秋信守氏、米野球殿堂入り候補に選出 〜 2025年注目の殿堂入り候補一覧と投票ルール解説 〜

2025年の米国野球殿堂(ナショナル・ベースボール・ホール・オブ・フェイム)において、新たな殿堂入り候補者27人が発表されました。その中には、韓国出身の秋信守(チュ・シンス)氏や、通算163勝をあげたサウスポーのコール・ハメルズ氏、そして「最後のチャンス」となるメジャー屈指の長距離打者であるマニー・ラミレス氏など、時代を彩った名選手たちの名前が並び、野球ファンの間で大きな話題を呼んでいます。

米国野球殿堂入りの仕組みとは?

アメリカ野球殿堂は、野球界に多大な貢献をした選手、指導者、関係者が永遠に記憶される名誉ある殿堂です。毎年、選出される候補やルール、その結果に世界中の野球ファンが注目しています。ここでは、殿堂入りのプロセスや知っておきたいポイントを、分かりやすくご紹介します。

  • 候補資格:主に「MLBで10年以上プレーした選手」であること、「引退から5年以上が経過していること」、「全米野球記者協会(BBWAA)の投票で75%以上の得票を獲得すること」の3点が条件とされています。
  • 投票システム:毎年、10年以上在籍した記者による投票が行われます。候補者は最大10回まで投票資格があり、その期間内に75%以上の得票を集めれば殿堂入りが決定します。
  • 投票日程:2025年度の発表は日本時間2025年1月22日が予定されています。

2025年野球殿堂入り候補者 ~ 注目の顔ぶれ

2025年の候補者は合計27名。この一覧には初登場となる顔ぶれから、幾度も惜しくも選出を逃してきたベテランまで、実に多彩な実績を持つ選手たちが揃いました。その一部をご紹介します。

  • 秋信守(チュ・シンス)氏:
    韓国出身外野手としてMLB各球団で活躍。高い出塁能力と長打力を発揮し、アジア野球界の歴史に名を刻んだ存在です。最盛期には20本塁打超、20盗塁超を複数回記録。リードオフマンやクリーンナップとして、チームからの信頼も厚い選手でした。
  • コール・ハメルズ氏:
    通算163勝を誇る左腕エース。フィリーズ時代には2008年ワールドシリーズMVPも獲得し、「現代最高峰の技巧派サウスポー」と称されました。コンスタントな成績とビッグゲームでの強さが評価されています。
  • マニー・ラミレス氏:
    ラストイヤーとなる10回目の投票で注目を集める強打者。インディアンスやレッドソックスで通算500本塁打以上、打点王など輝かしい実績を持っています。ステロイド使用疑惑の影響で選出が難航していますが、その打撃力は今なお語り草です。
  • イチロー氏:
    19年間のMLBキャリアで通算3089安打、シーズン最多安打記録(262安打)をマーク。野茂英雄、松井秀喜ら先人と同じく日本野球界の誇りであり、アジア人選手として初の殿堂入りが有力視されています。
  • カルロス・ベルトラン氏:
    三拍子揃った5ツールプレーヤーとして知られ、300本塁打&300盗塁超え。守備面でもゴールドグラブ賞3度など、バランスの取れた万能ぶりが光ります。
  • ビリー・ワグナー氏:
    今回が10回目でラストチャンスとなる守護神。年々得票率を伸ばし、昨年はあと数票で殿堂入りとなる場面でした。
  • ゲーリー・シェフィールド氏:
    通算509本塁打・1676打点。30本塁打100打点を8度記録するなど、その打棒は長年メジャーを沸かせました。
  • カルロス・デルガド氏、ジェフ・ケント氏、ドン・マティングリー氏、フェルナンド・バレンズエラ氏など、往年の名選手たちも再び候補入りしています。

新人候補とベテラン候補がひしめく2025年の注目点

2025年度の投票で注目すべきは、初登場の元大物スターたちの存在だけではありません。最後の挑戦となるベテラン候補者たちの動向や、薬物疑惑で道を阻まれてきた名選手たちの処遇も大きな焦点となります。

  • 初登場の注目選手: 過去の実績や存在感から、一年目で殿堂入りするかどうかが大きな関心を集めています。特にイチロー氏やハメルズ氏などは圧倒的な成績による選出が期待されています。
  • 最後の挑戦: M・ラミレス氏やビリー・ワグナー氏といったラストイヤーの候補者からは、記者投票のトレンドや世論の変化に注目が集まります。
  • 薬物疑惑の判断: ボンズ氏やクレメンス氏のように薬物問題が評価に影響を及ぼす事例は近年も続いており、今後も議論の的となるでしょう。

投票プロセスと今後の発表スケジュール

投票は10年以上在籍する野球記者が行い、各記者は最大10人まで投票可能。最終的に75%以上の得票率を得た候補者が晴れて殿堂入りとなります。2025年の発表は日本時間1月22日に予定されており、殿堂の門をくぐる選手、惜しくも及ばなかった選手、それぞれの人間ドラマが世界中の注目を集めます。

固有名詞をふくむ用語・選手のご紹介

  • 秋信守(チュ・シンス):韓国・釜山出身の外野手。シアトル・マリナーズ、クリーブランド・インディアンス(現ガーディアンズ)、シンシナティ・レッズ、テキサス・レンジャーズ、タンパベイ・レイズなど複数チームを渡り歩き、日米韓のファンに愛されました。
  • ハメルズ(コール・ハメルズ):フィラデルフィア・フィリーズなどで活躍し、安定感のある先発として数多くの栄誉を獲得しました。
  • マニー・ラミレス:パワーヒッターとしてMLB史に名を残した選手。ボストン・レッドソックス時代の活躍で特に知られています。
  • イチロー:日本出身。MLB通算3089安打の世界的なレジェンド。「シーズン262安打」など数々の記録を持ち、多くの後進に影響を与えています。

2025年野球殿堂入り候補者一覧(抜粋・五十音順)

  • 秋信守
  • ボビー・アブレイユ
  • カルロス・ベルトラン
  • コール・ハメルズ
  • イチロー
  • マニー・ラミレス
  • ビリー・ワグナー
  • ゲーリー・シェフィールド
  • ドン・マティングリー
  • カルロス・デルガド
  • ジェフ・ケント
  • フェルナンド・バレンズエラ

おわりに〜2025年殿堂入り発表までの楽しみ方

2025年の米国野球殿堂は、アジア人初の快挙が期待されるイチロー氏や、韓国球界のレジェンド秋信守氏の初登場など、世界中の注目がさらに高まる年となりそうです。各候補者の栄光と苦労を振り返りつつ、歴史的な発表の日を楽しみに待ちましょう。

参考元