2026年共通テスト本番まで間もなく!河合塾が受験生に贈る心構えと直前対策
難化が予想される2026年共通テスト、受験生の準備状況は
2026年1月の大学入学共通テストが近づき、受験生の緊張が高まっています。河合塾の教育研究開発本部主席研究員である近藤治さんによると、今年の共通テストは難化が予想されているとのことです。2025年度の共通テストは新課程に対応した初めての試験であり、国語と数学の試験時間延長や、新科目「情報Ⅰ」の導入など、多くの形式変更がありました。しかし、実際には「点が取りやすかった」と評価されています。
2025年度の国公立大志望者を中心とする6教科8科目の受験者平均は、文系が得点率63.1%、理系が得点率64.4%と、前年比で上昇しました。これは出題者の配慮があったと考えられています。しかし今年はその反動が来ると考えられており、「26年度は難しくなるでしょう。受験生は覚悟してほしい」と近藤さんは警告しています。
体力と時間管理が勝負を分ける理由
共通テストの成功には、単なる知識だけではなく、体力管理と時間管理が極めて重要です。近藤さんが特に強調しているのが、「リハーサルの日」を設けることの重要性です。共通テストは朝から晩まで長時間にわたって拘束され、科目間の休憩時間は50~80分と長く設定されます。この環境は、学校で実施される模擬試験とは大きく異なります。
模擬試験では、複数の科目が一日で行われることがありますが、科目間の休憩時間は短めです。一方、共通テストでは休憩時間が長いため、前の教科での失敗が頭をぐるぐるめぐったり、集中力が散漫になったりする可能性があります。特に現役生にとって、このような環境での試験経験は初めてのため、事前に「共通テストの体内時計」を経験しておくことが大切です。
効果的なリハーサルの実施方法
近藤さんの推奨する「リハーサルの日」の実施方法は至ってシンプルです。共通テストと同じ時間割で過ごす日を、本番までに2日間設けることが理想的です。実施時期としては、12月に入ってからがおすすめであり、本番の約1ヶ月前に実施するのが良いとされています。
リハーサルの日に解く問題は、本試の過去問や模試の過去問、あるいは共通テスト対策の問題集であれば、どれを選んでも構いません。重要なのは、実際の試験時間配分と休憩時間を体験することです。場所については、実際の会場に行くわけにはいかないため、図書館や予備校などを活用するのが現実的です。このようなリハーサルを通じて、試験本番での時間管理や体力配分のコツをつかむことができます。
浪人生と現役生の異なる課題
興味深い点として、浪人生と現役生では共通テストへの準備状況が異なります。浪人生は既に共通テストの経験があるため、前回の試験での失敗や反省を活かすことができます。たとえば、休憩時間中に前の教科での失敗が気になって集中できなかったという経験があれば、それに対する対策を立てることが可能です。
一方、現役生の多くは共通テストを初めて受験します。そのため、試験当日の環境に適応するまでに時間がかかる可能性があります。だからこそ、現役生にとってのリハーサルはより重要な意味を持つのです。近藤さんも「だからこそリハは大切」と述べており、現役生が本番で最高のパフォーマンスを発揮するための必須ステップとして位置づけています。
出題形式はほぼ固定されている
河合塾が分析した結果によると、共通テストの出題形式はほぼ固定されているということです。これは受験生にとって大きな朗報です。なぜなら、出題形式が固定されていれば、過去問演習の効果が高いからです。受験生は過去問、問題集、参考書、さらには共通テスト対策の模擬試験などで、様々なバリエーションの問題に接することで、本番への対応力を磨くことができます。
重要なのは、単に問題を解くだけではなく、異なるバリエーションの問題に繰り返し当たることで、問題パターンへの慣れを身につけることです。このような練習を通じて、本番での問題読解速度や解答精度が向上します。
模試と共通テストの大きな違いを認識する
多くの受験生が犯しやすい誤解として、「模試を受けているから大丈夫」という思い込みがあります。しかし、模試と共通テストの時間割は大きく異なります。模試は学校で実施されることが多く、全教科が一日で行われることも珍しくありません。その結果、科目間の休憩時間は短く、試験全体を通しても時間に追われる感覚を持ちやすいのです。
一方、共通テストは朝から晩まで長く拘束される上、科目間の休憩時間が長めに設定されます。さらに、実施場所も外部の試験会場になり、受験生にとって慣れていない環境での受験となります。このような条件の違いにより、模試でいくら良い成績を取っていても、本番で同じパフォーマンスが発揮できるとは限らないのです。
直前期の心構えと注意点
河合塾が受験生に伝えている心構えは、シンプルながら重要です。まず、2026年の共通テストは難化が予想されているため、高い得点を狙うよりも、ケアレスミスを減らし、着実に点を稼ぐという戦略が有効です。
また、試験本番では予想外の問題や難しい問題に出くわす可能性があります。その際に重要なのは、動揺せず、落ち着いて対応することです。リハーサルを通じて、試験の長さや休憩時間の使い方に慣れておけば、本番での心理的な安定性が格段に向上します。
最後の総仕上げに向けて
2026年共通テストまでの時間は、刻一刻と減少しています。受験生に求められるのは、残された時間を最大限に活用することです。河合塾が提供する教科別の学習アドバイスを参考にしながら、弱点の補強と得意分野の強化を同時に進めることが大切です。
また、12月に入ったら、本記事で述べたリハーサルの実施を計画することをお勧めします。実際の試験時間割で過ごす日を設けることで、本番での対応力が格段に向上します。これまでの学習の成果を最大限に発揮するためのラストスパートを、戦略的に進めていくことが成功の鍵となるでしょう。
受験生の皆さん、河合塾を含む多くの教育機関が応援しています。難化が予想される2026年共通テストですが、適切な準備と心構えがあれば、必ず道は開けます。最後まで諦めず、頑張ってください。




