山口県全域でインフルエンザ流行発生警報 ― 県民にできる対策と現場の声 ―
インフルエンザ警報、例年より早く発令 ― 山口県の現状
2025年11月26日、山口県は県内全域にインフルエンザ流行発生警報を発令しました。今回の発表は、昨年に比べて4週間も早い警報発令となりました。特に、山口環境保健所管内では1医療機関あたり88.88人(定点報告)もの患者が確認されており、先週に比べて約2倍にも急増しています。全県平均でも43.71人となり、警報基準(30人)を大きく上回る事態となっています。
インフルエンザ流行発生警報とは
インフルエンザ流行発生警報とは、地域での感染拡大が警報レベルに達した際に発令されるもので、集団感染や重症化のリスクが高まっていることを県民に伝え、注意と対策を呼びかけるものです。
この警報は、定点報告(主に小児科や内科の医療機関など一部施設の患者数の合計を一定の公式により算出し、全体の流行度合いを判定する方法)による基準値を超えた場合に発令されます。
主な発症状況と流行の特徴
本年度は例年よりも流行の立ち上がりが早く、特に山口県全域で幅広い年代への感染が確認されています。
小児や高齢者、基礎疾患を持つ方が重症化しやすいため、周囲の大人も感染拡大防止に努めることが求められています。
現場の対策と声 ― 幼稚園・保育園での取り組み
0歳児から手洗い習慣を身につけることが大切とされ、現場では子ども向けの感染症対策に力を入れています。幼稚園や保育園では以下のような取り組みが行われています。
- 石けんを使った手洗いを習慣づけ、職員も子どももこまめに手を洗う
- 室内の定期的な換気や、エアコンや加湿器による適切な湿度管理
- 咳やくしゃみが出る場合はマスク着用(幼児が可能な場合)や咳エチケットの徹底
- 日々の健康観察を強化し、発熱や咳など体調不良が見られる場合は登園を控える
- 感染者が発生した場合、迅速な情報共有・消毒・自主的な登園自粛要請
また、ご家庭でも「帰宅後すぐの手洗い・うがい」や「十分な睡眠・バランスの良い食事」が推奨されています。保護者も園との情報交換を密にし、体調の小さな変化を見逃さないようにしてください。
山口県からの公式アナウンスと感染予防のポイント
山口県は、県民に対し警報発令中の行動指針として以下を呼びかけています。
- なるべく人ごみを避け、外出時はマスク着用
- こまめな室内換気と、石けんを用いた手洗い
- 十分な睡眠と栄養で免疫力を高める
- 咳・くしゃみが出る場合は咳エチケット(マスクやティッシュ・袖で口を覆う)
- 重症化しやすい方(高齢者・基礎疾患を持つ方)は早めのワクチン接種を検討
インフルエンザと新型コロナウイルス感染症の違い
現在、インフルエンザと新型コロナウイルスが同時流行する可能性も指摘されています。
発熱や咳、のどの痛み、倦怠感など、症状が似ており区別が難しい場合もあるため、体調不良時は早めに医療機関を受診しましょう。
また、インフルエンザ検査や新型コロナウイルス検査がそれぞれ必要な場合もありますので、自己判断せずかかりつけ医や発熱外来に相談することが望ましいです。
感染拡大を防ぐために私たちができること
- 体調が悪い時には無理せず休むこと
- 不用意なイベント参加や人込みへの外出を控える
- 流行期は、高齢の家族や子どもと接する際には特に注意する
- 学校や職場で感染情報を共有し、迅速な検査・登校停止・出勤自粛を心がける
受診の目安と重症化への注意
- 38度以上の発熱
- 呼吸が苦しい、意識がぼんやりする、高熱が続く
- 乳児や高齢者、持病をお持ちの場合は、少しでもおかしいと思ったらすぐ受診
特に、インフルエンザは発症後48時間以内に抗インフルエンザ薬を服用することで、症状緩和・重症化防止が期待されます。自己判断せず、医師の診断と指示に従いましょう。
現場レポート:幼稚園での一日
ある幼稚園では、朝の登園時から健康チェックを行い、入室前にはしっかりと手洗いうがいを徹底しています。保護者にも、発熱や風邪症状が出た場合は自宅で安静にするよう呼びかけ、クラス単位での感染拡大を防いでいます。
園長先生は「0歳からの習慣が、将来にわたって健康を守る基礎になる。今は大変な時期だけれど、一人ひとりが対策をすることで必ず感染の波を和らげることができる」と話しています。
県民ひとりひとりができること
- ご自身と家族の体温測定・健康管理を日課にする
- はやめのワクチン接種を検討し、特にリスクの高いご家族に配慮する
- 人込みを避け、必要に応じてマスクの着用を続けましょう
- 換気・湿度管理が大切です。冬は乾燥しやすいので、加湿器や濡れタオルの活用も有効です
- 社会全体で感染症対策の関心を高め、情報を正しく発信すること
インフルエンザ流行警報下の生活
今回の”警報”は、単なる注意喚起ではなく、全員の意識と行動が県民の安全を守る鍵です。職場や学校、家庭でそれぞれが無理なく続けられる予防策を話し合い、必要に応じてライフスタイルも見直してみましょう。
山口県感染症情報システムや県からの公式発表、身近な医療機関からの情報を活用し、混乱や不安に惑わされないよう意識を高く持ちましょう。もし不明なことがあれば、かかりつけ医や最寄りの保健所へご相談ください。
みなさんの協力で、大切な人、自分自身、そして地域全体を守ることができます。「0歳からの手洗い・うがい、マスク・換気習慣」を家族で続け、冬を乗り切りましょう。



