大分トリニータ、雪の札幌決戦――2025年11月8日J2第36節徹底レポート
2025年11月8日、J2リーグ第36節の注目カード「北海道コンサドーレ札幌 vs 大分トリニータ」が開催されました。会場は札幌の大和ハウスプレミストドーム。この日は見事な雪化粧に包まれ、サポーターや選手にとっても忘れられない一戦となりました。両チームの勝利への思い、それぞれの選手の奮闘、そして会場を包み込む雪が生み出した特別な空気感を、じっくり振り返ります。
降り積もる雪と熱気――会場の様子
試合当日の札幌は、まさに“北の大地”らしい本格的な雪が降り、大和ハウスプレミストドーム周辺も真っ白な雪景色に包まれました。SNS上でも「がっつり積もってるなあ」「ひょえええ」「この白さは勝利の白」という声が相次ぎ、コンサドーレ札幌サポーターを中心に大きな反響が広がったことが話題となりました。スタジアムの公式アカウントでも雪化粧された美しい景観が公開され、クラブの歴史に残る特別な舞台を印象づけました。
- 会場名:大和ハウスプレミストドーム
- 試合開始:14:05
- 開場時間:先行10:45/一般入場11:15
- 観客動員:例年通り1万人以上が来場し、寒さの中でも熱気あふれる雰囲気。
両チームの直近状況と注目ポイント
コンサドーレ札幌は前節、自動昇格圏争い中の千葉と対戦し、2-5と大敗。これによって1年でのJ1復帰の望みが途絶える結果となりました。しかし本拠地での一戦、そして“雪のスタジアム”という特別なシチュエーションを前に、サポーターへ今季最後のホーム勝利を届けたい強い思いで臨みました。さらに今季引退を表明しているベテラン深井一希選手のホームも残りわずかとあり、そのプレーへの注目も集まりました。
一方の大分トリニータも、ここ5試合で1勝2分2敗とやや波に乗り切れない状況。しかし過去の直接対決成績を見れば、10勝8分9敗と札幌をわずかに上回っており、苦しい中でも意地を見せたい大一番となりました。
試合展開 ― 両軍譲らぬ攻防
試合は札幌ボールでキックオフ。序盤からともに3-4-2-1のシステムを敷き、守備的な集中を見せる展開となりました。札幌は荒野拓馬選手、スパチョーク選手らが積極的に敵陣へ攻め込みますが、大分の守備陣も高嶺選手を中心に堅実な対応を続けます。
- 前半1分、札幌は右CKから荒野のヘディングシュートも枠を外れる。
- 前半6分、大分がこの試合最初のCKを獲得。右サイドから天笠のクロスに高嶺がブロック。
- 前半8分、大分再びクロスを試みるも、札幌守備陣が堅守で応戦。
- 前半を通じて両チームともに決定機が少なく、慎重かつ丁寧なゲーム運びが印象的。
前半34分、ついに試合が動きます。中央のパス展開から札幌の荒野拓馬選手がゴールネットを揺らし、待望の先制点。ドームを包む雪とサポーターの歓声が見事に重なり、この瞬間、会場のボルテージは最高潮に達しました。
大分トリニータの修正力と粘り
先制を許した大分は、直近の試合では見せられなかったギアの切り替えを図ります。新たに先発で起用されたグレイソン選手が前線で体を張り、両サイドから高尾、天笠両選手が再三クロスを供給。しかし札幌GK菅野孝憲選手、守備陣も好反応を見せ、なかなか得点には至りません。
後半に入っても大分は攻撃の手を緩めず、途中出場のフレッシュな選手たちも次々とピッチへ。とはいえ積雪によるグラウンドの状態がやや影響したのか、ビルドアップやラストパスの精度を欠くシーンも目立ちました。粘り強さでは札幌に引けを取らず、最後まで諦めない姿勢が印象的でした。
白熱の終盤――両サポーターを魅了するクライマックス
終盤は互いにオープンな展開へ。大分も前線へ人数をかけるものの、コンサドーレ札幌は引退を控える深井一希選手を中心に、全員が体を張ってゴールを死守。札幌サポーター、そして遠方から駆けつけたトリニータサポーターの手拍子、応援歌がドーム内に響き、会場全体が一体となった熱いラストになりました。
最終的には札幌の1-0(前半:札幌1-0大分、後半:得点なし)で試合終了。雪の大和ハウスプレミストドームでの死闘は、新たなクラブの思い出として刻まれることとなりました。
監督・選手コメント――ピッチに残した思い
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大分トリニータ監督:
「この環境、そしてアウェイの雰囲気の中で、選手たちは非常に良く戦ってくれた。ただ一つ、最後の局面でゴールを奪いきれなかったのが課題。次節以降も、この粘りと連携を絶やさずに、残り試合を戦い抜きたい。」
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大分トリニータ選手代表(高尾選手):
「札幌の雪は想像以上にタフだったが、ピッチコンディションにかかわらず、全力を尽くすことができた。サポーターの声援も心強かったので、これを糧に前進したい。」
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北海道コンサドーレ札幌選手代表(荒野選手):
「先制点を決められて本当に嬉しい。雪とサポーターの皆さんの後押しを力に変えられた。」
大分トリニータ、ここからの展望とサポーターへのメッセージ
J2リーグは残すところあと数節。大分トリニータは今シーズン中盤~後半で苦しい戦いが続きましたが、ここからの巻き返しを目指し、最後の一瞬まで全力を尽くしています。毎試合で見せる“粘り”と“修正力”、若手とベテランの融合こそが、チームの大きな財産となっています。
また、本拠地から遠く離れた北海道まで駆け付けた大分サポーターの姿は、現地でも大きな話題に。厳しい寒さのなかでも懸命に声援を送り続けるその姿に、多くの選手が勇気をもらったと語っています。
ピックアップデータ&トピック
- 両チーム直近5試合
- 札幌:1勝0分4敗
- 大分:1勝2分2敗
- 過去直接対決成績:大分の10勝8分9敗(大分のわずかな勝ち越
参考元



