リベルタドーレス杯2025決勝戦がリマで開催 パルメイラスとフラメンゴが激突

南米を代表するサッカークラブの祭典であるコパ・リベルタドーレス2025の決勝戦が、2025年11月29日(現地時間)にペルーの首都リマにあるモニュメンタル・スタジアムで開催されました。この試合では、ブラジルの二大強豪であるパルメイラスフラメンゴが、南米クラブ王者の栄冠を巡って激突しました。

試合開始はブラジリア時間の午後6時(日本時間の11月30日午前4時)に予定されていましたが、15分間の遅延が発生しました。このリベルタドーレス杯は66回目の開催となり、決勝戦がペルーで行われるのは実に6年ぶりのことです。8万席を備えるモニュメンタル・スタジアムは、両チームのサポーターで満員となり、熱い雰囲気に包まれていました。

ブラジルの覇権を懸けた一戦

今回の決勝戦は、単なるトロフィー争いではなく、現代ブラジルサッカー界の権力構造の頂点を決める歴史的な試合として位置づけられています。パルメイラスとフラメンゴは、リベルタドーレス杯において19、22年にフラメンゴ、20、21年にパルメイラスが優勝して以降、この二強が常に上位争いを続けている状況にあります。

この試合の勝者が達成する可能性があるのが、リベルタドーレス杯の4度目の優勝という歴史的な成就です。現在、ブラジルのクラブでこれまでにリベルタドーレス杯を4度制覇した例はまだ存在しません。パルメイラスもフラメンゴも、この記録を作ることができれば、南米クラブサッカーの歴史において新しいマイルストーンを刻むことになります。

二つの異なるモデルの対立

パルメイラスとフラメンゴが今回の決勝にたどり着いたルートは異なるものでしたが、この二つのクラブは、現代ブラジルサッカーにおいて異なる二つのモデルを象徴しています。フラメンゴは大衆の力と高い経済力を背景とした運営を行っており、一方のパルメイラスは組織力と安定性を重視したシステムを構築しています。

過去10年間、ブラジルサッカー界には巨額の資金が投入されてきました。この資金力により、フラメンゴとパルメイラスは他の南米クラブが及ばない現代的なサッカー精神を備えることができました。これにより、リベルタドーレス杯におけるブラジル勢の支配は必然的なものとなったのです。

フラメンゴが象徴するのは、人気と経済力に基づくモデルです。一方、パルメイラスが象徴するのは、組織的で安定したシステムに基づくモデルです。この決勝戦は、どちらのモデルがより南米のサッカーに適応し、成功するかを試す貴重な機会となっています。

試合内容の分析と戦術的な注目点

この決勝戦では、両チームが異なる戦術アプローチを採用することが予想されていました。前回の対戦では、パルメイラスがハイプレスを仕掛けたのに対し、フラメンゴはダイレクトパスを駆使してリズムを崩し、ボールポゼッション数やシュート数では少なかったものの、3-2で圧勝した実績があります。

ただし、今回の決勝戦では様相が異なることが予想されていました。フラメンゴの主軸選手であったペドロの負傷は、チームの攻撃力に大きな影響をもたらす要因となっていました。ペドロはその時点でのベストプレーヤーであり、彼に代わる選手がいないことは、フラメンゴにとって大きな課題でした。

一方のパルメイラスは、エステヴァン退団後のチーム再編に取り組んでいました。ヴィトール・ロケを左サイドに配置し、スペースの有効活用とセンターバックの配置を工夫することで、チームの立て直しを図っていました。しかし、この新しい配置はプレッシングシステムに課題を生み出していました。通常は5人で構成されるべきプレッシングシステムが、4人になることが多くなり、危険なギャップが生成されるという問題がありました。

リベルタドーレス杯の歴史的な優勝チーム

コパ・リベルタドーレスは南米を代表するクラブ競技であり、長年の歴史の中で多くの強豪クラブが優勝を果たしてきました。今回の決勝に進出した両チームの過去の成績は、ブラジルサッカーの相対的な強さを物語っています。

パルメイラスはグループステージで6試合を行い、6勝0敗という完璧な成績で勝ち上がっています。準々決勝ではリーベル・プレートを5-2で、準決勝ではキトを3-4で破り、決勝に進出しました。一方のフラメンゴも、グループステージを突破した後、準々決勝ではエストゥディアンテスをPK戦の末に2-2(4-2 p)で下し、準決勝ではラシン・クラブを1-0で制して、ここまで進んできました。

決勝戦での賭けられた要素

この決勝戦で両チームが競い合うもの、それは単なるトロフィーと栄冠だけではありません。優勝チームが得ることになるのは、南米クラブ王者としての地位だけでなく、US$24ミリオン相当の賞金も含まれています。この巨大な賞金は、両チームの経営基盤をさらに強化することになり、今後の選手獲得やスタジアム整備などに大きな影響を及ぼすことになります。

さらに注目すべき要素として、優勝チームが出場する権利を得られる大会があります。それがインターコンチネンタルカップとワールドカップ(クラブワールドカップ)です。これらの大会への出場は、世界的な知名度の向上と、国際的なプレステージの獲得につながります。リベルタドーレス杯の優勝というのは、南米だけでなく、世界的なサッカーシーンにおいても重要な位置を占めるのです。

ブラジルサッカーの現在地

パルメイラスとフラメンゴの両チームがリベルタドーレス杯の決勝に進出したという事実は、ブラジルサッカーの現在の優位性を示唆しています。過去数年間の大会結果を見ても、リベルタドーレス杯においてブラジルのクラブが上位を独占している傾向が続いています。

この傾向の背景には、ブラジルへの巨額の資金投入と、クラブ組織の近代化が挙げられます。フラメンゴとパルメイラスは、単なる伝統的なサッカー強豪ではなく、現代的なマネジメント手法と最先端の戦術を駆使するクラブへと進化しています。これが、南米大陸全体における相対的な優位を生み出しているのです。

試合の社会的意義

リベルタドーレス杯の決勝戦は、単なるスポーツの試合ではなく、南米の文化と社会を代表する重要なイベントです。テレビ放映は複数のメディアで中継されることが予定されており、ブラジル国内ではグローボ局、ケーブルのESPN、そしてアプリのディズニー・プラスなどが生中継を行う予定でした。

この試合は、全国選手権でも熾烈な首位争いを演じているパルメイラスとフラメンゴが、最高峰のステージで激突する瞬間です。両クラブのサポーターは、熱狂的にこの試合を応援し、ペルーのリマは一時的にブラジルの熱戦の舞台へと変わることになったのです。

このリベルタドーレス杯2025決勝戦は、南米クラブサッカーの歴史において、後年に語り継がれるであろう重要な試合となる可能性が高いのです。パルメイラスとフラメンゴのどちらが優勝するにせよ、この試合の結果は、現代ブラジルサッカーの方向性を示す指標となるでしょう。

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