中日ドラゴンズが阿部寿樹を獲得!「マスター」が4年ぶりに古巣復帰

プロ野球の中日ドラゴンズが、楽天イーグルスから戦力外通告を受けた阿部寿樹内野手(35)の獲得を発表しました。阿部選手は2022年11月に涌井秀章投手とのトレードで楽天へ移籍してから、実に4年ぶりの古巣復帰となります。中日ファンから「マスター」の愛称で親しまれてきた阿部選手の復帰に、多くの期待が寄せられています。

阿部寿樹選手のプロフィール

阿部寿樹選手は、岩手県の一関一高を経て明治大学に進学。2015年のドラフト会議で中日ドラゴンズから5位指名を受けてプロ入りしました。プロ入り当初から中日の主力選手として活躍し、7年間にわたってチームに貢献してきました。独特なひげと風貌から「マスター」というニックネームがつき、中日ファンからの人気も高かったのが特徴です。

阿部選手は背番号5で中日時代を過ごし、多くの実績を重ねていきました。2024年には特に注目すべき成果を上げ、史上47人目となる全球団からのホームラン達成という快挙を成し遂げています。これは対中日戦で古巣から放つホームランをはじめ、複数の球団の投手から長打を記録したことを示す名誉ある記録です。

楽天への移籍と苦しい時期

2022年11月、阿部選手は当時楽天イーグルスの中心選手だった涌井秀章投手とのトレードで楽天へ移籍することが発表されました。両球団の中心選手同士の大型トレードということもあり、SNSを中心に大きな話題を呼びました。背番号は4に変更され、推定年俸は6500万円での契約でした。

楽天への移籍後、阿部選手は新しい環境での活躍を期待されていました。2023年のシーズンには43試合に出場し、打率.219、3本塁打、8打点という成績でしたが、これは期待されたパフォーマンスには至りませんでした。しかし2024年には、シーズンを通じて78試合に出場し、打率.227、9本塁打、32打点を記録。長打率では.419を記録するなど、プロ入り9年目で自己最高の成績を残していました。

ところが、2025年シーズンは厳しい状況となります。開幕一軍入りし、一時は4番を務めたものの、出場機会は制限されました。43試合の出場に留まり、打率.219という不振に陥ってしまいます。6月9日に登録抹消されると、その後は二軍でプレーすることになりました。二軍では43試合で打率.269を記録しましたが、復帰の機会は訪れませんでした。結局、9月29日に楽天球団から戦力外通告を受けることになったのです。

古巣への4年ぶりの復帰

戦力外通告から間もなく、中日ドラゴンズが阿部選手の獲得に乗り出していることが報道されました。11月14日には、中日が35歳の阿部選手を獲得へ向けて動いていることが報じられ、「マスター」が帰ってくるかもしれないという期待が高まりました。そして12月3日、中日は阿部選手の獲得を正式に発表したのです。

プロ入りから7年間を中日で過ごし、その後楽天で約3年を経験した阿部選手。新天地での苦労を経て、ついに古巣への復帰が決まったわけです。中日にとっても、経験豊かな選手の加入は大きな意味を持つと考えられます。

復帰に寄せられた期待

中日がこのタイミングで阿部選手の獲得を決めたのは、複数の理由が考えられます。第一に、彼の豊富な経験とプロ野球での実績です。10年近いキャリアの中で多くの経験を積んできた阿部選手は、若手選手への指導役としての役割も期待されるでしょう。

第二に、内野の強化という観点です。中日は2025年シーズン中に黒川、中島、そして新人の宗山など若手選手が台頭してきたことで、内野陣の世代交代が進んでいます。阿部選手の復帰は、こうした若手選手の成長を後押しすると同時に、チーム全体の士気向上にもつながることが期待されています。

また、阿部選手は中日ファンからも人気が高い「マスター」として知られています。彼の復帰は、チームに新たな活力をもたらし、ファンとの結びつきも強めることになるでしょう。過去の実績と経験を活かし、彼がどのようなパフォーマンスを見せるのか、多くの注目が集まっています。

展開される新たな章

35歳という年齢でありながら、第二の古巣での活躍に挑むことになった阿部選手。2024年に自己最高の長打率を記録するなど、まだまだ実力を保持していることは証明されています。楽天での最後のシーズンは出場機会に恵まれませんでしたが、環境が変わることで新たなモチベーションが生まれるかもしれません。

中日にとっても、失われた3年を取り戻すチャンスとなります。かつての主力選手の復帰により、チーム内の雰囲気がどのように変わるのか、そして2026年シーズンに向けてどのような役割を担うのかが注目されています。古巣での再スタートに、多くのファンがエールを送っています。

「マスター」の復帰は、単なる選手の移籍ではなく、中日ドラゴンズの新たな歴史の一ページとなるでしょう。

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