鍵山優真選手を支える「もっと強い気持ちを」――ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックへ続く道

2026年にイタリアで開催される冬季オリンピック「ミラノ・コルティナ2026」に向けて、日本のフィギュアスケート界が大きな注目を集めています。特に、若きエース・鍵山優真選手と、その父でありコーチでもある鍵山正和さんの親子タッグは、多くのファンから期待と関心を寄せられています。

グランプリファイナル男子フリー後、鍵山正和コーチが口にした「もっと強い気持ちを持ってほしい」という言葉は、結果だけでなく、オリンピックへ続く長いシーズンに向けた親として、指導者としての率直な思いがにじんだコメントとして話題になりました。

グランプリファイナル男子フリーで見えた課題と収穫

フィギュアスケートのグランプリファイナルは、そのシーズンの世界トップレベルの選手だけが出場できる、非常にレベルの高い大会です。オリンピックの前哨戦ともいえるこの舞台での演技は、選手たちにとっても、今シーズンと今後を占う重要な試金石になります。

男子フリーを終えたあと、鍵山正和コーチは

「技術面だけでなく、最後までやり切るという強い気持ちをもっと持ってほしい」

といった趣旨のコメントを残し、息子でもある優真選手に対して、メンタル面の成長を強く求めました。この言葉には、世界の頂点を争う舞台では、ジャンプやスピンの精度だけでなく、「どんな状況でも自分を信じて滑り切る精神力」が不可欠である、というコーチとしての実感が込められているといえるでしょう。

一方で、今季のグランプリシリーズでは、ケガからの復帰後も着実にプログラムの構成を上げ、難度の高いジャンプに挑戦し続けていることも事実です。安定感と表現力を両立させるために、試合ごとに調整を重ねている最中であり、その中での「もっと強く」というメッセージは、叱咤であると同時に、大きな期待の表れでもあります。

ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックの概要

そんな鍵山親子が目指す舞台となるのが、2026年に開催されるミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックです。

  • 大会名称:第25回オリンピック冬季競技大会(Milano Cortina 2026)
  • 開催日程:2026年2月6日~2月22日
  • 開催地:イタリア・ミラノおよびコルティナ・ダンペッツォ
  • 実施競技:8競技116種目が予定

イタリアで冬季オリンピックが行われるのは、1956年コルティナ大会2006年トリノ大会に続いて3回目となります。コルティナ・ダンペッツォは、長年にわたり「アルプスの真珠」と呼ばれてきた山岳リゾートで、雄大なドロミーティ山地を背景に、ジャンプやアルペンスキーなどの競技が行われる予定です。

ミラノは、ファッションやデザインの都としても知られる大都市で、アイスホッケーやフィギュアスケート、ショートトラックといった氷上競技の中心会場になる計画です。都会的なスタジアムと、歴史ある山岳リゾートという、対照的な2つの地域で大会が行われるのも、このオリンピックの大きな特色といえます。

競技日程と各日の見どころ

ミラノ・コルティナ2026では、多くの競技が大会期間を通して連日行われます。ここでは、その中でも特に日本のファンから人気の高い競技と、日程の大まかな流れをご紹介します。

大会全体のスケジュールの流れ

公式情報などによると、氷上競技と雪上競技が大会全期間にバランスよく配置される形で日程が組まれています。

  • 大会期間:2月6日~2月22日(17日間)
  • フィギュアスケート:大会前半から中盤にかけて団体戦・ショート・フリーが順次実施
  • スピードスケート・ショートトラック:開会式直後から中盤にかけて連日レースが組まれる形
  • ジャンプ・アルペン・クロスカントリーなど:雪上競技は中盤から終盤にかけて決勝が集中

特に、多くの人が注目する決勝(メダル決定戦)は、週末や祝日に合わせるように組まれている種目もあり、テレビ観戦もしやすい構成になっています。

フィギュアスケート:男子フリーと女子フリーが山場

日本で最も注目される競技の1つが、もちろんフィギュアスケートです。

  • フィギュアスケート競技期間:大会期間の前半から後半にかけて実施
  • 男子シングル・フリー:2月中旬の週末に決勝(フリー)が予定されているとされ、日本ではゴールデンタイム前後が想定されています
  • 女子シングル・フリー:男子のフリーから数日後、同じく週末に行われる日程案が示されています
  • 団体戦:大会序盤から中盤にかけて行われる見込みで、オリンピックならではのチーム戦に注目が集まります

男子シングルでは鍵山優真選手をはじめとするメダル候補たちが、4回転ジャンプを駆使して世界一を争うハイレベルな戦いになると見られています。女子シングルでは、日本のエースによる安定したジャンプと表現力が、欧州勢や北米勢との拮抗した争いの中でどこまで評価されるかがポイントになるでしょう。

スピードスケート・ショートトラックの見どころ

スピードスケートショートトラックも、日本がメダルを狙える重要な種目です。

  • スピードスケート:中長距離から短距離、団体追い抜きまで幅広い種目が、大会中盤を中心に配置
  • ショートトラック:接触や駆け引きが多いエキサイティングな競技で、大会前半から中盤にかけて複数種目が行われる構成

特に、女子中距離や団体パシュートは、近年の日本勢の活躍から、メダル争いの常連種目として期待されています。

雪上競技:スキージャンプ、スノーボード、モーグルなど

雪上競技では、スキージャンプスノーボード(ハーフパイプ)フリースタイルスキー(モーグル)といった、日本でも人気の高い種目が目白押しです。

  • スキージャンプ:男子ラージヒル個人の決勝などが大会終盤の週末に組まれており、金メダル争いのクライマックスとして注目されています
  • スノーボード(ハーフパイプ):男子ハーフパイプ決勝は、比較的早い段階の決勝として日程表に挙げられており、日本からも複数の有力選手が出場予定とされています
  • フリースタイルスキー(モーグル):大会序盤に決勝が集中する日程が組まれていて、初日からメダルの期待が高い種目です

これらの競技は、コルティナ・ダンペッツォをはじめとする山岳会場で行われ、アルプスのダイナミックな景観を背景にした迫力ある映像も大きな魅力です。

家族と共に――ミラノ・コルティナ2026を目指す選手たち

四国新聞などの地方紙でも、「家族と共に ミラノ・コルティナ2026」といったテーマで、地元出身選手やその家族の思いを取り上げる記事が増えています。そこには、オリンピックという大舞台が、選手本人だけでなく、支える家族にとってもかけがえのない時間であることが色濃く描かれています。

競技生活は、多くの場合、幼い頃から家族の支えによって成り立っています。早朝からの送り迎え、遠征費の捻出、ケガやスランプのときに寄り添う心のケアなど、目に見えない支えが選手の土台になっていることは、どの種目でも共通しています。

鍵山優真選手と正和コーチの親子も、その象徴的な存在のひとつといえるでしょう。かつて自らもオリンピックで戦った経験を持つ父が、その知識と経験を息子に伝えながら、時に厳しく、時に温かく指導している姿は、多くの家族にとっても共感を呼ぶ物語です。

家族の存在が選手にもたらすもの

オリンピックの舞台に立つまでの道のりは、決して順風満帆ではありません。ケガや結果不振、代表選考のプレッシャーなど、心が折れそうになる瞬間は誰にでもあります。

そんなときに、

  • 「あなたならできる」と信じてくれる家族の言葉
  • 当たり前のように用意される日々の食事や生活の支え
  • 遠くからでも送られてくる応援のメッセージ

こうした存在の積み重ねが、選手たちにとって大きな力になっていると、選手自身が語ることも少なくありません。

四国新聞のようなローカルメディアが、選手の競技成績だけでなく「家族と共に歩んできた時間」に焦点を当てるのは、オリンピックが単にメダルの数を競う大会ではなく、人と人とのつながりや、長年の努力が報われる瞬間でもあることを伝えたいからでしょう。

日本代表選考とこれからの見どころ

ミラノ・コルティナ2026に向けた日本代表選考も、いよいよ佳境を迎えつつあります。

  • フィギュアスケート:例年通り、全日本フィギュアスケート選手権が代表選考の大一番となり、2025年12月下旬に実施される見通しとされています
  • スピードスケート:オリンピック代表選手選考競技会が同じく12月下旬に行われる予定で、ここでのレース結果が代表入りに直結します
  • スキージャンプ:ワールドカップでの成績などが基準となり、2025年11月から2026年1月にかけての結果が重要視されます
  • カーリング:世界最終予選などでの成績によって、男女それぞれの出場枠が決まる見込みです

特にフィギュアスケートは、日本国内だけでも代表枠をめぐるレベルが非常に高く、わずかなミスや一度の好演技が、代表に選ばれるかどうかを左右するシビアな戦いになります。

鍵山優真選手に期待される「強い気持ち」

こうした状況の中で、改めて響いてくるのが、鍵山正和コーチの「もっと強い気持ちを持ってほしい」という言葉です。これは単に「根性論」を求めているのではなく、

  • どんなプレッシャーの中でも自分の演技を信じる心
  • 失敗してもすぐに立て直す切り替えの速さ
  • 世界のトップと戦う中でも、自分の成長を信じ続ける姿勢

といった、トップアスリートに必要なメンタリティを求めるメッセージであると受け取ることができます。

グランプリファイナル男子フリーという大きな舞台で見えた課題は、オリンピック本番までに修正するための「貴重な材料」でもあります。こうした経験を一つ一つ積み重ねていくことで、ミラノ・コルティナ2026のリンクで、より完成度の高い演技を披露してくれることが期待されています。

テレビ観戦・現地観戦の楽しみ方

ミラノ・コルティナ2026は、時差の関係から、日本では夕方から深夜にかけての時間帯に多くの競技が行われると見られています。テレビやネット配信を通じて観戦する場合、

  • 仕事や学校の後に、家族でゆっくりフィギュアやジャンプを楽しむ
  • 週末に、スノーボードやモーグル、スピードスケートをまとめて観戦する

といったスタイルが主流になりそうです。

また、現地観戦を計画している方にとっては、ミラノの都市観光とコルティナ・ダンペッツォの山岳リゾート観光を組み合わせた「観戦+旅行」のスタイルも、大きな魅力となるでしょう。

まとめ:家族とともに歩む4年間の集大成として

ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックは、選手たちにとって、4年間、あるいはそれ以上の年月をかけて積み上げてきた努力の集大成となる舞台です。

グランプリファイナル男子フリーを終えたリンクで、鍵山正和コーチが息子に託した「もっと強い気持ちを持ってほしい」という言葉は、まさにこの4年間の締めくくりにふさわしい演技を求める、親として、コーチとしての思いの凝縮ともいえます。

そして、その背景には、日々の生活を支える家族の存在、地元で応援を続ける地域の人々、画面越しに声援を送るファンたちがいます。「家族と共に」というテーマは、鍵山親子に限らず、多くの選手たちの物語に通じるキーワードです。

2026年2月、ミラノとコルティナ・ダンペッツォの雪と氷の舞台で、日本の選手たちがどのようなドラマを見せてくれるのか。そこに至るまでの予選や選考会、グランプリシリーズの一つ一つにも、丁寧に目を向けながら、オリンピック本番を楽しみに待ちたいところです。

参考元