健康保険証が明日で期限切れ、マイナ保険証への移行が本格化

2025年12月1日を迎える明日、従来の紙の健康保険証が一斉に有効期限を迎えます。これは医療制度の大きな転換点となり、多くの国民に準備を促しています。新しい仕組みに戸惑う人も少なくなく、制度への理解と対応が急務となっています。

紙の保険証はいよいよ明日で終焉、何が起こるのか

健康保険証の新規発行が2024年12月1日に終了してから、ちょうど1年。明日12月1日をもって、すべての従来の紙の健康保険証の有効期限を迎えることになりました。2023年に廃止が決定された改正マイナンバー法に基づく、長年の計画がいよいよ実行段階に入ります。

12月2日からは、医療機関や薬局で保険診療を受ける際、原則として「マイナ保険証」か「資格確認書」のいずれかを提示する必要があります。それまでと同じ自己負担割合で診療を受けられる仕組みは変わりませんが、使用する書類が大きく変わるのです。

転職や定年退職、75歳への到達、結婚による姓の変更など、人生の転機によって新しい保険証が必要になった人たちは、すでにこの新しい仕組みに移行しています。しかし、そうした変化がない人の多くが、今月末日を待たずに対応を迫られることになります。

マイナ保険証がまだない人はどうすればいいのか

マイナ保険証を利用するには、マイナンバーカードを持っていることが前提条件です。その上で、カードに健康保険証としての機能を登録する必要があります。すでにマイナンバーカードを取得している人は、各自治体のマイナンバー窓口や専用サイトで登録手続きを進めることができます。登録は比較的簡単だと説明されていますが、手続きに時間を要することも考えられます。

マイナンバーカードを持っていない場合や、登録がまだの場合は、どうなるのでしょうか。その場合、医療保険者から「資格確認書」が送付されます。この書類があれば、マイナ保険証と同じように医療機関で提示することで、これまでと同じ自己負担割合での診療が可能です。資格確認書はマイナ保険証と同等の効力を持つため、急いでマイナンバーカードを作成する必要はありません。

ただし重要な注意点として、マイナンバーカードの電子証明書には有効期限があります。すでにマイナ保険証として登録している人は、カードの有効期限を確認しておく必要があります。有効期限までに更新できないまま医療機関を受診した場合でも、有効期限切れから3か月間は保険証として利用できる措置があります。しかし、その後は利用できなくなるため、早めに自治体窓口での更新手続きが必要です。

対応を無視したらどうなるのか

紙の保険証の期限切れが近づいているにもかかわらず、多くの国民が対応をまだ完了していない状況があります。では、対応を怠ったままで医療機関を受診した場合、何が起こるのでしょうか。

厚生労働省は、全国の医療機関や薬局に対し、一定期間の「暫定措置」を案内しています。2026年3月末までは、たとえ期限切れの紙の保険証を持参した人であっても、これまでと同じ自己負担割合での診療を受けられるという措置です。これは、システム移行の混乱を緩和し、経済的な困難を回避するための配慮と言えます。

しかし暫定措置はあくまで一時的なもので、その後の対応については明確にされていません。3月末までに自分の状況に合わせてマイナ保険証か資格確認書を用意することが、本来の対応として求められています。特に資格確認書は自動的に送付されるため、対応が著しく遅れるケースは少ないと予想されますが、送付通知を見落とさないことが重要です。

地域によって進捗に大きなバラツキ

全国のマイナ保険証の利用状況には、大きな地域差があります。兵庫県の利用率が全国39位と伸び悩んでいるという報告もあり、都道府県によって制度への対応状況が異なっています。

この背景には、各地域でのマイナ保険証への認知度や理解度の差、マイナンバーカード取得の進捗状況、さらには地域の医療機関のシステム対応状況などが影響していると考えられます。進捗が遅れている地域では、明日以降の医療現場での混乱がやや懸念されます。

厚生労働省とデジタル庁は、マイナ保険証への移行をスムーズにするため、利便性を解説する動画を公開し、国民への周知に力を入れています。松本尚デジタル大臣も11月28日の会見で、国民に対し「切り替えをぜひお願いしたい」と呼び掛けるなど、政府としても制度定着に向けた動きを加速させています。

制度定着に戦略が求められる局面

今回の保険証制度の転換は、単なるシステム変更ではなく、日本の医療行政における重要な転換です。マイナンバーカードと保険証を一本化することで、行政の効率化やデータ管理の最適化を目指すものですが、その成功には国民の理解と円滑な移行が不可欠です。

2023年の改正マイナンバー法成立から今日までの間に、マイナンバーカードに関する不具合やセキュリティ面での懸念事項も報道されてきました。これらが国民の不安心理を生み出し、移行の遅れにもつながっている可能性があります。制度の信頼性向上と、より詳細で分かりやすい情報提供が、今後の課題となります。

明日からの新しい仕組みが確実に定着するためには、医療機関スタッフの対応体制整備、国民への継続的な啓発、地域による進捗状況の把握と支援体制の強化など、多面的な戦略が欠かせません。特に高齢者や情報弱者への丁寧な説明と支援は、今後ますます重要になるでしょう。

12月2日からの新生活に向けて

2025年12月2日からは、新しい保険証制度がスタートします。国民の皆さんには、明日中にマイナ保険証の登録を完了するか、資格確認書の送付を確認するなど、最後の準備を進めることをお勧めします。

医療機関を利用する際には、新しい書類を持参することを心がけ、万が一書類を忘れた場合は、医療機関スタッフに相談することが重要です。暫定措置により一定期間の猶予がありますが、制度への理解と準備を進めることが、スムーズな移行と医療現場の混乱防止につながるのです。

この制度転換は、日本社会全体のデジタル化の一歩でもあります。複雑な変化に直面する国民の皆さんには、わかりやすい情報提供と相談窓口の充実が引き続き求められるでしょう。政府機関、医療機関、そして国民が一体となり、新しい仕組みへの円滑な移行を実現することが、今月末から来年初頭にかけての重要なテーマとなっています。

参考元