是枝裕和監督最新作『箱の中の羊』の撮影が完了 千鳥・大悟と綾瀬はるかの共演作が2026年に全国公開予定

2025年11月下旬、都内某所で映画『箱の中の羊』の打ち上げ会が開催されました。この作品は、日本を代表する映画監督・是枝裕和が原案・監督・脚本・編集を務めるオリジナル映画で、お笑いコンビ「千鳥」のボケ担当・大悟と女優・綾瀬はるかが夫婦役を演じています。撮影は2025年9月から開始され、約3ヶ月間の撮影期間を経て無事クランクアップを迎えた形となります。

作品の概要 近未来を舞台にした新たな家族の物語

『箱の中の羊』は、原題が「星の王子さま」からインスパイアされた作品で、近未来を舞台に展開するストーリーとなっています。物語は、息子を亡くした夫婦が、ヒューマノイドを息子として自宅に迎え入れるところから始まります。

是枝監督によると、この企画の出発点は「最新のテクノロジーで死者を蘇らせるという発想」だったと述べられています。近年、日本のテレビ番組でも故人を復活させるコンテンツが注目を集めており、テクノロジーの進化と人間の内面的なものが衝突することについて、是枝監督は大きな関心を持っていたのです。この現代社会への問い投げかけと、新たな家族関係の在り方を描く作品として、多くの映画ファンから期待が寄せられています。

綾瀬はるかと大悟の夫婦役での熱演 現場の雰囲気

綾瀬はるかは、『海街diary』以来となる是枝裕和監督作品への出演となります。彼女は撮影現場について「変わらずとても和やかな空気が漂う現場でした」とコメントしており、初日から丁寧に撮影が進められていったと述べています。

綾瀬が演じるキャラクター・音々(おとね)の気持ちに向き合う中で、是枝監督からは独特な指導が行われました。大悟に対しては「セリフを完璧に覚えなくても、僕が現場で耳打ちする感じでそのまま自分なりにやっちゃってください」というアドバイスがなされたとのこと。これは、是枝監督がこれまで子役に対して使ってきた手法だそうで、大悟はこうした自由な演技環境により「非常に気持ちが楽になった」と述べています。

普段はお笑い芸人として人を笑わせる仕事をしている大悟ですが、今作では「大悟が出た、大悟がしゃべった、大悟が現れたで笑われないように頑張りたい」と、シリアスな演技への決意を表明しています。演技トーンについては、渋いVシネマや長渕剛主演ドラマ『とんぼ』のような雰囲気を意識していたと言われており、その成果は撮影現場で好評だったようです。

打ち上げ会での一幕 ”煙草ミュニケーション”が話題に

撮影完了を祝う打ち上げ会は、11月下旬の夜間に都内某所で開催されました。打ち上げの開始から約30分後に遅れて到着した大悟は、上着を脱ぐと真っ先に喫煙所へ向かったとのこと。一服して満足げに戻った大悟は、打ち上げ中に何度も喫煙所を訪れ、共演者やスタッフらと談笑していたと報じられています。

この様子は、単なるリラックスタイムではなく、是枝監督から演技を絶賛されたことに対する恥ずかしさから、喫煙所に「逃げ込んでいた」のかもしれないと、打ち上げ参加者からは評されています。このような行動パターンは、大悟独特のコミュニケーション方法であり、撮影期間中も同様の「煙草ミュニケーション」により、スタッフとの信頼関係を築いていたのかもしれません。

打ち上げは約4時間にわたって進行され、その後、お土産を手にした大悟はスタッフに見守られながら会場を後にしました。

大悟の映画出演経歴と本作の位置づけ

大悟がこれまで出演した映画は約10作品以上に上ります。お笑い芸人としてのキャリアが長い中での映画出演であり、その中でも是枝裕和という名監督との協働は、彼にとって特別な機会であったと考えられます。特に、コメディアンとしての活動の傍ら、シリアスな演技に挑戦し続ける大悟の姿勢は、多くの注目を集めています。

2026年全国公開へ 期待高まる作品

『箱の中の羊』は、2026年に全国ロードショーでの公開が決定しています。製作はフジテレビジョン、ギャガ、東宝、AOI Pro.が担当し、配給はギャガが、配給協力を東宝が担当します。

是枝裕和監督は、これまでもテレビドラマや配信ドラマ、オリジナル作品から原作作品まで、常に新しいチャレンジを続けてきた巨匠です。今作『箱の中の羊』では、テクノロジーと人間の感情、そして家族の絆という、現代社会における重要なテーマに真正面から向き合う予定となっています。

近未来を舞台にしながらも、深い人間ドラマを描く本作は、多くの映画ファンや業界関係者からの期待が高まっています。綾瀬はるかと大悟という、演技経験の深さが異なる二人の俳優による共演、そして是枝監督独特の世界観がどのように表現されるのか、2026年の公開まで目が離せない作品となっています。

まとめ 新たな家族の形を問い直す作品への注視

『箱の中の羊』の撮影完了と打ち上げは、新しい映画作品の誕生を告げるニュースとなりました。是枝裕和、綾瀬はるか、そして大悟による三者三様の取り組みが、どのような化学反応を生むのかは、来年の公開まで待つ他ありません。現代社会における家族の在り方、テクノロジーと人間の関係性を問い直す本作は、日本映画を代表する一作になる可能性を秘めています。

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