ビットコインチャートが大波乱―記録的高値から一転、急落の理由を徹底解説
2025年11月、ビットコインの現在地
2025年11月、ビットコイン(BTC)は記録的な高値から急落し、世間を大きく賑わせています。年初から続いていた上昇ムードが一転し、相場は連日値を下げて、年初来の上昇分をほぼすべて失う展開となりました。特に1BTCあたり9万ドルを割り込むなど、多くの投資家が「これからどうなるのだろう」と不安な気持ちを抱いています。
このニュース記事では、ビットコインチャートの最新動向と、なぜビットコインがここまで下落しているのか、その背景をやさしく丁寧に解説します。
ビットコインチャート:今年のピークから約30%の大幅下落
- 今年のビットコインは一時12万ドル超(円建てでは1,890万円超)の史上最高値を更新。
- ところが、11月に入り急落が続き、ピークから約30%も下落して一時88,000ドル台、円建てで1,300万円台まで値を下げました。
- 年初から積み上がっていた上昇分がわずか数週間で帳消しとなり、200日移動平均線をも割り込む展開に。
- 投資家心理も弱気に傾き、下値を探る展開が続いています。
なぜビットコインはここまで急落したのか?主要な下落要因
今回のビットコイン急落には、いくつかの要因が複雑に絡み合っています。以下に主な要因をまとめます。
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米ドル流動性の低下
米国の金融政策を巡る不透明感や、FRB(米連邦準備制度理事会)の金融引き締め姿勢が続いており、短期市場でドル資金が流出しやすくなっています。その結果、ビットコインだけでなく全資産クラスにおいて資金が動きにくい状況に。これが暗号資産市場全体の売り圧力となっています。
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現物ビットコインETFからの資金流出
2025年11月に入って、米国現物ビットコインETFから大量の資金流出が発生しました。ETFを通じて投資していた機関投資家や個人の一部が、ポジションを解消したことで、相場にさらなる下落圧力を与えました。
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取引所への大量送金と売り圧力増大
ビットコインの大口保有者(いわゆる「クジラ」)や、長期保有の投資家の一部が売りに転じ、バイナンス等の取引所にビットコインの入金が増加。これは「売る準備」と見なされ、投資家の間にも警戒感が広がりました。
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マクロ経済の不安定化と材料不足
アメリカを中心にした株式市場のAIバブル崩壊懸念や、政局の混乱といったマクロ経済環境も重なり、暗号資産市場全体がネガティブな雰囲気に包まれました。また上昇をけん引してきた大型投資家による新たな材料(ポジティブニュース)が不足し、買い手優勢から売り手優勢へとトレンドが反転しています。
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センチメントの悪化と思惑による投機的な動き
今年は暗号資産業界の不祥事やハッキング事件も相次ぎ、投資家心理が慎重になっています。ビットコイン価格の乱高下を利用しようとする短期筋によるテクニカルトレードの影響もあり、値動きが激しくなっています。
チャート分析:どこまで下がる?今後注目のサポートライン
ビットコインの下落を止めるカギとなるのがサポートライン(支持線)です。現在、市場では以下の価格帯が注目されています。
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9万ドル付近
直近の重要な心理的サポートラインですが、これを一度割り込みました。
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8万8,000ドル~8万2,400ドル
このゾーンが次の防衛ラインと見られています。特に8万2,400ドルは「市場の平均価格」とされており、2021年7月にも買いと売りが均衡した歴史的な価格帯です。
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さらに下落した場合は4万5,500ドルも視野
大幅な下げが続いた場合、4万5,500ドル付近まで値が落ちる可能性を示すモデル(CVDDモデル)も存在しますが、多くのアナリストは8万ドル前後で一度底を打つと見る声が多いようです。
投資家の動向と市場の雰囲気
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個人投資家は売り優勢
個人投資家の多くが損切りなどで降伏売りに動いています。ただし、暴落時には投資家心理が極端に悪化しやすく、思わぬ安値でパニック売りが広がることも珍しくありません。
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一部の機関投資家は買い増し
一方で、下落局面をチャンスと見て、機関投資家の一部が静かに資産を買い増している動きも観測されています。市場全体がパニックになったときに資産を積み上げるのは、過去の暗号資産バブル崩壊時にも見られた現象です。
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売り圧力は続くが、底打ち期待も
需要が戻り、市場参加者のセンチメントが改善すれば、ビットコインが再び反発する可能性も十分あります。ただし、今は需給バランスが明確に「売り優勢」であり、先行きは慎重な見方が多くなっています。
ビットコインチャートの動向をやさしく確認
これまでのチャート推移を簡単に振り返りましょう。
- 2025年4月~11月:1,800万円超から1,300万円台まで大幅下落。値幅の大きな乱高下が続く展開となっています。
- 日足チャートではレンジ相場(価格帯の中で上下動)を形成しつつも、直近で下値を探る動きが目立ちます。
- 今後もテクニカル指標(移動平均線や一目均衡表)を意識しつつ、9万ドル・8万2,400ドルなど重要なサポートラインを注視することが重要とされています。
今後の見通しと注意点
ビットコインチャートは激しい上下動を繰り返しており、今後の動向を予想するのは非常に難しい状況です。その中でも、以下のような点に注意すると良いでしょう。
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米国の金融政策やETF資金動向に注目
今後のFRB会合やマクロ経済イベント、ETFの資金流入出のニュースは引き続き大きな材料になります。
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テクニカル分析の指標を重視
直近のサポート・レジスタンスライン、移動平均線など、主要な指標をチャートでしっかり確認しましょう。
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市場心理の読み取りとニュースチェック
暗号資産市場では、投資家心理や業界ニュースが値動きを大きく左右します。信頼できる情報源を活用し、冷静に判断することが大切です。
まとめ:冷静かつ慎重な判断を
現在のビットコインチャートは激しい下落局面にありますが、暗号資産市場ではこのような値動きが過去にも何度も起こっています。大切なのは「慌てず、冷静に」「必要以上にリスクを取らない」ことです。変動が大きい時ほど、チャートやニュース、主要指標を確認しつつ、自分に合ったスタンスを見極めていきましょう。
今後も、注目ニュースや最新チャート動向について分かりやすくお伝えしていきますので、どうぞ安心してご覧ください。


