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中国大使館、尖閣諸島を「中国固有の領土」と改めて主張
中国の駐日本大使館が改めて尖閣諸島（中国側では釣魚島と表記）について「中国固有の領土」と強く主張し、日本国内から強い反発の声が上がっています。この主張は、高市総理の台湾有事をめぐる発言をきっかけに日中関係が急速に悪化する中での発表となりました。同大使館が公式X（旧ツイッター）を通じて、中国外務省の林剣副報道局長のコメントを掲載する形で示した主張は、日本側の領土主権に関する新たな歴史資料の追加に対する反論となっています。
日本の歴史資料に対する中国外務省の反論
中国外務省は、日本政府が東京の領土・主権展示館に釣魚島に関する歴史文書を3件追加したことに対し、強く反発しています。林剣副報道局長は定例記者会見で「釣魚島及びその附属島嶼は古来、中国の固有の領土であり、釣魚島の主権帰属の歴史的経緯は明確であり、極めて確かな法理的根拠がある」と述べました。さらに「日本は苦心して断片的な資料を自分に都合よく解釈して引用しており、全く説得力のないいわゆる歴史資料は、まさに日本側の不法な主張が根本的に成立しないことを証明している」と主張しています。
中国側の主張の根拠
中国外務省は、日本国内の外交文書や地図、歴史学者の文章なども証拠として含まれていると述べています。この発言は、尖閣諸島をめぐる領土問題が歴史的解釈に基づいていることを示唆しており、両国の見解が根本的に異なることを物語っています。一方で、中国側がこうした主張を繰り返すことに対し、日本側からは懐疑的な声が出ています。
日本国内からの強い反発と批判
中国大使館の投稿に対し、日本国内からはツイッター上で多くの批判コメントが寄せられています。「尖閣諸島は日本固有の領土です」「中国固有の領土とかいう極めて確かな法理的根拠とやらが本当にあるなら提示してみろ」「そろそろ黙ってくれ。マジでうざい」など、根拠を求める声や不快感を示すコメントが相次いでいます。また、一部のユーザーから「国際司法裁判所に行こうよ」というように、国際的な仲裁を求める声も上がっています。
政治家や識者からの指摘
元大阪府知事で弁護士の橋下徹氏（56）は、中国大使館の主張について「駐日本中国大使館が、遂にこんなことを言い出した。日本は安全な日本国内で文句を言うだけなのか」と指摘しています。橋下氏は、日本政府が国際社会に向けてより積極的に対抗措置を取るべきだと主張しており、単に国内で反論するだけでは不十分だと述べています。
背景にある日中関係の悪化
この一連の主張は、高市総理の台湾有事をめぐる発言をきっかけに日中関係が急速に悪化する中での出来事です。中国では日本への渡航自粛を呼びかけたり、日本映画の公開が延期されるなど、関係改善の兆しが見られない状況が続いています。また、尖閣諸島周辺の領海外側にある接続水域では、中国海警局の船が頻繁に航行しており、11月下旬から12月初旬にかけて21日連続で確認されています。
領土問題の深刻化
中国大使館が公式SNSを通じて領土主張を繰り返すことは、従来の外交慣行からは異例です。11月21日にも同大使館は魚釣島などが「中国固有の領土」と主張しており、この時期に相次ぐ主張は、中国側が尖閣諸島に関する領土主張をより積極的に展開していることを示唆しています。海上保安庁の巡視船と中国海警局の船による接触も増加しており、海域での緊張が高まっています。
今後の日中関係の展開
尖閣諸島をめぐる領土問題は、日本と中国の関係において最も敏感な課題の一つです。中国側が公式SNSを通じた主張を繰り返すことで、国内世論の形成と国際的なプレゼンス強化を図っている可能性があります。日本政府は、外交的対話の維持と領土主権の確保という難しい課題に直面しており、今後の対応が注視されています。国際社会におけるこの問題への関心も高まっており、どのような形で解決されるのかが今後の大きな焦点となるでしょう。
現在、尖閣諸島周辺での中国海警局の船による活動は継続中であり、日本の海上保安庁との間で緊張状態が続いています。このような状況の中で、中国大使館による領土主張の繰り返しは、両国の対立をさらに深める可能性があり、外交的解決への道が難しくなりつつあります。今後、日本政府がどのような対抗戦略を取るのか、また国際社会がこの問題にどのような目を向けるのかが、重要な局面を迎えることになるでしょう。
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