ロックの殿堂入り2025――心揺さぶる舞台裏と新たな伝説の誕生
2025年11月8日、ロサンゼルス・ピーコック・シアターはかつてない熱気と緊張感に包まれていました。毎年恒例となった「ロックの殿堂」入り授賞式。世界中のファンや業界人が注目するこのイベントに、今年も珠玉のアーティストたちが名を連ねました。ザ・ホワイト・ストライプス、アウトキャスト、シンディ・ローパー、サウンドガーデンなど多彩な面々が殿堂入りを果たし、現地は祝福と感動の渦に包まれました。
式典の豪華ラインナップとその舞台裏
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パフォーマー部門で選出された今年の殿堂入りアーティストは以下の通りです。
- ザ・ホワイト・ストライプス
- アウトキャスト
- シンディ・ローパー
- サウンドガーデン
- ジョー・コッカー
- チャビー・チェッカー
- バッド・カンパニー
いずれも音楽シーンに革新と影響をもたらした逸材であり、25年前に初めて商業用音源をリリースしたという選考基準を満たしています。
- 式典はDisney+でライブ配信され、翌日にはHuluでアーカイブ視聴が可能でした。また、多数の著名人がゲストやパフォーマーとして参加しました。エルトン・ジョン、ブライアン・アダムス、イギー・ポップ、オリヴィア・ロドリゴ、ハートのナンシー・ウィルソン、エアロスミスのジョー・ペリー、スティーヴィー・ワンダーなど、時代を彩ったアーティストたちが舞台を彩りました。
エルトン・ジョン、舞台裏で見せた怒りの瞬間
式典の進行が遅れる中で、特に話題を集めたのがエルトン・ジョンのバックステージでの激怒です。「飛行機を待たせてるんだ!」とスタッフに強い口調で怒鳴る姿は、その場に居合わせた関係者を驚かせるものでした。多忙なスケジュールに加え、授賞式ならではの時間管理の難しさが表面化した瞬間でした。エルトン自身は、長年にわたり授賞式やイベントの常連ですが、今年のような苛立ちを露わにしたのは非常に珍しいと報じられています。
彼の怒りの背景には、国際的な活動の合間を縫っての移動や公務出席が重なり、イベントの遅延が個人的な予定に直結するという事情もありました。エルトン・ジョンは常にプロフェッショナルとして知られ、音楽だけでなく舞台裏での振る舞いも注目されています。今回の騒動で、舞台裏の緊張感もファンに伝わることとなりました。
ザ・ホワイト・ストライプス伝説の夜――ジャック・ホワイトの感動的スピーチ
- ザ・ホワイト・ストライプスの殿堂入りは、多くのファンと批評家から待望されていたものです。特に今年はメグ・ホワイトが式典を欠席し、ジャック・ホワイトが一人でスピーチを行いました。イギー・ポップによるプレゼンターの紹介から、トゥエンティ・ワン・パイロッツの「Seven Nation Army」カバーなど、舞台は特別な雰囲気に包まれました。
- ジャック・ホワイトはスピーチの冒頭で「これはメグと一緒に書いた」と語り、式典に参列できなかった元バンドメイト・メグ・ホワイトへの思いを手紙にしたためました。その中には、彼らの出会いから始まり、音楽で共有した瞬間や、互いに支え合ったエピソードが綴られていました。
- ジャックはスピーチの中で、影響を受けたアーティストとしてザ・ゴリーズ、ガン・クラブ、ロレッタ・リン、フガジ、ミスフィッツ、エマーソン・レイク&パーマー、ベック、ペイヴメント、ザ・ストロークス、ブラック・フラッグなどを挙げ、彼らの音楽とともに歩んできた人生を振り返りました。その姿は感動的であり、オンラインでも「涙なしには聴けない」との声が多数寄せられました。
- メグの欠席理由について公式コメントはありませんでしたが、ジャックが彼女への感謝を繰り返し表明したことで、ファンの心にも深く届いた出来事となりました。
シンディ・ローパー&アウトキャスト――ジャンルを越えて祝福された夜
パフォーマー部門の他の受賞アーティストにも大きな注目が集まりました。シンディ・ローパーは「Girls Just Want to Have Fun」などのヒット曲で知られ、長年にわたり音楽と社会活動でメッセージを発信してきました。
アウトキャストはヒップホップとロックの融合を象徴する存在として、その創造性と影響力が認められ、式典では熱いパフォーマンスが披露されました。彼らの受賞は、音楽ジャンルや世代を超えて、ロックの殿堂が開かれていることを強く印象づけるものとなりました。
式典を彩った豪華パフォーマンスとゲスト陣
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授賞式当日は、各界の人気アーティストたちによるライブパフォーマンスも見所でした。
トゥエンティ・ワン・パイロッツによる「Seven Nation Army」カバー、オリヴィア・ロドリゴ&ファイストによる「We’re Going to Be Friends」の共演などで、観客は息を呑む熱演を楽しみました。 - プレゼンターとしてイギー・ポップ、ミッシー・エリオット、タイラー・ザ・クリエイター、ザ・キラーズなど、各世代のアーティストが登壇。多様なバックグラウンドが集まることで、ロックの歴史と未来が織り交ぜられる特別な一夜となりました。
今年の選考とファン投票――ロック殿堂の舞台裏
ロックの殿堂入りは、選考の厳正さと感情的なドラマの両方で知られています。今年は、ファン投票で1位となったフィッシュが選出されないという結果に、SNS上ではさまざまな意見が飛び交いました。ファン投票は参考資料とされるものの、最終的には選考委員会による判断が下されるため、その選出基準への疑問や熱い議論も恒例となっています。
まとめ:受賞とドラマが生んだ唯一無二の夜
こうして2025年のロックの殿堂入り式典は、音楽界に新たな歴史を刻みました。エルトン・ジョンの怒りとプロ意識、ザ・ホワイト・ストライプスの絆に満ちたスピーチ、シンディ・ローパーやアウトキャストに代表されるジャンルを越えた祝福――すべてが合わさり、今年もファンの心に残る名場面が生まれました。
華やかな表舞台と、焦りや感動が交錯する舞台裏。
2025年の「ロックの殿堂」式典は、時代を超えて語り継がれることでしょう。



