エムスリー、7~9月期に最終利益80%増を達成 アナリスト予想を上回る好調決算
医療関連情報サービス大手のエムスリー(証券コード:2413)は、2025年11月12日に2026年3月期第2四半期(4~9月)の連結決算を発表しました。同社の業績は予想を大きく上回る好調な結果となり、投資家から注目を集めています。
7~9月期の最終利益が前年同期比80%増を達成
直近3ヵ月間の7~9月期(第2四半期)の連結最終利益は、前年同期比79.8%増の108億円に拡大しました。この増益幅は目を見張るもので、同社の事業好調ぶりを示しています。売上高も前年同期比39.7%増の84億6,850万円と大幅な成長を遂行し、営業利益も34.2%増の162億1,500万円となるなど、全般的に力強い業績推移となっています。
特筆すべき点として、1株当たり純利益も前年同期の8.9円から16.0円へと80.0%の増加を記録しており、株主価値の向上が着実に進んでいることが判断できます。
上期累計でも31%の大幅増益を実現
4~9月の上期累計では、連結最終利益が前年同期比31.3%増の227億円に達し、従来予想の185億円を大きく上回る着地となりました。これはアナリスト予想を上回る非常に強い業績と言えます。
上期累計の営業利益は24.2%増の359億円、経常利益は経常益ベースで26%の2桁増益を達成しており、全体的に堅調な成長基調が確認できます。さらに、2Q累計売上高は37%増と連続で過去最高を更新しており、同社の市場での競争力が高まっていることを示しています。
通期計画に対する進捗は順調
会社側が提示している2026年3月期通期の最終利益計画は450億円であり、上期累計227億円の達成により、通期計画に対する進捗率は50.5%となりました。この進捗率は、同社の過去5年平均の49.3%とほぼ同水準であり、通期計画達成への道のりは順調と判断されます。
一方、会社側の上期実績と据え置かれた通期計画に基づいて試算した下期(10~3月期)の連結最終利益は、前年同期比3.9%減の222億円になると予想されていますが、これは大きな問題ではなく、通期では大幅な増益達成が見込まれています。
売上営業利益率は微減も、全体的には良好
ただし、売上営業利益率に関しては若干の低下が見られており、前年同期の19.9%から19.1%に低下しています。これは売上成長に伴う構成変化や営業活動の効率性の問題を示唆していますが、依然として健全な利益率を維持しており、懸念する必要は低いと考えられます。
主力事業の好調が成長を牽引
エムスリーの好調決算の背景には、主力の医療従事者向けサービスが堅調に推移していることが挙げられます。特に、製薬企業向けの営業支援サービスなどが伸びており、医療情報プラットフォームとしての同社の価値が市場で認識されていることが判ります。
同社は医療従事者に対して信頼性の高い情報を提供し、医療現場と製薬企業をつなぐ重要な役割を担っています。新型コロナウイルスの影響が一巡した中でも、デジタル化の進展に伴い、オンライン医療情報の需要が継続して高まっており、これが同社の成長を支えています。
アナリスト予想を上回る市場評価
今回の決算発表は、市場のアナリスト予想を上回る結果となりました。特に最終利益の増益幅と上期累計の予想超過は、投資家からのポジティブな評価につながることが予想されます。
同社の経営陣は経営方針を据え置いており、今後の事業展開に対する自信を示しています。デジタル医療情報の需要が今後も拡大することが見込まれる中で、エムスリーは市場のリーダーとしての地位をさらに強固にしていくと考えられます。
今後への期待と展望
本決算は、エムスリーが医療関連情報サービス分野での成長戦略を着実に推進していることを示す強いシグナルとなっています。上期の好調な業績達成により、通期での目標達成可能性は高まっており、投資家の関心が集まることが予想されます。
今後も同社は、医療従事者や製薬企業のニーズに対応した高品質なサービス提供を通じて、持続的な成長を目指していくものと考えられます。デジタル化とヘルスケア市場の拡大という大きなトレンドの中で、エムスリーの事業拡大がどの程度加速するかが、今後の注目ポイントとなるでしょう。



