ダウ先物急落、ディズニー10%安で波乱のNY市場 ― 米株式市場2025年11月13日

米国主要株価指数の動き:ダウとナスダックが大幅安

2025年11月13日、ニューヨーク株式市場ダウ工業株30種平均(ダウ平均)は一時600ドルを超える下落を記録するなど、波乱の展開となりました。ナスダック総合指数も大きく下落しており、投資家心理の不安定さが際立ちました。この日は、複数の要因が重なり世界の金融市場に大きな影響を与えています。

ディズニー決算ショック、株価10%超下落

下落の主な要因として挙げられるのが、世界的なエンターテインメント企業ウォルト・ディズニー(DIS)の決算発表による急落です。ディズニーは9月期本決算(第4四半期)で増収増益を計上し、一株利益(EPS)も市場予想を上回りましたが、翌日には株価が一時10%安となり、投資家に大きな衝撃を与えました。取引開始直後には107.16ドルと、前日比9.49ドル(約8.14%)下落しています。時間外取引でも急な売り圧力が続いています。

ディズニー株の急落背景には、「テーマパーク需要の鈍化」と消費の低迷が指摘されています。ディズニーのテーマパークなどエクスペリエンス部門はグループ利益の約半分を占めますが、米国内での客足が予想以上に鈍っていると経営陣が警告しました。特にボブ・アイガーCEOの「低所得層の消費マインド悪化」指摘が、投資家心理を冷やしたとみられます。

米国株式市場全体の動向と背景

  • ダウ平均は5日ぶりに反落し、48,186.91ドル(前日比-67.91ドル、-0.14%)で推移しています。
  • ナスダック総合指数は23,220.33(前日比-186.13、-0.80%)と大幅に下落しました。
  • さらにAI関連銘柄にも調整色が強く、ハイバリュエーション(過熱気味)銘柄が売られる展開です。
  • 米国債券市場や経済指標を見極めたいムードも強く、全体的にリスク回避の動きとなりました。

このほかにもアップルやマイクロソフトといったIT・ハイテク大手の株価は小幅に上昇しましたが、市場全体としてはディズニーショックを受けてリスクオフムードが広がっています。また、AI関連株では今後発表されるエヌビディア(NVIDIA)の決算待ちで様子見姿勢が続いているとの指摘もあり、追い打ちがかかりました。

ディズニーだけではない広がる株価調整

この日の決算ラッシュにより、ディズニー以外にも複数の米企業が大幅下落を記録しました。例えば、年内最高値を更新していたAirbnbが14%安、スーパー・マイクロ・コンピュータが20%安をつけるなど、市場全体に警戒ムードが広がっています。

伝統メディア大手全体でも不調が目立ち、ディズニーの10年間の株価リターンは11%にとどまり、同期間のS&P 500は170%以上の成長を記録しています。競合他社も同様で、時流に乗るネットフリックスのような新興メディアだけが長期的成長を果たしています。

米国経済イベントと市場の不安要因

  • 今後の注目イベントとして、11月19日にはAI半導体最大手エヌビディアの決算発表が予定されています。
  • また、11月下旬にはFRB(米連邦準備制度理事会)によるブラックアウト期間入りが控え、投資家にとって市場分析がしづらくなる期間となります。
  • さらに、米国内では閉鎖問題や財政不安も残っており、景気回復への警戒感がぬぐえません。

ダウ先物の動き―日本市場や世界市場への波及

ダウ平均の大幅下落は、グローバルマーケットにも波及しています。たとえば翌日のCME日経平均先物は5万780円と前日比520円安(-1.03%)で推移しており、日本やアジアの投資家にも影響が広がっています。同様に、欧州株式市場や世界全体の投資家心理にもリスク回避姿勢が強まっています。

このように米国株下落、特にダウ先物の急落は、日本をはじめとした他主要市場での株価下押し圧力として意識されており、資産運用やリスク管理を厳しく問われる局面となっています。

個人投資家・読者の皆さまへのアドバイス

  • マーケットの混迷期こそ、感情や一時の値動きに流されず、客観的な情報収集を心掛けましょう。
  • 経済指標や主要企業の決算内容、政策動向などにも幅広く目配りし、中長期的な視点で判断することが大切です。
  • 株価急落時は「なぜ売られているのか」を冷静に分析し、下値リスクと将来の反転要因も併せて考える必要があります。

今後も世界経済や企業業績、市場の動きを注視しながら、引き続き冷静な投資判断を行っていきましょう。

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