広島の主力打者・松山竜平がオイシックス新潟で新たなキャリアをスタート
2025年12月3日、オイシックス新潟アルビレックスBCは、広島東洋カープを戦力外となった松山竜平外野手(40)が選手兼任打撃コーチとして入団することを発表しました。プロ野球界で18年間活躍してきたベテラン選手の新たな挑戦が始まろうとしています。
松山竜平とはどんな選手か
松山竜平は1985年9月18日生まれの左打ち外野手で、鹿児島県出身です。鹿屋中央高校から九州国際大学を経て、2007年の大学生・社会人ドラフト4巡目で広島東洋カープに入団しました。以来、18年間にわたって広島一筋でプレーし続けた、球団を代表する選手の一人です。
プロ18年間での通算成績は、1304試合の出場で打率.278、83本塁打、535打点を記録しました。特に印象的なのは、2016年から2018年にかけてのリーグ3連覇に貢献したという点です。この時期に3年連続で2桁本塁打をマークし、広島の黄金期を支える重要な戦力となっていました。2018年には自己最多となる124試合に出場し、打率.302、12本塁打、74打点という好成績を残しています。
松山は勝負強い打撃が特徴で、特に代打での活躍が目立ちました。2023年には代打で打率.380、21打点をマークするなど、40歳を前にしても衰えない打撃技術を保持していました。カープファンからは「鯉のアンパンマン」という愛称で親しまれ、長きにわたって愛される選手でもあります。
戦力外通告から現役続行への道のり
松山は2025年シーズン限りで広島から戦力外通告を受けました。10月1日の戦力外通告は、若手選手の台頭と出場試合数の減少という現実を突きつけるものとなりました。当初、広島からは引退試合の打診を受けましたが、松山はこれを固辞し、現役続行の道を選択しました。
その後、松山は11月12日にマツダスタジアムで開催された「エイブル トライアウト2025~挑め、その先へ~」に参加しました。ここで松山は、8打席に立ち3安打を放ち、衰えない打撃技術を示すことで、自らの価値を証明しました。このトライアウトでの活躍が、各球団からの注目を集めるきっかけとなったのです。
松山は現役続行に向けて、「どこに行っても僕はやるだけ」とコメントし、NPB球団を第一としながらも独立リーグなども視野に入れて、自分の場所を探していました。その強い想いが、新たな舞台につながることになったのです。
オイシックス新潟での新たな役割
松山が迎えることになったのは、イースタン・リーグに所属するオイシックス新潟アルビレックスBCです。松山の肩書きは「外野手・選手兼任打撃コーチ」となります。これは単なる戦力補強にとどまらず、選手としての活躍と同時に、若手選手の育成という重要な役割を担うことを意味しています。
オイシックス新潟が松山に期待する役割は、大きく分けて3つあると考えられます。第一に、打線の中軸としての活躍と勝負強さです。プロ18年間で培った経験と打撃技術は、チームにおいて大きな財産となるでしょう。40歳という年齢であっても、トライアウトでの成績が示すように、その能力は健在です。
第二に、若手選手への指導と育成が重要な役割となります。18年間のプロキャリアで得た知識とノウハウを若い世代に伝えることで、チーム全体のレベルアップにつながることが期待されています。特に打撃面での指導は、多くの若手選手にとって貴重な財産となるでしょう。
第三に、球団のブランド向上と集客面での貢献も期待されています。広島の主力選手として活躍した松山が新潟にやってくることで、カープファンや全国のプロ野球ファンの注目が集まります。実際にSNS上では「新潟まで会いに行く」「観光がてら応援に行きたい」といった投稿が相次いでおり、話題性と集客の両面でプラスに働くことが予想されます。
ベテラン選手の新しいキャリアパス
松山竜平の契約は、日本プロ野球界における「戦力外通告後の新しいキャリアパス」を示す意味でも注目される事例となっています。従来であれば、戦力外通告は選手キャリアの終わりを意味することが多かったのですが、近年では独立リーグや下部リーグでの現役続行という選択肢が広がってきました。
松山の場合、単に別の球団で選手として続行するのではなく、選手兼任コーチとしての新しい立場を獲得しました。これは、40歳というベテラン年代だからこそ可能な、経験と知識を活かした形のキャリアシフトといえるでしょう。このような選択肢が増えることで、ベテラン選手たちが引退以外にも新たな活躍の場を見つけることができるようになります。
プロ野球界においても、選手の第二のキャリアについて考える機会が増えてきており、松山のような事例は今後のモデルケースとなる可能性があります。若手育成と経験者の知見を組み合わせることで、チーム全体のレベルアップを図るという戦略は、多くの球団にとって有効な手段となるかもしれません。
今後への期待と挑戦
松山竜平がオイシックス新潟で迎える新たなシーズンは、プロ野球ファンにとって注目のポイントとなります。18年間プレーした広島での栄光から、新しいチームでの活躍へ。このベテラン選手の挑戦がどのような結果をもたらすのか、多くの人が見守っています。
40歳という年齢で新たなスタートを切る松山に対して、オイシックス新潟の球団関係者や新潟地方のファンから寄せられるエールは非常に大きいものがあります。広島での功績を讃えつつも、新しいチームでの活躍に期待する声が相次いでいるのです。
松山竜平は、「戦力外」を通過点に変える挑戦に挑もうとしています。プロ野球という厳しい世界で18年間を過ごしたベテラン選手の、新たな人生ステージでの活躍を期待したいところです。オイシックス新潟というチームで、選手としてそしてコーチとして、どのような成果を残すのか。その答えはシーズンの中で明らかになっていくでしょう。
40歳にして現役を続けることを選択した松山竜平。この決断が、彼自身にとって、そしてオイシックス新潟というチームにとって、どのような影響をもたらすのか。プロ野球ファンはもちろん、野球界全体が注視する中での新たなチャレンジが始まっています。



