外国人在留手続き手数料が大幅値上げへ 〜2026年度から「欧米並み」に〜

はじめに

2025年11月20日、政府が 外国人在留手続き手数料の大幅な引き上げ を来年度(2026年度)中に実施する方針を固めたと報じられ、日本社会に大きな注目を集めています。在留資格の変更や期間の更新など、外国人が日本で生活し続けるために欠かせない手続きの費用が、これまでと比べて大幅に上昇する見通しです。この記事では、政府の方針、現行制度とこれまでの経緯、値上げがもたらす影響、そして社会の反応について、わかりやすく解説します。

今回の発表内容と背景

  • 在留資格の変更・更新手数料 が、現行の6000円から3万~4万円程度に引き上げへ
  • 永住許可申請手数料 は、1万円から10万円以上への大幅増額が検討されている
  • 欧米主要国の水準を参考にした「欧米並み」への改定が方針の根拠

これらの方針は、2025年度までに2度にわたる手数料改訂が行われてきた流れを受けて、さらなる引き上げを通じ「行政コストの回収」「審査体制の強化」「外国人との共生社会実現のための財源確保」が政府の目的として並立しています。
現在、具体的な手数料額や開始時期は最終決定されていませんが、2026年内の施行が予想されています。

現行の在留手続き手数料(2025年11月時点)

制度改定前の正規手数料は以下の通りです(2025年4月1日以降施行):

  • 在留資格の変更・期間更新:6000円(窓口申請)
  • 永住許可申請:1万円(窓口申請)
  • 一部オンライン申請では更に安い手数料設定あり

これらは2025年4月1日施行の改正によって小幅に引き上げられたばかりであり、立て続けの大きな負担増予告となります。
なお「2025年3月31日まで」に申請された分には旧手数料が適用されるため、早めの申請を促すアナウンスも各方面でみられます。

改定案の内容と具体例

手続き 現行手数料 改定案手数料 差額
在留期間更新 6,000円 40,000円(仮置き) +34,000円
在留資格変更 6,000円 40,000円(仮置き) +34,000円
永住許可 10,000円 100,000円以上 +90,000円

たとえば、1年在留の人が毎年3回更新する場合、現行合計1万8000円が、改定後は12万円となり、差額10万円強の負担増となる計算です。
企業にとっても、外国人社員20名分同時更新なら合計80万円の負担となり、中小企業への影響も無視できません。

引き上げの目的と理由

  • 行政コストや物価上昇を手数料に反映する
  • 申請審査のデジタル化・高度化による体制強化
  • 外国人向け共生施策(生活支援、日本語教育等)の財源確保

特に「グローバル基準」「先進国並み」を意識し、コスト回収と日本の受け入れ体制の充実を同時に目指す政策意図が指摘されています。

手続きと今後のスケジュール

  • 2026年通常国会で関連法案提出の見通し
  • 成立後に詳細な額や施行時期などを確定・公表
  • 年度内(2026年度中)に施行される可能性が高い

値上げ実施までには政令や省令の改正・運用通達・システム改修・周知期間など段階的な手順を踏む必要があり、国会審議の行方や社会の議論も今後の焦点です。

社会への影響・懸念点

  • 生活コスト増大への懸念:長期間日本在留や更新頻度の多い人・家族帯同者らの負担増
  • 中小企業や技能実習生の受け入れへの影響:企業側の人材管理コスト上昇
  • 優秀な人材確保への壁:アジア圏の競争国と比べ日本の魅力度が相対的に低下する懸念

一方で、「品質の高い審査体制」「生活支援や教育への還元」を強調し、受益者に相応の負担を求める政策的な正当性も政府側からは主張されています。

出入国在留管理庁のQ&Aと注意点

  • 申請時期に注意
    2025年3月31日までの申請には旧手数料が適用されるため、更新や変更のタイミングには十分配慮が必要です。
  • オンライン申請の優遇策も導入されており、一部の手続きでは窓口より安い手数料が設定されています。

詳細は出入国在留管理庁の公式ウェブサイトやFAQページで最新情報の確認をおすすめします。

社会の反応と今後の論点

  • 賛成派: コスト回収や外国人施策の充実、審査適正化への期待
  • 反対・慎重派: 受け入れ環境整備として十分な配慮が必要、経済界や人権団体から負担増への懸念
  • 現場の声: 企業・外国人本人ともに「生活や事業計画への予測可能性」「突然の大幅負担増」に慎重な意見が多い

社会全体で今後の制度運営や新たな負担構造について議論が求められています。

まとめ:今後の見通しと最新動向のチェックを

今回の外国人在留手続き手数料大幅値上げは、日本にとって重要な人材戦略と生活・社会制度の持続性をめぐる転換点となります。最新の正式発表や運用詳細は、必ず出入国在留管理庁など公式機関の情報をご確認ください。

今後も在留制度の改正動向や運用実態について、引き続き注視が必要です。具体的な改正内容・時期など詳細が確定し次第、報道や公的サイトをこまめにチェックすることをおすすめします。

参考元