台東区 vs 墨田区──区境にプライドを懸ける「隅田川ツナシキ大会2025」の熱気
下町の誇りが交錯する秋──桜橋で繰り広げられた「隅田川ツナシキ大会」
2025年11月16日、東京・台東区と墨田区を結ぶ桜橋の上で、今年も恒例の「隅田川ツナシキ大会」が盛大に開催されました。隅田川をはさんで隣り合う両区の代表チームが集合し、区の「境界」と地元の「プライド」を懸けた綱引きバトルが展開されました。空には雲一つない秋晴れが広がり、地元住民や見物客など多くの人々が集まり、桜橋は活気に包まれました。
「ツナシキ」──江戸文化の遊び心と地域交流
大会名「ツナシキ」は本来の「綱引き」をもじったもの。江戸っ子が「ひ」を「し」と発音する文化的な遊び心が込められています。これは、下町の伝統やコミュニティの温もりを大切にしたいという願いが反映されたものであり、住民同士が地域の絆を深める機会として機能しています。
独自ルール──勝利で区境が「1メートル」移動
- 大会最大の特徴は、勝った区の「区境」を、負けた区側に1メートル移すというユニークなルールです(非公式)。
- 区境が動くことで、単なるスポーツイベント以上に、区民の一体感やライバル心が高まる仕掛けとなっています。
- このルールは両区の住民にも浸透し、毎年激しい応援合戦と盛り上がりが巻き起こります。
今年の試合展開──台東区が粘り強く逆転!
今年は参加チームが10組に拡大。11番勝負として行われ、序盤は墨田区代表が連勝し好スタートを切りました。しかし、中盤以降は台東区が気迫あふれる粘りを見せ、追い上げて勝敗を逆転。最終的には台東区が6勝4敗1分で勝ち越し、昨年に続き2連覇を達成しました。
勝利の余韻──台東区が「境界」をさらに前進
- 今大会の結果、区境は1メートル墨田区側に移動(非公式)。
- 台東区代表チームは連覇の喜びを語り、「みんなで一致団結して勝てたことが嬉しい。最後まで負けない気持ちでやりきった」とコメント。
- 墨田区代表は「残念だが、去年より大きな飛躍。来年こそ区境を押し戻したい。勝敗よりも交流の意義が大切」と語りました。
- 大会後には、参加者同士が食べ物や飲み物を持ち寄った交流会が行われ、和やかな雰囲気に包まれました。
注目の参加チーム──ひがしん男子バレーボール部・地域団体が熱戦
各区を代表して参加したのは、地域のさまざまな団体チームで、ひがしん男子バレーボール部なども墨田区代表として登場。浅草で人力車を引く台東区チームも話題となり、熱いバトルが繰り広げられました。小学生・中学生も試合に参加し、勝敗だけではなく成長と地元コミュニティの一体感を感じ取る機会となりました。
下町文化の継承と未来──ツナシキ大会の意義
- 台東区と墨田区は、1977年から姉妹区として互いに交流してきましたが、区民の認知は高いとは言えません。
- 実行委員長の毛塚雅清さんは「続けることに意義があり、来年や再来年も開催していきたい。区境を懸けた勝負はもちろん、互いの文化や人の交流をこれからも深めたい」と話します。
- 地元の文化や伝統を次世代に伝える場としても、この大会は重要な役割を担っています。
会場の桜橋──隅田川唯一の歩行者専用橋がスポットライト
桜橋は、隅田川に架かる唯一の歩行者専用橋で、下町情緒あふれる浅草界隈の象徴。普段は観光客や地元住民の憩いの場ですが、この日はスポーツイベントの舞台として、その美しいアーチとともに熱気と応援であふれました。
地域の未来と継続への意気込み
- 主催者や地元関係者は「姉妹区50周年の記念大会」の開催に向けて、様々な企画を温めています。
- 単なる勝敗だけにとどまらず、江戸文化や地域交流、子どもたちの成長の場として、より多くの区民に認知されるイベントを目指しています。
ツナシキ大会が育む地域コミュニティの力
今回の「隅田川ツナシキ大会」は、台東区と墨田区の区境を懸けた熱戦でありながら、単なる競技以上の意味を持っています。参加者や応援団が一丸となって地域の絆を深め、住民ひとりひとりの「わたしたちの街」への誇りを再発見する貴重な機会となりました。来年もまた、桜橋に熱い声援が響き渡ることでしょう。
写真で振り返る大会の熱気
- 桜橋上に集まる応援団の笑顔
- 子供たちが力強く綱を引く姿
- ひがしん男子バレーボール部チームの奮闘
- 試合後のほっとした交流会の様子
大会を支える人たち──地域への感謝と展望
大会を成功に導いた実行委員や区の担当者、応援に駆けつけた家族や友人、そして熱戦を繰り広げた代表チームの皆さん。このイベントが地域の未来と希望を創り、下町の心根を次世代に伝えていく礎となることを願います。




