カーリング女子日本代表「フォルティウス」吉村紗也香選手、ミラノ冬季五輪へ全力の挑戦
苦難を乗り越えた女子カーリングの新たな挑戦
2026年ミラノ・コルティナ冬季オリンピックまで、あと約2ヶ月。カーリング女子日本代表チーム「フォルティウス」が、いよいよ世界最終予選への舞台に立とうとしています。司令塔を務める吉村紗也香選手を筆頭に、チーム一丸となってオリンピック出場の悲願を達成するため、最後の大舞台に挑みます。
フォルティウスは2011年に結成された女子カーリングチームで、チーム名はラテン語で「より強く」という意味を持ちます。吉村選手のほか、近江谷杏菜選手、小野寺佳歩選手、小林未奈選手、小谷優奈選手の5名が在籍。2025年9月に行われた「カーリング日本代表決定戦」で見事優勝を果たし、女子日本代表として12月の世界最終予選への出場権を獲得しました。
2021年のスポンサー契約終了から現在まで
フォルティウスの道のりは、決して平坦ではありませんでした。2021年にメインスポンサーとの契約が終了したことで、チームは新たなスポンサー獲得のためにも勝ち続ける必要に迫られました。応援してもらえるチームになるには、常に結果を出さなければならないという厳しい状況の中で、チームメンバーは一年一年を全力で戦ってきたのです。
吉村選手は「負けたら先がないという気持ちで戦っていました。厳しい状況ではありましたが、みんなで力を合わせてここまで来られたと思います」と、これまでの道のりを振り返っています。こうした逆境を乗り越えてきたことで、チームはより粘り強く、結束力の強い組織へと成長してきたのです。
チームの強さの秘訣は「みんなで盛り上げる姿勢」
フォルティウスには、興味深い特徴があります。なんとキャプテンという役職が存在しないのです。プレー中はそれぞれに役割がありますが、各々がチームを引っぱっていく気持ちで、みんなで盛り上げ、みんなで支え合っていくという体制が構築されています。
年齢差があっても敬語を一切使わず「タメ口」でコミュニケーションを取るというフォルティウスのスタイルは、他のチームとは異なるユニークな点です。このフラットな関係性が、チーム全体の一体感を生み出し、互いに支え合える環境を作り出しているのです。
吉村選手は「今のチームが結束できているのは、絶対オリンピックに出たいという個々の強い思いがあってこそ」と語ります。カーリングはどんな場面でも冷静さを求められる競技ですが、フォルティウスのメンバーは熱い気持ちを胸に秘めて戦っているとのことです。
国際経験がチーム成長の鍵
日本のみならず、アジアのレベルも年々上がってきている中で、フォルティウスが強いチームになるために必須なのが国際経験だと吉村選手は強調します。フォルティウスは今秋もカナダに滞在して、数多くの試合に出場しています。
トップチームは皆、1~2ヶ月という長期遠征を行うのが常です。会場によってアイス(氷面)の特徴も異なり、アイスを読む力、対応力、どう戦っていくかが勝負の分かれ目となります。世界で勝つためには、多くの経験がとても大切だというのが、吉村選手の実感です。
吉村紗也香選手のプロフィール
吉村紗也香選手は1992年、北海道北見市生まれ。小学校4年生の時にカーリングを始め、ジュニア時代から活躍を見せていました。2014年に大学卒業と同時にフォルティウスに加入し、2018年からはチームの司令塔であるスキップを担当しています。スキップはカーリングにおいて戦略の中心となる重要なポジションです。
ミラノ五輪の出場枠決定方法
2026年ミラノ・コルティナ冬季オリンピックのカーリング女子競技には、合計10チームが出場します。出場枠は以下のように決定されます。
開催国枠(1枠):開催国のイタリアが自動的に出場権を獲得。
世界選手権の成績による枠(7枠):2024年および2025年の世界カーリング選手権の成績に基づいて付与されるオリンピック予選ポイントの合計上位7ヶ国が出場権を獲得。
オリンピック最終予選による枠(2枠):世界選手権の枠で出場権を逃した国のうち、ポイント上位5ヶ国と、予備予選で勝ち上がった3ヶ国(計8ヶ国)が2025年12月の世界最終予選に参加し、上位2ヶ国がオリンピック出場権を獲得。
フォルティウスは現在、この最終予選への出場を控えており、世界の強豪チームとの激しい戦いに挑むこととなります。
日本女子カーリングのこれまでのポイント
2024年および2025年の世界カーリング女子選手権において、日本は限定的なオリンピック予選ポイントを獲得しています。2024年の大会では11位で3ポイント、2025年の大会でも11位で3ポイントを獲得。合計6ポイントという状況では、世界選手権の枠(7枠)での出場権獲得は難しい状況にあります。そのため、フォルティウスにとっては12月の最終予選が唯一にして最後のチャンスとなるのです。
12月の世界最終予選へ向けた調整
フォルティウスは現在、ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックの出場をかけた世界最終予選に向けて、着々と調整を進めています。2025年11月18日には、札幌市内で取材に応じ、五輪切符獲得への強い決意を表明しました。
吉村選手は「オリンピックに出場すること、そして金メダルをとることを目標に、この4年間でチームの絆を深めてきました」と語ります。長年の苦難を乗り越え、ここまで辿り着いたチームの思いは、並々ならぬものです。
世界最終予選への期待と決意
カーリング女子日本代表「フォルティウス」は、2025年12月にカナダで開催される世界最終予選に向けて、全力の準備を整えています。メンバー全員が「オリンピアンになる」という強い決意を胸に秘めて、世界の強豪チームとの戦いに臨もうとしています。
吉村紗也香選手を筆頭に、近江谷杏菜選手、小野寺佳歩選手、小林未奈選手、小谷優奈選手の5名が一丸となって取り組む最後の大舞台。2021年のスポンサー契約終了という苦難を乗り越え、ここまで上り詰めたフォルティウスの挑戦に、日本全国から期待と応援が集まっています。
「ミラノ・コルティナオリンピック世界最終予選」の詳細な試合日程と放送予定も、各メディアで随時発表される予定です。国内外のカーリングファンたちが、固唾をのんで、フォルティウスの活躍を見守ることになるでしょう。
チーム創設以来15年、そして苦難の時代を含め、ここまで歩んできたフォルティウスの物語は、これからが最大の佳境を迎えようとしています。12月のカナダでの世界最終予選が、日本女子カーリングの新しい時代の幕開けとなるか、注目が集まっています。
