外国人の在留手数料が大幅値上げへ 永住許可は30万円上限を検討 政府が新たな外国人政策を推進
日本政府は、外国人の永住許可申請や在留資格変更にかかる手数料を大幅に引き上げる方向で検討を進めています。高市総理大臣肝入りの外国人政策の一環として、11月27日に自民党に案が示されました。この政策は、急増する在留外国人への対応と、外国人受け入れ環境の整備を目的としています。
現在の手数料から大幅な引き上げを検討
政府が検討している手数料の引き上げ内容は、以下の通りです。永住許可申請の手数料は、現行の1万円から上限30万円に引き上げる案が検討されています。また、在留資格の変更や更新にかかる手数料については、現行の6,000円から上限10万円への引き上げを検討中です。これらの具体的な金額は、今後政令で定められる予定です。
実は、2025年4月1日には既に一度の改定が実施されており、在留期間の更新手数料が4,000円から6,000円に、永住許可申請手数料が8,000円から10,000円に引き上げられています。今回の検討案はさらにその先を見据えたもので、2027年度中の実施を目標としています。
欧米諸国との比較で割安だった日本の手数料
政府が手数料の引き上げを検討する背景には、日本の手数料が欧米諸国と比べて著しく割安であるという指摘があります。欧米の主要国では、在留資格関連の手数料は数万円から十数万円の水準に設定されており、日本の従来の手数料は国際的に見ても異例の安さでした。
政府は、在留外国人が急増していることに伴い、業務負担が増加していると指摘しています。相談窓口の対応、申請審査、その他の行政手続きに必要な人員やシステムの体制整備に多くのコストがかかっているため、手数料を見直す必要があると判断しました。
引き上げた手数料の使途について
手数料の引き上げによって増収した分は、複数の目的に充てられることが予定されています。まず、外国人の受け入れ環境の整備が挙げられます。これには、相談窓口の多言語化や、生活・教育支援、地域との共生施策などが含まれます。
また、不法滞在者の強制送還にかかる費用の確保も重要な使途です。適法に滞在している外国人を保護する一方で、不法滞在者への対応を強化するための執行体制の整備に活用される見通しです。つまり、手数料の引き上げは、不適切な滞在者を厳しく対応する一方で、適法に滞在・納税している外国人を守るための施策へ充てられるという仕組みになっています。
帰化要件の厳格化も同時に検討
手数料の引き上げと併せて、政府は日本国籍を取得する「帰化」の要件の厳格化も進めようとしています。現在の制度では、永住許可が原則10年の在留を必要とする一方で、より強い権利を与える帰化は5年以上の在留で申請できるという不整合が存在します。
政府はこの矛盾を問題視し、帰化の居住要件を永住許可と同等以上に引き延ばす方向で検討を進める方針です。これにより、日本国籍取得に至るプロセスがより厳格化されることになります。帰化要件の変更には法改正が必要となるため、今後の国会での議論が予定されています。
外国人にとっての負担増と今後の展望
これらの手数料引き上げにより、日本で暮らす外国人の経済的負担は確実に増加します。特に、永住許可を目指す外国人にとっては、申請にかかる費用が30万円に達する可能性があることは、大きなインパクトとなるでしょう。
一方で、政府は適正な納税や社会保険加入を行っている外国人に対しては、プラスとなる施策の追加も検討しています。より安定した在留期間の付与や、永住許可の審査基準の明確化、生活・子育て支援策の拡充などが、今後の制度改正の中で追加される可能性があります。
この政策は、日本が外国人の受け入れをより計画的で持続可能なものにしていくための転換点となる可能性があります。急増する在留外国人に対応するための体制整備と、適法な滞在者の保護をバランスよく進める試みとして注視する必要があります。
今後のスケジュールと注視点
手数料改定の具体的な実施時期は、今後の入管法改正と総合経済対策の中で決定される見通しです。2027年度中を目途とした実施が検討されており、それまでの間に法整備や関連規則の整備が進められることになります。
外国人関係者、受け入れ企業、地方自治体など、様々なステークホルダーからの意見聴取も行われる予定です。最終的な手数料の具体的な額や施行時期については、今後の政令改正により変更される可能性もあるため、最新情報の確認が重要です。



