大黒屋の株価が31%超の急騰、東証スタンダードでストップ高を記録
2025年11月27日の東証スタンダード市場で、大黒屋ホールディングス(株式コード:6993)の株価が大きく値上がりし、ストップ高の106円まで上昇しました。前日終値の76円からの上昇率は31.58%という急騰ぶりで、市場の注目を集めています。
株価が急騰した背景
11月27日の終値は100円で、前日比では24円(31.58%)の上昇となりました。この日の取引では始値89円、高値106円、安値88円、そして出来高は約9079万株に達しました。大黒屋がストップ高水準の106円まで上昇したことは、中古ブランド品買い取りを主力事業とする同社への市場の期待が一気に高まったことを示唆しています。
過去の値動きを見ると、大黒屋の株価は11月中旬まで比較的低迷していました。11月中旬は40円台から60円台で推移していましたが、11月18日に60円まで上昇し、その後11月25日には80円に達するなど、徐々に上昇トレンドを形成していました。そして今回の31%超の急騰により、年初来高値も106円に更新されています。
業績と市場評価
大黒屋ホールディングスは、2025年中間期の売上高が49.76億円(前年同期比0.5%減)で、営業損失が4.44億円となっており、減収減益の状況が続いていました。純利益率が前年同期比でマイナス幅を拡大させており、自己資本比率も低水準で有利子負債が高止まりしている状況でした。このため、業績面では必ずしも好調とは言えない状態が続いていました。
しかし、市場では大黒屋に対する見方が変わり始めているようです。中古ブランド品の買い取りビジネスは、消費者の節約志向やサステナビリティへの関心の高まりとともに、今後の成長が期待される分野として認識されつつあります。また、2013年に質屋・古物商の大黒屋を買収して業容を拡大した同社の戦略も、市場から再評価される可能性があります。
東証スタンダード市場全体の動き
11月27日は東証スタンダード市場全体で値上がり優勢となっており、大黒屋以外にも岡本硝子がストップ高を記録するなど、複数の銘柄が大きく値上がりしました。このような強気相場の中での大黒屋のストップ高は、個別企業への期待というよりも、市場全体のセンチメント改善の影響を受けた面も大きいと考えられます。
前日の11月26日に買われた銘柄が本日の相場にどのような影響を与えるかについては、引き続き注視する必要があります。プライムストラテジーやジャパンエンなど、前日に動いた他の銘柄との関連性や、市場全体のトレンドを把握することが投資判断には重要です。
今後の見通し
大黒屋の株価は年初来安値18円から年初来高値106円まで上昇しており、約4.9倍の上昇率となっています。株価予想では短期的には強気の見方が示されており、5日線では29.33%の上値余地、25日線では99.26%の上値余地があるとされています。
ただし、業績面での懸念が払拭されたわけではなく、売上高が伸び悩み、利益率が低下している状況は依然として続いています。市場がどこまで大黒屋を買い続けるかは、今後の決算発表や事業戦略の発表などによって大きく変わる可能性があります。
投資家にとっては、今回の急騰がどの程度の持続性を持つのか、そして割高感が生じていないかを冷静に判断することが重要な局面と言えるでしょう。中古ブランド品買い取りビジネスの成長性と、大黒屋の経営改善の進捗状況を注視する必要があります。
まとめ
大黒屋ホールディングスの株価が11月27日に31.58%の急騰を記録し、ストップ高の106円に到達したことは、市場が同社への期待を急速に高めていることを示しています。業績面での懸念がある中でのこの急騰は、市場全体の強気相場と中古ブランド品ビジネスへの期待が背景にあると考えられます。今後の動向に目が離せない銘柄です。



