INPEXが国内油ガス田開発に120億円投資 ― 2027年に最新掘削装置を導入へ
INPEX(国際石油開発帝石)は、国内における油ガス田開発へ120億円2027年に新たな掘削装置(リグ)を導入することを発表しました。この取り組みは、日本国内のエネルギー自給率の向上と安定供給の強化、さらに探鉱から開発にかけての迅速な展開を目指したものです。最新設備の導入は、環境・安全基準への適合のみならず、事業全体の機動力強化につながります。
投資の目的と背景
今回の投資は、INPEXが掲げる「INPEX Vision 2035」および中期経営計画(2025–2027)に基づいています。「責任あるエネルギートランジション」を主軸に据え、国内外での油・ガス開発やLNG事業の強化、さらに低炭素ソリューションの拡充を目指しています。
- 主な目的は日本国内の資源自給・安定供給のさらなる確保
- 新掘削装置の導入で探鉱・評価作業のスピードと効率を最大化
- 環境負荷低減・安全性強化といった現代の基準への対応
「国内基礎データの蓄積」と民間主導の探鉱サイクル再加速
近年、日本海沿岸地域では公益法人「JOGMEC」による三次元物理探査船「たんさ」のデータ取得が進み、商業化に向けた基盤整備が強化されています。INPEXは、2022年の島根・山口沖試掘で得た地質・流体データも活用し、公的探査データと民間の坑井情報を統合して、掘削装置の更新による発見確率の向上と意思決定の質の強化を目指します。
島根・山口沖プロジェクトの最新状況
- 約240mの水深、掘削深度約3,440mで油・ガスの存在を確認(商業規模には至らない評価)
- 地質・流体データの蓄積を踏まえ、今後は小~中規模蓄積の集約・段階的な開発が現実的
- 近接構造を束ねる開発や低コストの評価井の設置を想定
地域インフラと市場需要
中国地方では、電力会社によるガス発電所の運営や地域分散型需要が拡大しています。東京ガスとの連携をはじめ、LPG設備の増強なども発表されているほか、これまで培ったインフラと技術力を活用した長期戦略が進行中です。
低炭素化とCCS技術の活用
INPEXの国内油・ガス開発は、「CCS(Carbon Capture and Storage)」やその他の低炭素技術との融合を前提に、環境配慮型投資としても評価されています。これにより、投資家やステークホルダーへ事業の長期的堅牢性を説明しやすくなっています。
2025年以降のロードマップと事業計画
- 2025年:主要仕様の凍結、長納期品の発注、環境影響評価のスコーピング、漁業調整の合意、リグ入札実施(国内外企業対象)
- 2027年:大型掘削装置新規導入、探鉱・評価・開発サイクルの迅速化
国内外と連動するINPEXのエネルギー戦略
INPEXは近年も国内外(カザフスタン、アルジェリア、リビア、ブラジル、メキシコ等)で様々な油・ガス田の開発を進めており、LNGバリューチェーン形成、国際案件とのシナジーにも力を入れています。国内では新潟県上越市のLNG受入基地計画なども進行中で、グローバルな資源開発と国内サプライチェーンの強化を両立させています。
楽天グループの決算:2025年1〜9月期、最終赤字1,512億円 ― 携帯事業は赤字縮小
楽天グループ株式会社は、2025年1〜9月期決算において最終赤字1,512億円を計上しました。一方で、携帯事業の赤字幅は前年同期比で縮小しており、グループ全体の収益改善の兆しが見え始めています。
赤字要因と携帯事業の現況
- グループ全体の赤字要因は、通信設備投資や会員獲得コストの継続的拡大が主因
- 携帯事業では基地局展開と料金戦略の見直しにより、赤字幅が減少
- 楽天グループは金融・EC分野を中心に黒字転換をめざし、通信事業の収益改善に注力
今後の展望
楽天グループは携帯事業の収益安定化を図るとともに、金融サービスやショッピングモール事業など他部門の収益性強化を進めています。競争環境は依然として厳しいものの、前年対比で赤字幅縮小した点は大きな進捗といえます。
本日の注目決算発表企業:キオクシア、楽天グループ、INPEXなど 439社
本日11月13日には、キオクシア、楽天グループ、INPEXをはじめ439社が決算発表を行う予定です。各企業の最新の業績、投資計画や今後の成長戦略に投資家や市場関係者の関心が集まっています。
注目ポイント
- 大規模投資を伴うエネルギー・通信分野の決算内容
- 技術革新や社会インフラ強化につながる事業発表に市場の期待
- 企業ごとの中期戦略や成長性も注目テーマ
まとめ
本日のニュースは、INPEXによる国内油ガス田開発への120億円投資、2027年の新掘削装置導入をはじめ、日本のエネルギー自給率・供給安定化に向けた力強い動きが見られます。また、楽天グループの1〜9月期決算では最終赤字が報告されたものの、携帯事業の改善や今後の事業展開に成長の兆しが確認できます。さらに、キオクシアなどを含む439社の決算発表が予定されていることから、2025年以降の企業戦略や業界動向にも注目が集まります。各企業は持続可能な成長を目指し、環境配慮や技術革新、地域インフラ強化など多角的なアプローチに取り組んでいることが伝わります。



