ホンダの新型エンジンがスーパー耐久で旋風!富士スピードウェイで歴史的瞬間を迎えたS耐第7戦

2025年11月15日、静岡県・富士スピードウェイで開催された
ENEOSスーパー耐久シリーズ2025 第7戦 S耐FINAL大感謝祭は、
モータースポーツファンにとって忘れられない一日となりました。
本記事では、ホンダが投入した新エンジンによる「CIVIC TYPE R HRC」の話題、6台のNASCARマシンによるド派手なショーラン、そしてル・マンを戦ったNASCARマシンの爆速デモランという3つのビッグニュースを、分かりやすく楽しく解説します。

ホンダが「CIVIC TYPE R HRC」で衝撃の新型エンジン投入

ホンダ・レーシング(HRC)がスーパー耐久シリーズ(通称S耐)の最終戦で発表したのは、市販車であるCivic Type Rのエンジン「K20C」をベースに開発された
新型レース用エンジン『HRC-K20C』の実戦投入です。
このエンジンは、量産部品の信頼性とレースのノウハウに基づいた高い技術力が融合されており、500馬力超という圧巻のパワーと、
ドライバーからも「衝撃を受ける速さ」だと驚きの声が上がるほどの仕上がりとなっています。

  • HRC発の新開発エンジン「HRC-K20C」はCivic Type R用K20Cエンジンがベース
  • 出力は500馬力超とGT3車両に迫るレベル
  • ST-Qクラスの271号車「CIVIC TYPE R HRC Concept」に搭載し実戦投入
  • ドライバー・エンジニアともに性能の高さに驚きを隠せず

「GT3も抜けそうだ」と話題になったパワーに、現場は大いに沸きました。
ターボチャージャー制御や燃焼技術など、HRC独自のレース知見が惜しみなく投入された成果です。
量産ベースで耐久性にも優れつつ、スプリント並みの加速感―これがファンと関係者に与えたインパクトでした。

スーパー耐久の「ST-Qクラス」の意味と意義

「ST-Qクラス」とはカーボンニュートラル燃料や最新技術の実験場ともいえるカテゴリーです。
メーカー自らがチャレンジングな車両を投入しながら、環境負荷低減や新世代エネルギー技術の技術開発を進めています。
ホンダのCIVIC TYPE R HRC Conceptは、2023年から2年間に渡りカーボンニュートラル燃料仕様で走行実績を積み上げ、その集大成として今大会の新エンジン投入に至りました。

  • カーボンニュートラル・水素など最先端燃料が使える実験的カテゴリー
  • 自動車メーカーの開発車両が参加し、レース現場で生データ取得・検証
  • 次世代市販車やレース車両技術につながるリアルな開発フィールド

このクラスの活動は、未来のモビリティ社会に向けた技術革新への期待も集めています。

話題の6台のNASCARが富士で圧巻デモラン!VIP先導で日本未体験のショー

この日、富士スピードウェイを訪れた観客を熱狂させたのが6台のNASCARマシンによるゼロ距離デモラン
グリッドに並ぶ迫力、アメリカンV8サウンドの轟音、そしてスリリングな編隊走行はまさに「爆音の饗宴」でした。

  • NASCARならではの巨大なボディと800馬力級のパワーが富士のストレートで唸りを上げる
  • ドリフトするような進入や目の前でのゼロ距離ランは国内初の迫力
  • モリゾウ氏(トヨタ会長・豊田章男氏)や、米国のグラス駐日大使などVIPがフォードを運転し先導役を務めるという特別演出
  • 観客は国際的交流のムードも味わいながらイベントを楽しんだ

米国を代表するモータースポーツ「NASCAR」は、ル・マン24時間の参加や富士での特別走行など、日本のサーキットシーンでも存在感を増しています。
今回のゼロ距離ショーランは、ファンの心にアメリカンレーシングスピリットを残しました。

ル・マン24時間を走破したNASCARマシン、伝説の「ジミー・ジョンソン」デモラン

さらに観客席をざわつかせたのは、2023年のル・マン24時間耐久レースを走った実績を持つNASCARマシンの富士走行。
ステアリングを握ったジミー・ジョンソン選手は、アメリカ国内で7度のNASCAR王者に輝くトップドライバーです。

  • デモランで最高速度は320km/hオーバーを記録、圧倒的な直線性能を披露
  • 搭載エンジンは最高出力800馬力超のV8モンスター
  • ル・マン仕様のマシンが実際に日本でその姿と速さを見せたことに多くのファンが感動

ル・マンやNASCAR本場の空気を日本のファンへ届ける貴重な機会となり、ジョンソン選手やマシンへの熱い拍手と声援があふれました。

まとめ:スーパー耐久が描くモータースポーツの「今」と「未来」

今回のスーパー耐久富士大会は、日本・アメリカのモータースポーツ文化が交差し、メーカー技術競争とエンターテインメントの両面が極まったイベントでした。
ホンダが打ち出したレース用新エンジンは、技術革新による性能追求だけでなく、持続可能なクルマ社会への新たなスタートでもあります。
NASCARマシンと伝説的ドライバーによるデモラン、VIPも参加した異種競演は、国内外のファンに大きな夢を与えました。

S耐シリーズは、「走る実験室」として、時代と共に進化し続けます。
環境対応技術の現場投入、グローバルな交流、そして感動を生むレース体験――そのすべてが、今年の富士大会で体現されました。
クルマを愛する方はもちろん、次代の技術や国際的なスポーツの楽しさを知りたい人にとっても、見逃せない一日となったはずです。

現場の声:ドライバー・関係者の感動と感謝

ドライバーからは「乗った瞬間、とても速い!」「ストレートの伸びが市販車とは別物」と驚きの声が、
エンジニア・関係者からは「2年間の開発の集大成をここで示せて嬉しい」とのコメントも聞かれました。
また、ST-Qクラスへの参戦を通じて、「市販車へフィードバック可能な開発が進んだ」「多くの困難を乗り越えたことが自信につながった」といった達成感と今後への意欲が強調されています。
国内自動車メーカーの現場力、そして彼らの熱意と技術が日本のレース文化を今も支えています。

今後のスーパー耐久に寄せる期待

ST-Qクラスをはじめとしたスーパー耐久シリーズの挑戦は、これからも続きます。
次世代燃料、新エネルギー車両、世界のレースとのコラボレーション―走りと開発のハイブリッドな場がもたらす驚きは、ますます高まるでしょう。
サーキットでのエンジン音と歓声は、クルマ文化の未来を照らし続けます。

参考元