エスクリとノバレーゼ、2026年4月合併へ――婚礼業界に大きな転機
2025年11月14日、国内主要ブライダル企業であるエスクリとノバレーゼが、2026年4月に合併する方針を固めたことが複数の報道から明らかになりました。この合併により、両社は業界最大手のテイクアンドギヴ・ニーズに次ぐ国内第二位の婚礼企業グループになる見込みです。
この合併は、近年の婚礼市場の大幅な縮小や結婚式の低価格化の進行を背景に、企業の生き残り策として進められるものです。
合併の経緯と背景
今回発表された合併の意思決定は、市場環境の変化を受けたものです。
日本経済新聞や各種報道によれば、婚礼業界の市場規模は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大前の8割にまで落ち込み、婚姻件数もこの10年間で約25%減少しています。さらに、顧客のニーズの多様化に伴い、結婚式のスタイルや価格が大きく変化。フルオーダー型の豪華挙式よりも、カジュアルで小規模、低価格のプランを選択するカップルが増え続けています。
- 若年層中心に「シンプルな結婚式」や「写真のみ」「家族だけで挙式」といった形態が広がっています。
- ウェディング費用そのものの削減や、アフターウエディング(食事会やパーティ、フォトウエディング)にシフトする需要が目立ってきています。
- 業界内不況により、既存施設の統廃合・再編が活発化しています。
このような市場再編の流れの中で、エスクリとノバレーゼは経営資源の最適化とシナジーの創出を目指し、合併を選択しました。
合併後の新会社の姿――業界再編の波
両社の合併により、新会社は婚礼業界国内2位の規模となる見通しです。
エスクリは首都圏・関西圏を中心に高級ゲストハウスや都市型婚礼施設を展開。ノバレーゼは全国主要都市でブライダル施設およびドレスショップ、レストランなど多角的な婚礼事業を手がけています。両社の統合により、施設数、スタッフ数、婚礼プロデュース力、衣装部門、レストラン部門など、すべての面で国内最大級の競争力を備えることとなります。
- エスクリ:都市型婚礼施設、レストランウェディング、プロデュース事業
- ノバレーゼ:ブライダル施設、婚礼衣装、レストラン、ドレスショップ
また、両社はブライダル事業の他、レストラン部門や婚礼衣装部門を軸に「ワンストップサービス」に力を入れており、今後のシナジー効果も注目されています。
婚礼市場の現状――縮小傾向と今後の展望
全国的に婚礼市場は苦境に立たされています。少子高齢化や価値観の多様化、コロナ禍による大規模集客イベントの減少、経済的負荷などが挙げられます。
特に新型コロナウイルス感染症の影響以降、結婚式の件数が大幅に減少し、業界売上高もピーク時の約8割にまで落ち込んでいます。施設運営のコスト増や人手不足も課題となり、規模の小さいブライダル企業や老舗式場の撤退、再編が相次いでいます。
- 婚礼市場の売上は年々減少傾向。
- 若年層の結婚式離れや、人生の選択肢の多様化によるブライダル需要の変化。
- コスト縮小・合理化に向けた業界再編が加速。
今回のエスクリとノバレーゼ合併は、こうした厳しい経営環境に対応するための「再編の象徴」ともいえるでしょう。
東京証券取引所の対応――株式売買停止の背景
合併の報道を受けて、2025年11月14日午前8時20分から、東京証券取引所はエスクリ、ノバレーゼ両社の株式売買を停止する措置をとりました。理由は「経営統合に関する報道の真偽等の確認のため」とされ、今後両社の取締役会で正式決議が行われ、必要な開示事項が速やかに公表される見込みです。
- エスクリ、ノバレーゼの両社株式は「適時開示」「公表情報」の整理と確認のため、取引が一時停止。
- 今後、正式な合併発表や詳細な統合計画が開示され次第、投資家や関係者への説明が行われる予定です。
金融市場では、この統合が今後のブライダル市場の再編の象徴として注目されています。
両社の事業概要――それぞれの強み
- エスクリ:首都圏・大都市を中心に展開。ゲストハウス型ウェディング施設やレストランウェディングの運営、婚礼プロデュースに強み。
- ノバレーゼ:全国主要都市で独自ブランドの婚礼施設展開。ドレスショップやレストラン事業、衣装部門など、一括提案力が特徴。
両社ともに施設数やスタッフ規模が大きく、また多様な婚礼ニーズに応えられる体制を持っています。
近年は、ゲストハウスやドレスショップの新規開業計画もあり、今回の合併による相乗効果に期待が高まります。
業界再編がもたらすもの
婚礼業界は今後も縮小と再編が進むと予想されます。
生き残りをかけて、効率的な運営、サービスの多様化、デジタル化などが求められる局面に入りました。
今回の合併は、単なる企業の大型化にとどまらず、サービス内容や顧客体験の変化、持続可能な経営体制への移行も課題となります。
- サービスの質・多様性向上による顧客満足度アップ
- 業界のコスト最適化、事業効率化
- 地域展開の強化、ブランド力の統合
- 新たなワンストップウェディングモデルの構築
関係者や顧客の声も今後の統合プロセスで重要になるでしょう。今後、統合の具体的な手順、施設・スタッフ・サービス面の変化など、さらなる続報が期待されています。
まとめ――エスクリとノバレーゼ合併が描く新時代
2026年4月に予定されているエスクリとノバレーゼの合併は、ブライダル業界にとって歴史的な転機です。市場環境の苦境を乗り越え、拡大路線から再編・生き残りへと舵を切る大規模統合。今後、新会社によるサービス刷新や新たなブライダルモデルの構築など、業界の未来がどう動くのか注視が必要です。
本記事は、現在判明している事実および公式情報をもとに作成しており、今後正式な合併発表や詳細情報が公表され次第、続報として改めてお知らせします。
読者の皆さまへのご案内
今回の合併は、全国の新郎新婦や業界関係者に大きな影響を与えます。
それぞれの企業が持つサービス品質やブランド力、専用施設がどのように統合されるのか、注目が集まっています。
今後も本ページでは、婚礼業界の最新情報をわかりやすく伝えてまいりますので、ご期待ください。



