デジタルレシピ、みずほ銀行から6億円デットファイナンスを実施

2025年11月24日、AI技術で注目されるスタートアップ企業「株式会社デジタルレシピ」(本社:東京都渋谷区、代表取締役:伊藤新之介)は、日本の大手金融機関であるみずほ銀行より6億円のデットファイナンスを実施したことを発表しました。本ニュースは、AI業界やスタートアップの資金調達動向として大きな関心を集めています。
この資金調達は、生成AI(ジェネレーティブAI)の社会実装へ向けた事業拡大と技術開発をさらに加速するための戦略的な一手となります。

デットファイナンスとは?

デットファイナンスとは、企業が金融機関などから融資を受けて資金を調達する方法のひとつです。出資(エクイティファイナンス)と異なり、経営権を希薄化させずに資金を得られる一方、返済義務が生じる点が特徴です。今回デジタルレシピが選んだ借り入れ方式は「特別当座貸越」と呼ばれ、一定の極度額枠内で資金の出し入れが可能となる柔軟性の高い資金調達手段です。
みずほ銀行の大手町法人第一部部長・遠藤礼次郎氏は、「デジタルレシピさまは『AIと共に生きる社会をつくる』というミッションのもと、生成AIをディフェンステック領域で活用し社会課題の解決を目指しており、そのビジョンと事業性を高く評価した」とコメントしています。

デジタルレシピとはどのような企業か?

  • 本社所在地:東京都渋谷区千駄ヶ谷5-16-11 ルティアオフィス代々木7F
  • 代表取締役:伊藤 新之介
  • 設立:2018年2月
  • 事業内容:AI事業の創造および社会実装。「AIと共に生きる社会を作る」をビジョンとし、特にジェネレーティブAI技術の産業・社会への実装に尽力。
  • 主力プロダクト:「Slideflow」など自社開発サービスを展開

デジタルレシピは「Narrative Intelligence(ナラティブ・インテリジェンス)」を核とした意志決定支援AIの開発・普及を推進しており、単なるAIツールの提供だけでなく、社会全体の意思決定プロセスに変革をもたらすことを目指しています。特に最近では、防衛技術領域(ディフェンステック)におけるAI応用が注目されています。

今回の資金調達の概要

  • 借入方式:特別当座貸越
  • 融資金額:6億円
  • 融資元:株式会社みずほ銀行
  • 用途:事業拡大・技術開発、特に「Narrative Intelligence」やディフェンステック領域の深化など

今回のファイナンスについて、代表取締役の伊藤新之介氏は「みずほ銀行様からのご支援に心より感謝申し上げます。この資金で事業拡大や技術開発にさらに注力し、社会や組織の意思決定を支える新しいAIの在り方を示していきます」と前向きな姿勢を示しています。

みずほ銀行側の視点と評価

みずほ銀行側は、デジタルレシピの事業モデルや将来性、社会課題へのアプローチを高く評価し、今回の貸し出しに踏み切りました。特に、AI技術の防衛分野への応用や、社会のDX推進へのインパクトが期待されています。
また、みずほ銀行はベンチャー・スタートアップ支援にも積極的な姿勢を打ち出しており、「今回の取組みを契機に、さらなる成長への挑戦を共にしていきたい」とコメントしています。

デットファイナンスの意義と今後の展開

デットファイナンスによる資金調達は、株式の希薄化を避けつつ大きな資金をスピーディに調達できる点がメリットですが、当然ながら返済義務と金利負担のリスクも伴います。しかし、信頼ある金融機関からの融資は、企業の信用力向上や社会的な評価にも大きく寄与します。
デジタルレシピは、調達した資本をもとに今後さらに事業規模を拡大し、AI技術の深化やサービスの高度化に挑むと考えられます。具体的には、顧客企業へのAI導入支援、防衛分野へのAI活用、BPO領域でのAIサービス展開など、多角化・成長プランが期待されます。

「AIと共に生きる社会」の実現に向けて

AIの社会実装は、単なる技術進化だけでなく、社会インフラや産業構造全体を変革していくものと期待されます。デジタルレシピの今後の進展は、国内外のスタートアップ業界、AI業界全体への波及効果にも大きな注目が集まります。
課題としては、倫理的・法的なAI活用の枠組み整備や、AI導入に伴う人材教育といった領域も重要です。デジタルレシピは自社の技術力に加え、こうした社会的な要請にも応じて持続的な価値創出を図っていくでしょう。

関係者からのコメント

  • 伊藤新之介 氏(デジタルレシピ 代表取締役CEO)
    「みずほ銀行様より6億円のデットファイナンスによるご支援を賜り、心から感謝申し上げます。さらなる事業発展と技術開発を目指し、『Narrative Intelligence』を核としたAIによる多様な社会課題解決へ挑戦してまいります。」
  • 遠藤礼次郎 氏(みずほ銀行 大手町法人第一部 部長)
    「デジタルレシピさまのビジョン・事業性を高く評価し、融資極度枠を設定いたしました。AIと共に生きる社会の実現に向けて、共に飛躍的な成長を目指します。」

今後のデジタルレシピと日本のAI業界の展望

今回デジタルレシピが実施したデットファイナンスは、日本のスタートアップ企業によるAI関連事業領域の成長性を金融機関が認め、積極的な資金供給が行われる社会的背景を象徴しています。今後、こうした枠組みが他の企業にも波及していくことで、AI技術を基軸とした次世代ベンチャーの活躍や、新分野でのイノベーション創出が一層促進される可能性があります。

デジタルレシピの事業拡大やAI分野でのプレゼンス向上が、日本経済や働き方、そして社会課題解決の未来にどんな新しい価値をもたらすのか――その動向を日本全体が注視しています。

参考元