ふかわりょう、芸歴30周年を迎えて打ち出す“言葉”の真骨頂 — 『ふかわふかわしてるテレビ』

お笑い芸人、コラムニスト、アーティスト、そして司会者として多彩な顔を持つふかわりょうが、自身のキャリア30周年を記念し、全身全霊で挑む新番組『ふかわふかわしてるテレビ』がBSフジで2025年10月26日に放送されました。その斬新さは業界内外の注目を集め、地上波での放送まで決定しています。
本記事では、「ことば」と遊び、「ことば」と向き合い、「ことば」とともに笑いを作り上げる本番組の魅力を、最新放送内容や制作裏話、言語学研究者との対談を交えながら徹底解説します。

『ふかわふかわしてるテレビ』とは?

『ふかわふかわしてるテレビ』は、ショートコントやショートドラマ、トークセッションを組み合わせたオムニバス形式の番組です。ふかわりょう自らが主演・脚本・監督を務め、彼がこれまでに執筆してきたコラムや小説を基に、“ことば”をテーマに深く掘り下げていきます。出演者には田﨑さくらさん、中川紅葉さん、東あさかさんが名を連ね、言語学者・川添愛氏も専門家として登場。日本語の「今」を、笑いと知的好奇心の両輪で描き出します。
2025年10月26日にBSフジで第1回が放送され、地上波でも2025年11月19日に特別編が予定されています。

番組の特徴 — “気になることば”と徹底的に戯れる

  • ショートコント「ことばことばしてるニュース」:
    キャスター・田﨑さくらさんと解説員・ふかわりょうが日常で気になる“ことば問題”を架空のニュース番組風にコントで表現。「ヤマザキorヤマサキどっち?」「大丈夫だけで生活できる?」など、誰もが一度は気にしたことのある言葉の揺らぎや誤解を、鋭く、かつユーモラスに掘り下げます。
  • ショートドラマ「さえずりの沈黙」:
    「忖度さん」「姑息さん」「貴様さん」など、各言葉を“人”に擬人化して登場させ、意味の変遷や社会における言葉の役割をユーモアたっぷりに描写。日常に潜む「言葉の摩擦」や“グレーゾーン”を笑いに変え、視聴者に新たな視点を投げかけます。
  • トークコーナー:
    言語学者・川添愛氏とふかわりょうの対談は、いわば日本語進化論の最前線。「言語化」「推し」「軽率」「〇〇界隈」「〇〇すぎる」など現代日本語の変遷や、意味が揺れ動く言葉たちをテーマに、背景や社会的文脈まで掘り下げて考察。「8時10分前問題」といった世代間ギャップも実際のやり取りを交えながら深堀りされます。
  • SNS連動・双方向ライブ配信:
    番組は放送前から公式SNSでショートコントやドラマを先行配信し、放送当日にはキャストによるライブ配信も実施。視聴者参加型でリアルタイムの「ことば談義」が盛り上がります。

番組誕生の背景 — ふかわりょうの“ことば愛”と30年の集大成

ふかわりょうは、芸人として独自の言葉選びと視点でコントや司会、コラム執筆など幅広く活動してきました。彼の最大の魅力は、「当たり前」や「無自覚」に流れてしまっている日常の“ことば”に疑問を持ち、「なぜそうなったのか」「本当にその意味で通じるのか」と問い直す姿勢にあります。それは長年のお笑い活動やエッセイで培われてきた観察眼と関心の賜物です。

本番組はこうした彼の集大成であり、「今あえて問うべき日本語のあり方」をエンターテインメントを通して世に問おうとしています。「気になる言葉と戯れる」という番組の根幹テーマは、物事への柔らかい疑問の投げ方、そして視聴者の日常会話にもユーモアと新たな気づきをもたらします。

視聴者・業界からの反響 — 新しい知的娯楽への期待と称賛

  • お笑い研究家・鈴木旭氏は「ふかわりょうの真骨頂がここにある」と絶賛。知的でありながら肩肘張らず、誰もが笑って共感できる“ことば”遊びの現場だと評しています。
  • ことばの多様な意味や、世代・文化による解釈の違いを分かりやすく楽しく紹介する姿勢は、教育・情報バラエティの新たな地平を切り拓くものです。
  • 地上波進出への期待も高く、各種SNSやインターネット掲示板で「知的好奇心をくすぐられる」「学校の国語でもやってほしい内容」といった声が相次いでいます。

番組で扱われた“ことば”テーマ — その一例

  • 8時10分前問題:「7時50分」派と「8時8分」派に分かれる世代間ギャップを紹介。言語学的にもどちらも成立しうる点、時代や情報社会の変化が“正時の権威”を弱めているという興味深い指摘がありました。
  • 「ヤマザキ」と「ヤマサキ」:「どちらが正しいか?」をユーモアを交えつつ考察。
  • 「大丈夫だけで生活できるのか?」:「大丈夫」という言葉の多様な使われ方、曖昧さに言及。
  • 「行けたら行く」:「本当に約束なのか?」という誰もが感じる日本語ならではの曖昧表現。
  • 「ファン」から「推し」への言葉の変遷:文化の変化が言葉にどのように現れるかを探求。
  • 「患者様」や「古古古米」など、時代ごとに生まれる新語や敬語のユニークな現象への着目。

番組作りの裏側—出演者の意気込みと制作現場

本番組は、ふかわりょう自身が構想・制作全般に深く関わる“こだわりの逸品”としてスタートしました。収録現場では役者ひとりひとりの「ことば」への思い、言葉と向き合う真剣ながらもリラックスした空気が流れ、スタッフも「言葉の小さなズレ」「ニュアンスの揺れ」に丁寧に向き合ったとのことです。

出演者たちも「日常会話の違和感から思わず笑ってしまう体験を皆で共有でき嬉しい」「ふかわさんの細やかな視点や語り口が勉強になる」と語っており、現場の一体感が番組の温かさと知的刺激の源泉となっています。

ことば×笑い=“新しいテレビ体験”

ふかわりょうは、常に「言葉選び」に徹底してこだわってきました。番組では、一見当たり前に使っている言葉に対して「本当にその意味で良いのか?」とさりげなく問いを投げかけますが、その全ての根底には「もっと言葉を面白がろう」「違いを楽しもう」という思いが溢れています。
とはいえ、番組で扱われる話題やネタは小学生から大人まで誰しもが経験する“あるある”や日常の中のモヤモヤであり、難しい知識や前提知識を必要としません。「ことばでコミュニケーションができているとは限らない」「言葉の意味は一つではなく、時にズレているからこそ人間は面白い」という視点が、番組全体を優しく包み込みます。

今後の展望—“知的エンタメ”の新たな潮流へ

『ふかわふかわしてるテレビ』は、その独自の番組作りと切り口で、笑いと学びを両立させる“知的エンターテインメント”として、教育分野や他ジャンルへの波及効果も期待されています。ことばの面白さや難しさを、誰にも分かりやすく楽しく伝えるというコンセプトは、今後のバラエティ番組制作にも新風を吹き込むことでしょう。

地上波進出!今後も見逃せない“ことばの旅”

BSフジ発のこの番組は、ついに多くのリクエストや話題性の高まりを受けて、地上波での放送も実現。『ふかわふかわしてるテレビ』は、今後の放送でもさらなる“ことば”の謎や面白さに迫ります。国内外で新たに注目される「日本語」という存在を、笑いと共に再発見できる貴重な機会です。出演者、スタッフ、視聴者が一体となって楽しむ「ことば」のお祭りは、これからもますます広がっていくことでしょう。

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