ステランティス傘下3ブランド目 – シトロエンのフォーミュラE参戦が正式決定!
ステランティス傘下の自動車ブランドシトロエンが、2025-2026年シーズンよりフォーミュラEに正式参戦することが発表されました。2023年以降、プジョー・DSオートモビルズに続くステランティスグループとして3ブランド目の参戦であり、電動モータースポーツ界に新たな風を吹き込むこととなります。
歴史あるブランド、シトロエンの壮大なモータースポーツ復帰
シトロエンはこれまで、WRC世界ラリー選手権でドライバーズタイトル9回・メーカーズタイトル8回、ダカールラリーの優勝、WTCC世界ツーリングカー選手権でドライバー&チームタイトル3回など、名だたるモータースポーツの舞台で輝かしい戦績をおさめてきました。
そんなシトロエンが今回新たに挑戦するのは、都市中心部で開催され、環境負荷を抑えた次世代レースとして世界で注目を集めるフォーミュラE世界選手権です。その中心となるのが、長年にわたりラリーレイド、WRC、WTCCといったシーンでブランドの名声を築いてきた公式チーム「シトロエン・レーシング」。その情熱と技術力が、再び世界の舞台で発揮されます。
次世代電動レーシングマシン「GEN3 Evo」で初陣
シトロエンが今回投入するのは、最新鋭のシングルシーター「GEN3 Evo」。トリコロールカラーが美しいこのマシンは、最新の電動化技術を集結した傑作です。
- 前後2基の高効率モーターで最大600kW(約815馬力)を発生
- 最大600kWものエネルギー回生能力を持ち、レース中に消費する電力のおよそ半分を再利用
- 高強度かつ軽量なカーボンモノコックシャシー採用
- 0-100km/h加速はわずか1.86秒という圧倒的性能
この開発の中心にあるのは、パリ郊外サトリーのステランティス・モータースポーツ拠点。11年にわたるフォーミュラE活動の知見が惜しみなく投入されていることが特徴です。
チーム体制とドライバー陣 – 盤石の布陣で新時代へ
シトロエン・レーシングの指揮を託されたのは、フォーミュラE経験豊富なシリル・ブレ氏。ドライバーには次の2名が起用されています:
- ジャン=エリック・ベルニュ(フランス) — フォーミュラEやF1での実績をもつトップドライバー
- ニック・キャシディ(ニュージーランド) — 日本のF3・Super GT・Super Formula三冠、フォーミュラE表彰台25回・優勝11回の記録保持者
シリル・ブレ氏は、戦略的な視点とエンジニア出身ならではの現場力でチームをまとめあげ、コンペティティブな戦いを展開することを目指しています。
持続可能性へのコミットとフォーミュラE参戦の意義
フォーミュラEは、ISO 20121認証を取得しカーボンニュートラル実現を掲げる唯一のモータースポーツ世界選手権です。シトロエンは、この持続可能な大会への参戦を通じて、自社製品の電動化技術をさらに高めていくとともに、最新のバッテリー制御、エネルギー回生、ソフトウェア戦略開発へのフィードバックを期待しています。
シトロエンCEOザビエ・シャルドン氏の言葉:
「フォーミュラEは技術革新の実験場です。この舞台を通じて、若い世代やデジタル世代とブランドの価値を共有し、シトロエンのビジョンを改めて世界へ示したい」
GEN4マシンと2026/27シーズン・テクノロジーの未来
2026/27シーズンに導入予定の次世代マシン「GEN4」は、フォーミュラE技術のさらなる飛躍を予告しています。アクティブ四輪駆動、最大出力815HPと、従来を凌駕するパフォーマンスを有し「F1より速い」と称賛されるスペックで、EV界にセンセーションを巻き起こすことでしょう。
フォーミュラEで磨かれたノウハウは、グループ内の量産EVへと急速に還元。「ポルシェ・カイエンEV」の開発にも大きな影響をもたらし、モータースポーツ技術と市販モデルの融合が、カーボンニュートラル社会の実現を加速させています。
まとめ – シトロエン、フォーミュラEで新章へ
- 2025-2026年シーズンからの正式参戦でモータースポーツの現場復帰を実現
- 電動化・持続可能性・若年層へのアプローチという新たなブランド価値の追求
- 過去60年以上にわたるモータースポーツDNAと最新のEV技術が融合
- 激化するフォーミュラEで、日産やポルシェなど強豪メーカーとしのぎを削る展開に注目
- テクノロジー革新が市販車開発にも波及、ユーザーに新たな価値還元をもたらす
2025年12月、ブラジル・サンパウロeプリで公式デビュー予定のトリコロールカラーGEN3 Evo。その走りとともに、シトロエンがEVレース、そしてブランドの新時代にいかに躍進するのか――ファン、産業界、そして地球規模の期待が一層高まっています。



