韓国でYouTube Premium Liteがついに登場へ、Googleが公正取引委員会との合意に至る

Googleが韓国の公正取引委員会(KFTC)との間で独占禁止法違反に関する合意に至り、韓国市場にYouTube Premium Liteを導入することが決定されました。この決定は、YouTube Premiumのバンドル販売に関する長年の競争制限疑惑に終止符を打つものとなります。

韓国での競争制限疑惑の背景

韓国のKFTCは、Googleがバンドルプランを提供することで、MelonやGenie、Floなど韓国の競合音楽ストリーミングサービスやSpotifyなどのユーザー獲得に対して優位性を高め、市場に競争制限を起こしている可能性を調査してきました。従来、YouTubeプレミアムはYouTube Musicとセットで販売されており、月額13,900ウォン(日本円で約1,390円)で提供されていた一方、YouTube Musicのみは月額11,990ウォン(約1,200円)での個別購入が可能でした。

KFTCの指摘は、このバンドルプランが韓国市場における音楽ストリーミングサービスの競争環境を歪めているというものでした。YouTube Premiumの購入者が自動的にYouTube Musicを利用することになるため、独立した音楽ストリーミングサービスの利用者獲得が困難になる可能性が懸念されていたのです。

YouTube Premium Liteとは

今回の合意によって韓国に導入されるYouTube Premium Liteは、YouTube Musicを除いたプレミアムプランとなります。すでにアメリカ、オーストラリア、ドイツ、タイで提供されており、広告なし動画再生を提供する一方で、オフライン再生やバックグラウンド再生などの高度な機能は含まれていません。アメリカでの価格は月額7.99ドルで、通常のYouTube Premium(月額13.99ドル)の約半額となっています。

日本では2025年9月26日から提供が開始されており、月額780円(税込)での展開がされています。日本のYouTube Premium個人プラン(月額1,280円)と比較すると、約40%割安の料金設定となっているのが特徴です。

日本での展開状況

日本市場では、YouTube Premium Liteが今後数週間以内に順次利用可能になる予定です。このプランはゲームやお笑い、料理、学習などの動画を主に広告なしで楽しみたい人向けの設計となっており、スマートフォンやパソコン、テレビなどさまざまなデバイスに対応しています。

ただし、完全な広告非表示を保証するものではなく、音楽コンテンツやショート動画、検索やサイト内閲覧の際に広告が表示されることがあります。実際のユーザーの報告では、体感的には広告の表示頻度は低く、無料版と比較して大幅に削減されているようです。一方で、バックグラウンド再生機能がないため、スマートフォンの画面をロックすると動画の再生も停止するという制限があります。

Googleの追加措置と市場への影響

今回の韓国との合意に伴い、Googleは200万ドル(約2,050万円)相当の音楽産業基金を提供することも決定されました。この基金は韓国の音楽産業の発展を支援し、KFTC の懸念事項に対応するためのものです。

合意の内容によれば、Googleが競争制限に関する懸念を払拭する措置を講じた場合、KFTCは調査を停止することとなっています。YouTube Premium Liteの導入は、この措置の重要な柱となるものです。

グローバル戦略としてのLiteプラン

YouTube Premium Liteは、単なる韓国市場向けの対応ではなく、Googleのグローバルな戦略の一部です。YouTube MusicとYouTube Premiumの登録者数が全世界で1億2,500万人を突破したことを背景に、より多くの消費者層にリーチするための選択肢として設計されました。

Google Japanは、多様な好みに合わせて柔軟な選択肢を提供することで、サービス拡大を実現し、同時にクリエイターやパートナーにとって新たな収益機会を生み出すことにつながるとしています。今後、より多くの国と地域においてYouTube Premium Liteの試験的提供を行い、利用者が定額制サービスモデルを最大限に活用できる新しい方法を年内に発表する予定とのことです。

消費者にとっての意味

今回の展開は、消費者にとって重要な選択肢の拡大をもたらします。YouTube Musicが不要なユーザーにとっては、より低価格でプレミアム体験を得られるようになります。一方、音楽ストリーミングを重視するユーザーは、YouTube Musicとのバンドル販売に依存する必要がなくなり、独立した音楽サービスの選択肢も広がることになります。

ただし、完全な広告非表示ではなく、特定のコンテンツでは広告が表示される仕様となっているため、完全な広告排除を求めるユーザーにとっては、従来のYouTube Premium(日本では月額1,280円)の利用継続が必要になる可能性があります。

競争市場への波及効果

韓国市場では、このYouTube Premium Lite導入により、MelonやGenie、Floなどのローカル音楽ストリーミングサービスや、グローバルなSpotifyなどのサービスがユーザー獲得で成長する可能性が高まります。これまでYouTubeのバンドル販売に埋もれていた音楽ストリーミング市場が、より競争的で多様な環境へと転換する見込みです。

Googleのこの決定は、単なる韓国市場への譲歩ではなく、グローバルな競争政策の大きなシグナルとなります。他国の規制当局も同様の課題を抱えている可能性があり、今後のプラットフォーム企業のバンドル販売戦略に影響を与える可能性があります。

今後の展望

Googleは、より良いサブスクリプションサービス提供に向けた継続的な改善を約束しており、YouTube Premium Liteはその一環です。日本を含む各市場での展開が本格化すれば、動画配信市場における価格競争や機能差別化がさらに進展することが予想されます。

消費者にとっては、自らのニーズに合わせたより柔軟なプラン選択が可能になる一方で、各プランの機能差や価格差を正確に理解した上での判断が求められるようになります。特に広告表示の条件については、利用前に十分な確認が必要です。

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