ニデック、保証なき決算で株価急落 特別注意銘柄解除へ改善策を表明
2025年11月、日本株式市場で大きな注目を集めているのが、精密モーター大手のニデック(6594)。ここ数日、同社の株価は大きく下落し、市場関係者の間では「投資判断を下せない」との声が広がっています。その背景には、不適切会計問題が再発し、保証なき決算が発表されたこと、そして東京証券取引所から「特別注意銘柄」に指定されたという重大な出来事があります。
保証なき決算で投資家が戸惑う
ニデックは2025年11月14日、2025年4月~9月期の決算を発表しました。しかし、この決算は「保証なき決算」として発表されたため、投資家やアナリストの間では大きな混乱が広がっています。保証なき決算とは、監査法人が「結論不表明」や「意見拒絶」など、通常の監査意見を出せない状態の決算書を指します。つまり、企業の財務状況や経営成績について、客観的な信頼性が確保されていない状態です。
この結果、市場では「投資判断を下せない」との声が相次いでいます。投資判断とは、株式の買い・売り・保有などの意思決定のこと。信頼できる情報がなければ、投資家はリスクを取れず、株価は下落する傾向にあります。実際、ニデックの株価は発表後、3日連続で大幅に下落しました。
特別注意銘柄指定と改善計画の策定
ニデックは2025年10月28日、東京証券取引所から「特別注意銘柄」に指定されました。これは、企業の財務状況や経営状態に重大な問題があると判断された場合に取られる措置です。特別注意銘柄に指定されると、投資家からの信用が大きく損なわれ、株価への悪影響が避けられません。
しかし、同社はこの指定解除に向けて、改善計画の策定方針を決定しました。具体的には、内部統制の強化や会計処理の透明性向上、監査体制の見直しなどが含まれます。社長は「すぐやる・必ずやる・できるまでやる」という社風を強調し、改善への強い決意を表明しています。
社長のプレッシャーと社風
不適切会計問題が再発したことで、ニデックの社長は大きなプレッシャーを感じていると語っています。社長は「プレッシャーを否めない」としながらも、「すぐやる・必ずやる・できるまでやる」という社風を前面に出し、問題解決への取り組みを強調しています。この社風は、同社の企業文化として長く受け継がれてきたもので、今回の危機でも変わらない姿勢を示しています。
株価の急落と市場の反応
ニデックの株価は、保証なき決算発表後、3日連続で大幅に下落しました。2025年11月14日の終値は2,246円で、前日比-2.24%の下落。年初来高値(3,296円)から大きく離れた水準となっています。市場関係者は「投資判断を下せない」との声を多く寄せ、株価の回復には時間がかかると見られています。
アナリストの予想と今後の見通し
一方、証券アナリストの間では、ニデックの平均目標株価は3,330円とされています。これは現在の株価から約48%の上昇余地があると予想されていますが、保証なき決算や特別注意銘柄指定といったリスクを考慮すると、実現には多くの課題が残っています。アナリストは「改善計画の進捗状況や、監査法人の評価が今後の鍵になる」と指摘しています。
まとめ
ニデックは、不適切会計問題と保証なき決算の発表により、株価が急落し、市場からの信頼を大きく損なっています。特別注意銘柄に指定されたことで、さらなる悪影響が懸念されています。しかし、同社は改善計画の策定方針を決定し、社長も強い決意を表明しています。今後の取り組みと市場の反応に、注目が集まっています。
- ニデックは保証なき決算を発表し、投資家が戸惑っている。
- 特別注意銘柄に指定され、改善計画の策定方針を決定。
- 社長は「すぐやる・必ずやる・できるまでやる」という社風を強調。
- 株価は3日連続で大幅に下落。
- アナリストは目標株価3,330円と予想しているが、リスクは大きい。




