現代アートの新たな響き――東福寺で「AFK Resonance Exhibition」開催、京都がアートの一大拠点に
京都でアートフェアが活況 「ARTISTS’ FAIR KYOTO 2026」開催
2026年2月、京都が現代アートの舞台として再び大きな注目を集めています。京都府・京都市・民間事業者が結集し、新たなアート発信拠点の形成にむけて取り組む現代美術のアートフェア「ARTISTS’ FAIR KYOTO 2026(AFK2026)」が、京都国立博物館 明治古都館および臨済宗大本山 東福寺を拠点に、2026年2月21日(土)から盛大にスタートしました。このフェアは、京都が持つ歴史や文化を背景に、国内外の多様なアーティストとともに現代の息吹を響かせていく一大芸術イベントです。
AFK2026の目玉――東福寺で「AFK Resonance Exhibition」
東福寺では、「AFK Resonance Exhibition」が同期間(2026年2月21日~3月1日)に開催されています。ディレクター・アドバイザリーボードおよびAFKゆかりのアーティストによる本展覧会は、まさに現代アートと伝統文化の響き合いを体現するものです。今年は展示エリアが大幅に拡張され、方丈、通天橋周辺庭園、本堂前、大慧殿など、東福寺を象徴する屋内外の空間がアートで彩られています。
歴史と創造性の「共鳴」の場――“Resonance”の意味
「Resonance(レゾナンス)」は「共鳴」を意味し、アーティスト一人ひとりの創造性と東福寺の歴史的空間、人々の想いが響きあうことで、新たな芸術表現の可能性が広がるという願いが込められています。伝統と現代が対話し、融合するこの空間は、訪れる人々に唯一無二の美的体験をもたらします。
開催概要と来場者の体験
- メイン会場: 京都国立博物館 明治古都館(2月21日 ~ 2月23日)
- 東福寺展示会場: 臨済宗大本山 東福寺(2月21日 ~ 3月1日 9:00~16:00 最終入場15:30)
- 主催: 京都府、京都新聞、ARTISTS’ FAIR KYOTO実行委員会
- 後援: 経済産業省、文化庁、京都商工会議所、京都経済同友会 ほか
- 特別協力: 臨済宗大本山 東福寺
会場を訪れると、現代アートが伝統建築や庭園の随所を彩り、普段は見ることのできない東福寺の新たな表情を体感できます。アーティストたちは東福寺の自然や歴史的景観と呼応する作品をそれぞれの視点から創作し、東福寺の静謐な空気に新しい息吹を吹き込んでいます。アートを通じた場所と人、歴史と未来の出会いがここにあります。
東福寺×アートフェア、文化観光の新たな可能性
今回のアートフェアと東福寺での大規模展覧会は、単なるイベント以上の意味を持っています。京都府・市・民間の総力によるアートの拠点化は、これまで観光資源として語られがちだった「京都の文化」を、現代的な新領域として再編集する動きです。アーティスト主導で企画・運営される「AFK」は、既存の枠にとらわれず、新しい才能・感性を国内外に発信。市民、観光客、関係者が一体となり、京都の文化厚みをより多層的・国際的に広げていくきっかけとなります。
特に、東福寺のような歴史的聖地で現代アートを展開することは、アートが地域コミュニティや観光、教育、経済に及ぼす波及効果を一層高めるものです。地元住民にとっては新たな誇りや発見になり、観光客にとっても単なる名所巡りを超えた「体験型文化旅行」となりつつあります。
アーティスト・作品・構成のこだわり
本展に参加する作家は「AFK」ゆかりの気鋭アーティストが名を連ね、ディレクター・アドバイザリーボードが厳選。「場所への眼差し」「響き合い」のテーマのもとに多様な作品が集います。会場の特性を活かしたインスタレーション、伝統と対話する現代的な彫刻や平面、庭園とのコラボレーションなど、東福寺だからこそ実現できる空間演出が特徴です。東福寺本堂近くの大慧殿や通天橋周辺の名園など、アートと寺院が一体化した展示風景は国内外のアートファンの注目を集めています。
また、子どもから大人まで楽しめるアートツアー、トークイベント、ワークショップなども展開され、アートを介した多世代交流の場ともなっています。
市民・学生・観光客が主体のまちを創る
AFK2026東福寺会場での試みは、市民や学生、観光客にもアートをより身近に感じてほしいという想いから始まっています。アーティストとの直接対話、作品制作への参加体験などを通じて、アートが日常の中に溶け込んでいく風景が生まれています。「見る」「感じる」「話す」「創る」のサイクルを重視したプログラムは、多様な立場・世代の交流を生み、京都がアートのまちらしく進化している様子が伝わります。
何より、伝統建築や日本庭園といった“動かぬ資産”を現代芸術で再解釈し、時代やジャンルを超えて愛される新しい京都像を提示していることは、全国的にも注目すべき事例だといえるでしょう。
今後への期待――アートでつながる京都の未来
現代アートを軸とした地域創生は、今後ますます重要度を増していくと考えられます。様々な立場が手を携え、東福寺の重みと現代アートの自由さが響き合うこの「共鳴」が、京都の文化資産をより豊かで多彩なものに押し上げることが期待されます。京都が世界のアートシーンの核となり、日常と非日常が交差する“未来の京都”を創り出す第一歩として、本展の姿が多くの人の心に刻まれるはずです。
関連記事・参考情報
- AFK Resonance Exhibition関連:2026年2月21日~3月1日、臨済宗大本山 東福寺
- メイン会場 ARTISTS’ FAIR KYOTO 2026:京都国立博物館 明治古都館、2月21日~2月23日
今回の取り組みによって、東福寺そして京都がさらに創造的な都市へと進化を遂げていくことでしょう。




