ」に属していることがわかります。
そのため、大晦日の深夜から元日にかけての移動を予定している方は、
- 終電時刻を必ず事前に確認する
- JR線など、終夜運転を行う他社線との乗り継ぎ時間に余裕を持つ
- 深夜帯の移動がどうしても必要な場合は、タクシーやバスなど別の手段も検討する
といった点に注意が必要です。特に、都心~郊外間の移動で、JRと東武を乗り継ぐルートを利用する方は、「JRは動いているが、東武は深夜は動かない」という可能性を忘れないようにしましょう。
初詣の「西新井大師」へ:大師線で年始に増発運転
終夜運転は行わない一方で、東武鉄道が年末年始ダイヤの中で特に力を入れているのが「大師線」の増発です。大師線は、西新井駅と大師前駅を結ぶ短い支線で、古くから初詣スポットとして知られる「西新井大師」へのアクセス路線として重要な役割を担っています。
東武鉄道の発表によると、年始期間中、1月1日~3日の間、大師線で増発運転が行われます。具体的には、
- 対象期間:1月1日~3日
- 対象時間帯:西新井駅10時31分発~16時02分発の列車
- 運転間隔:通常10分→約8~10分間隔に増発
という形で、日中時間帯を中心に本数を増やすことで、初詣客の混雑緩和を図る内容になっています。
特に元日から三が日にかけての西新井大師周辺は、例年多くの参拝客で賑わいます。これに合わせて大師線の本数を増やすことで、
- ホームや車内の混雑をできるだけ緩和する
- 参拝客がスムーズに西新井大師にアクセスできる
よう配慮されています。同時に、混雑時には大師線ホームで入場規制を行う可能性がある旨も案内されており、安全面を最優先した運行が行われる予定です。
特急「スペーシアX」「けごん」「リバティけごん」「りょうもう」など臨時列車も運転
年末年始は、日光・鬼怒川方面や伊勢崎方面へのお出かけや帰省需要も高まる時期です。東武鉄道では、この需要に応えるかたちで、特急列車を中心に臨時列車の設定も行っています。
主なポイントは次の通りです。
- JR線から東武日光線へ直通する臨時特急列車を運転
- 日光線経由の特急「スペーシアX」「けごん」「リバティけごん」の臨時列車を増発
- 伊勢崎線経由の特急「りょうもう」も臨時列車を運転
- いずれも全席指定席のため、乗車券に加えて特急券の購入が必要
特に、日光・鬼怒川方面は、冬の観光地としても人気が高いエリアであり、年末年始にかけて多くの観光客が訪れます。指定席の特急列車を利用することで、
- 乗車を確実に確保できる
- 長距離移動でもゆったり座って移動できる
といったメリットがあります。その一方で、「全席指定」=自由席がないということでもありますので、早めの予約を心がけると安心です。
バスも要チェック:東武バスグループの年末年始ダイヤ
東武グループの交通手段としては、鉄道だけでなく東武バスも重要です。バスを使って駅まで向かう方や、駅からの二次交通として活用している方も多いでしょう。
東武バスグループでは、2025年12月27日(土)~2026年1月4日(日)の年末年始期間中、路線ごとに「休日ダイヤ」「正月ダイヤ」などで運行することが案内されています。
「平日ダイヤ」での運行ではないケースが多いため、
- 通勤・通学でバスを利用する人
- 駅までバスでアクセスし、そのまま東武線に乗り換える人
は、鉄道ダイヤとあわせて、バスの時刻表も事前に確認しておくことが大切です。特に、正月三が日は、本数がさらに少なくなる路線もあるため、時間に余裕を持った行動を心がけてください。
東武鉄道の年末年始ダイヤの特徴と上手な付き合い方
ここまでご紹介した内容を踏まえると、東武鉄道の年末年始ダイヤには、いくつかの大きな特徴があります。
- 終夜運転は実施せず、深夜帯は運休となる
- 12月30日~年始数日間は「土休日ダイヤ」で統一し、大きく崩さない
- 大師線の増発など、初詣需要には日中時間帯の増発で対応する
- 特急列車の臨時運転により、観光・帰省需要にも配慮
こうした方針は、夜通し走らせるよりも、日中の混雑時間帯に輸送力を重点配分するという考え方に基づいているといえます。深夜の安全確保や乗務員の負担、利用者数の変化などを総合的に考えたうえでの判断と見ることができます。
利用者の側としては、
- 「大晦日の深夜は動かない」という前提で移動計画を立てる
- 初詣や初売りなど、混雑が予想される時間帯は、一本早めの列車を利用する
- 大師線・特急列車・バスなど、個別の時刻・運転日を公式情報で確認する
といった点を意識することで、年末年始の移動をよりスムーズに、安心して行うことができます。
また、東京近郊全体で見ると、JR東日本の一部路線などでは終夜運転が行われる一方で、東武を含む多くの私鉄・地下鉄では終夜運転を行わないという「路線ごとの違い」がはっきりしています。
そのため、他社線との乗り継ぎルートを含めてあらかじめシミュレーションしておくと、当日慌てずに済みます。
年末年始は、いつもと違うダイヤだからこそ、事前の情報収集が何よりの安心材料になります。東武鉄道や東武バスの公式サイト、駅やバス停の掲示、各社のアプリや乗換案内サービスなどを活用し、ご自身の予定に合わせた移動計画を立ててみてください。



