米国株式市場激震:S&P500とダウが大幅続落、ディズニーやエヌビディアの下落が影響

11月17日から18日にかけて、米国株式市場で歴史的な 大幅下落 が発生しました。ダウ平均株価(NYダウ)は、16日に過去最高値を更新した直後から急落の波に飲まれ、わずか2営業日で4月以来最大の下落幅を記録しています。この背景には、個別企業の決算や政策金利の動向、さらには市場を主導してきたハイテク株の調整など、さまざまな要因が複雑に絡み合っています。

S&P500と主要3指数の動き

  • S&P500(US500・SPX)は、18日に6672.41ポイントとなり、前日比61.70ポイント安(-0.92%)と大きく値を下げました。
  • ダウ平均株価(NYダウ)は、17日終値46590.24ドル(-557.24ドル・-1.18%)、18日も続落して46036.06ドル(-554.18ドル・-1.19%)と、2日間で1,100ドル以上下げました。
  • ナスダック総合指数(NASDAQ)は22708.07ポイント(-192.52ポイント、-0.84%)と下落し、高値圏から調整への転換を印象付けました。

これにより、主要3指数はいずれも大幅安となり、「ダウ2日続けての急落」「4営業日の上昇分を3営業日で帳消しにする」など、相場のムードは一気に冷え込みました。

なぜ市場は下落したのか:金利とFRBの影響

  • FRB(米連邦準備制度理事会)副議長らによる発言で、「足元の高金利水準が維持される」との観測が強まったため、12月の利下げ期待が大きく後退しました。
  • 短期金融市場では「12月の利下げ観測」が1カ月前の90%以上から50%未満に大きく後退し、投資家の心理に打撃を与えました。
  • さらに足元で公表された雇用統計でも、ADP雇用統計が予想外の減少を示し、経済活動の減速懸念が高まっています。

このように金利・金融政策への不透明感が「リスク回避の売り」を誘発し、特にセンチメントが大きく揺らいでいる状況です。

エヌビディアやディズニーの影響、ハイテク株の軟調さ

  • 構成銘柄の約9割がマイナス圏で終了。特にウォルト・ディズニー(Walt Disney)が決算発表を受けて大きく下落し、今回の下落の“主犯格”となりました。
  • また、エヌビディア(NVIDIA)も好調なAI市場を牽引していましたが、19日に控える決算発表前の警戒感が強く、株価が下落しました。
  • 他の大型IT株、例えばアルファベット(Google)、テスラ、マイクロソフト、アマゾンなども売りが優勢です。

こうした大型ハイテク・グロース銘柄が軒並み“利確売り”や“バリュエーション(割高感)”への懸念で値を下げたことが、S&P500やナスダックの重しとなりました。

今後の注目ポイント

  • 現在の下落が「一時的な調整」なのか、あるいは本格的なトレンド転換となるのかは、今後のFRBの政策姿勢や企業決算、特にAIやテック関連大手の業績見通し次第です。
  • ビットコインなど暗号資産市場も、同様に一時9万ドルを割り込んで下落するなど、リスク資産全般に波及的な売りが広がっています。
  • 日本株市場にも米国株下落の余波が波及しており、日経平均株価は48,702円(-1,620円、3日続落)となりました。

S&P500採用企業の動向と市場心理の変化

S&P500に名を連ねる企業群は、米国・世界経済の“縮図”と言える存在です。今回はIT・ハイテク主導で全体が値を下げた格好ですが、金融政策や世界景気、個別企業の決算といった複合要素が密接に連動しています。市場参加者は改めてFRBの次の一手や国際マクロ経済の動向、企業業績の“選別”に重きを置き始めており、ボラティリティ(価格変動性)の高止まりがしばらく続く公算です。

また、エヌビディアやテスラ、アルファベットなど注目の米国企業の決算や発表が続くため、まだしばらくは「様子見・警戒」の相場展開が予想されます。

米国株式市場は今後どうなる?投資家へのヒント

これからの相場では、S&P500やダウ、ナスダックなど主要指数の底値確認と、決算発表を控える大手ハイテク企業の動向が最大のカギとなります。ディフェンシブ銘柄(景気に左右されにくい企業)への資金シフトや、利下げ時期の再検討が起点となる新たな相場サイクルの行方などにも注目です。

  • 短期的には「リスクを抑えた資産運用」が安全策となるでしょう。
  • 中長期では、企業の業績やマクロ経済環境を慎重に見極める必要があります。
  • 今後発表される雇用統計やFOMC(連邦公開市場委員会)の政策動向を注視しましょう。

まとめ

今回の S&P500 はじめ、アメリカ主要株価指数の下落は、金利見通しや景気指標、主要企業の決算など多くの要素が複雑に絡み合った結果です。また、IT・ハイテク銘柄に代表されるバリュエーション懸念や個別企業の業績不安も、一層市場のボラティリティを高めています。引き続き、相場全体の動向を冷静に見つめ、慎重な資産運用・リスク管理がますます重要となっています。

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