「モーニングショー」で社交ダンス特集!フレイル予防の効果に注目が集まる
テレビ朝日の人気番組「モーニングショー」が、高齢者の健康寿命を延ばすために注目されている「フレイル予防」をテーマに特集を放送しました。番組では、元全日本王者による社交ダンスのデモンストレーションが披露され、スタジオは大きな拍手に包まれました。
元全日本王者のダンスがスタジオを魅了
番組内では、社交ダンスの元全日本王者が「モーニングショー」のスタジオでダンスを披露。その迫力あるパフォーマンスに、司会の羽鳥慎一アナウンサーは「すばらしい!キレがある」と絶賛しました。プロのダンスを間近に見ることで、視聴者たちにも社交ダンスの魅力と可能性が伝わったようです。
社交ダンスは、単なる娯楽的な活動ではなく、医学的な根拠を持つ健康法として認識されつつあります。足を動かすことで血行が良くなり、音楽に合わせて身体を動かすことで脳の活性化に良い影響をもたらすとされています。また、振付を覚えるという行為も脳活動を促進させ、有酸素運動としての効果も期待できるのです。
フレイルとは何か?その予防の重要性
そもそも「フレイル」とは、加齢によって心身が老い衰えた状態を指します。ただし、早期に介入して対策を行えば、元の健常な状態に戻る可能性があるという点が重要です。高齢者のフレイルは、生活の質を低下させるだけでなく、さまざまな合併症を引き起こす危険性があります。
このような背景から、フレイル予防は高齢社会における重要な課題となっています。単に長生きするだけでなく、健康で活動的な状態を維持する「健康寿命」の延伸が求められているのです。
玉川徹氏が語るフレイル予防と社交ダンスの効果
番組出演者の玉川徹氏は、社交ダンスの効果について独自の視点を述べました。玉川氏は「手をつなぐだけだけど、ものすごくドキドキする」と、社交ダンスが単なる運動ではなく、心理的な刺激も与えることを指摘しました。
このコメントは、社交ダンスが持つ複合的な健康効果を示唆しています。身体的な運動効果だけでなく、パートナーとのコミュニケーション、心理的な充足感、脳への刺激など、多角的な健康メリットがあるということです。
「国宝」鑑賞との意外な共通点
玉川氏は特集の中で、興味深い発言も披露しました。「この前『国宝』見たんです」と切り出し、「姿勢を保ったままずっと動かないでいるシーンがある」と述べたのです。
この発言は、フレイル予防の観点から「姿勢維持」の重要性を浮き彫りにしています。加齢とともに姿勢を保つ筋力が低下することは、転倒や骨折のリスクを高め、さらにはフレイルを進行させる要因となります。社交ダンスは、正しい姿勢を保ちながら身体を動かすため、姿勢維持に必要な筋力の強化にも非常に有効なのです。
社交ダンスがフレイル予防に効果的な理由
医学的な観点から、社交ダンスがフレイル予防に有効とされている理由は複数あります。
まず、血行促進効果があります。通常の生活では使い切れていない足の筋肉を動かすことで、血液が循環し血行が良くなります。これにより、全身への酸素供給が改善され、代謝機能が向上します。
次に、認知機能の向上です。音楽に合わせて身体を動かすことは脳の活性化に良いとされており、振付を覚えるという行為も脳活動を促進させます。これらは認知症予防にも効果的です。
さらに、有酸素運動としての効果も重要です。ダンスは主に有酸素運動であり、脂肪を燃焼させたり、動脈硬化を防いだり、自律神経を整えたり、生活習慣病を予防したりするなど、様々な健康効果が期待できます。
そして、心理的な健康効果も見逃せません。音楽に合わせて楽しく身体を動かすダンスは、気分をスッキリさせ、心も体も健康にすることができます。さらに、パートナーとの協調や社会的交流も、孤立予防に役立ちます。
日本の高齢社会における社交ダンスの可能性
日本は超高齢社会を迎えており、高齢者の健康寿命延伸は重要な政策課題です。その中で、社交ダンスのようなアクティビティが注目されるのは必然的な流れといえます。
実際、各地でフレイル予防と社交ダンスの関連性について、科学的な検証が進められています。町田市ダンススポーツ連盟なども、2018年頃から「ダンスと健康」や「認知症予防とダンス」をテーマに、文献調査や議論を重ねてきました。医療関係者の中でも、社交ダンスの有効性について認識が広がっています。
番組を通じた社会への啓発
今回の「モーニングショー」での特集放送は、単なる娯楽番組の企画ではなく、社会に対する重要な啓発活動としての側面があります。元全日本王者のパフォーマンスや、玉川氏のような番組出演者の具体的なコメントを通じて、多くの視聴者にフレイル予防の重要性と、その対策としての社交ダンスの効果が伝わったと考えられます。
特に高齢者層だけでなく、若い世代にも社交ダンスへの興味が喚起される可能性があります。これは、地域社会における世代間交流の促進にも繋がり、より豊かで健全な高齢化社会の実現に貢献するかもしれません。
今後への期待
このようなテレビ番組での啓発を契機として、より多くの人々が社交ダンスに関心を持ち、実際に体験してみようと考えるようになることが期待されます。フレイル予防は、個人の健康寿命延伸だけでなく、社会全体の医療費削減にも貢献する重要なテーマです。
社交ダンスは、高い技術性を持ちながらも、初心者から高齢者まで幅広い年代が楽しめる活動です。今後、より多くの地域でダンス教室やフレイル予防プログラムが充実することで、誰もが気軽に社交ダンスの効果を享受できる環境作りが進むことが望まれています。
