東北大学のマスコット「研一」がバズる!広報マスコット革命が巻き起こす新しい風
東北大学は、これまで「真面目な大学」というイメージが強かったかもしれません。その伝統に新しい風を巻き起こしているのが、広報活動キャラクター「研一(けんいち)」です。彼は黄色がかった緑色のもっちりとしたボディに、東北大学の学章にも使われる植物—ハギ—が頭から生えている、不思議で愛らしい妖精としてSNSやキャンパス内外で注目を集めています。研一の登場によって、大学広報の見方が大きく変わろうとしています。
「研一」とは何者か?誕生のきっかけとデザインのこだわり
研一が誕生したのは2022年、東北大学創立115周年と総合大学100周年の記念事業の一環として学内公募が行われたことがきっかけです。「研究第一主義」の大学理念にちなんで、“研一”と名付けられました。デザイン原案を提出したのは、当時医学部5年生だった女子学生。「大学の自由でのびのびした雰囲気をキャラクターに込めたい」という思いから、丸みのあるデザインやハギの植物が印象的なキャラクターに仕上げました。
- 由来は「研究第一」の理念
- デザインは学生の手によるもの
- 自然豊かな青葉山キャンパスへの愛着も表現
研一は単なる“かわいい”だけでなく、大学の本質を柔らかく伝えてくれる存在です。誕生後はぬいぐるみやアクリルスタンドが即完売し、大学生協前に長蛇の列ができるほどの人気を獲得しています。
大学広報の新たなアプローチ―「ゆるすぎる」から始まるコミュニケーション
従来、「大学の広報」と聞くと、堅苦しい文章や難解な専門用語を想像しがちです。しかし研一は、その柔らかな見た目と親しみやすさで学生、保護者、そして一般の方々にも東北大学の良さを伝えています。広報室の職員も「予想を上回る反響に驚いている」と語り、“研一きっかけ”で大学について知ってもらえたら――との願いが込められています。
- SNSで「なぜか愛おしい」「じわじわくる」と話題
- 学業や研究で忙しい学生たちに癒やしを提供
- 「ぬい活」(ぬいぐるみを連れて旅をする)の人気も急上昇
研一にぬいぐるみをつけて通学したり、研究室に飾ったり、その魅力はさまざまな形で学生生活に溶け込んでいます。学内の推しキャラとして、静かな革命を起こしているのです。
グッズ展開とコラボレーションの広がり
研一の人気はグッズ展開や地域・他大学とのコラボレーションによってさらに広がっています。
- アクリルスタンドやLINEスタンプが大人気
- 熊本大学との連携協定時には「くまモン」とのコラボ商品を制作
- 「研一うちわ」やオリジナルグッズがプロ野球イベントで登場
2025年7月には楽天イーグルスの本拠地「楽天モバイルパーク宮城」で開催された『東北大学Meet-up Day』に研一が登場。“野球場に現れた妖精”として野球ファンの心もつかみました。会場では研一うちわが配布され、グッズの抽選会も大盛況となりました。
仙台・東北エリアとのつながり
仙台七夕まつりや青葉まつりなど、地域の伝統行事にも研一は積極的に参加。地元とのつながりを深め、東北大学が地域社会と共に歩む姿勢を象徴しています。
- 地域イベントの衣装バージョンも登場
- 地域住民や家族連れにも親しみやすい存在へ
学生・教職員の「推し」として学内外で拡大する人気
研一は学内イベントだけでなく、入学式・卒業式、研究発表会など幅広い場面で活躍。新入生たちの間では「入学前から研一を知っていた」「絶対手に入れたい」という声もあり、研一のぬいぐるみのために開店前から並ぶ学生も多数いました。
- 各キャンパスでグッズ販売が定期的に実施
- 公式サイトやSNSの活動も盛ん
- イベントでは学生・職員手作りの小物やコスチュームも話題
広報マスコットとしての役割とその意義
従来の広報活動と比較して、研一は「大学の顔」として優しさと柔軟性を象徴する存在です。硬さ一辺倒ではない、“開かれた知性”を大学の内外へアピールする新しい戦略だと言えるでしょう。
- 学術・研究の厳しさに寄り添う癒しの存在
- 大学の自由な校風と温かさを体現
- 「大学は厳しいだけじゃない」というメッセージの発信
大学広報を単なる情報発信から、「共感」「親しみ」「体験」へ転換した研一の存在は、今後他大学にも広がりを見せる可能性があります。
研一のこれから ― 未来へ続く癒しと伝統の融合
2025年現在、研一は東北大学創設からいる「青葉山の妖精」として公式に位置付けられ、公式サイト「研一の部屋」やオープンキャンパス、各種学内イベントに登場しています。
- カレンダーやグッズの継続的な企画・販売
- イベントごとに新しいコラボや企画の誕生
- 学生・地域とともに歩む新しい広報文化の担い手としての成長
研一は、大学の歴史や理念を背負いながらも、気軽に近づける親しみやすさで、研究第一主義の厳しさを和らげてくれる“癒しの妖精”です。今後も東北大学の顔として活躍し、「大学らしさ」と「人間らしさ」を繋いでいくことでしょう。
まとめ:広報マスコット「研一」がもたらす大学コミュニケーションのやさしい革命
東北大学の取り組みは、大学の「硬さ」と「柔らかさ」を両立させる新しい広報の形です。研一は今や「学内の推しキャラ」から「大学の顔」、さらには地域や全国へのメッセンジャーへと成長しています。
今後、研一が広げていく“やさしさ”と“親しみ”によるコミュニケーション革命が、日本の大学広報文化にも大きな影響をもたらすことは間違いありません。
- 学生、職員、地域をつなぐ「癒し」の象徴
- 厳しさだけではない、大学の魅力の発信
- これからも、東北大学の風景に溶け込んでいく存在
大学生活の合間に、ふと目にする研一のやさしい笑顔。その裏には、「研究第一」の伝統と、革新的な広報の挑戦が息づいています。今後も、東北大学の「本気の柔らかさ」を体現する妖精として、ますますその人気を広げていくことでしょう。



