フジクラ、AIデータセンター関連銘柄として大商いで急反騰 ― 米国市場の流れが追い風に

2025年11月6日、株式会社フジクラ(5803)は東京証券取引所プライム市場にて一時9%を超える急上昇を記録し、出来高も1,565万株を超える大商いとなりました。この背景には、米国を中心に進む人工知能(AI)データセンター建設のラッシュによる光ファイバー・光コネクターといった配線部材需要の急拡大があり、世界的な半導体・データセンター需要の高まりを強く反映しています。

米国AI関連株式市場の動向が日本株市場へ波及

米国株式市場ではAIデータセンター銘柄が相次いで買い戻されており、代表的な光ファイバーメーカーである米コーニング(Corning Inc., ティッカー: GLW)も同日に5日ぶりの反発に転じて、AIデータセンター関連需要の復調を示しました。この米国市場の流れを受け、国内で同分野の中核を担うフジクラにも海外機関投資家を中心としたショートカバー(空売りの買戻し)や新規の買いが集中しました。

  • フジクラの売買代金は、同日、プライム市場で上位3位を記録。
  • 信用残高では買い残が増加、売り残は減少と需給が引き締まる状態。
  • 日証金による貸借倍率は0.5倍で逆日歩発生のリスクも指摘されるほど売り長。

国内株式市場への影響 ~ 日経平均の押し上げ要因に

同日の東京株式市場は全体的に買い優勢となり、日経平均株価は前日比+664円(+1.32%)の初めて5万円台を突破しました。そのなかでフジクラは個別銘柄として日経平均のプラス寄与度2位(+65.35円)をマークし、市場全体への波及効果も大きかったとされています。

  • 主要銘柄の寄与度: アドバンテスト(6857)がトップ、フジクラ(5803)が続く。
  • フジクラはAIデータセンター関連の象徴的な存在と評価される。

フジクラの業績背景と事業構成

フジクラは、光ファイバーや光コネクターを中心とした情報通信インフラ用部材、自動車やロボット向けケーブル、電子部品など多角的に事業を展開。特にここ数年はAIやIoT、クラウド普及に伴うデータトラフィックの急拡大が追い風となり、インフラ向けの高性能・高耐久の光ケーブル類の需要が急増しています。また、米国・中国・欧州などグローバルに製造・販売拠点を持ち、サプライチェーン面でも競争優位性を発揮しています。

アナリスト評価 ― 強気レーティング継続と目標株価引き上げ

米系大手証券会社など複数のアナリストが、フジクラをAIデータセンター
関連の有力な供給企業と位置付けた上で「強気」レーティングを継続し、目標株価を24,100円に引き上げています。この背景には、

  • AIインフラ向け光ファイバーの受注拡大・単価上昇
  • コスト構造改革による収益性改善
  • 米国・欧州市場での強固な競争力保持

など、複数の要素が挙げられます。

株価の推移と出来高 ― 直近の動き

2025年11月6日、フジクラの株価は始値20,430円から高値21,675円、終値21,525円と大きく値を戻し、前日比+1,910円(+9.74%)の急反発を記録。出来高は1,565万株と市場でも群を抜く規模でした。前日(11月5日)は売り先行で18,635円まで下落する場面もありましたが、米国市場の好影響とAI需要の再評価で一気に買いに転じました。

  • 年初来高値は2025年11月4日の21,680円、年初来安値は4月7日の3,592円。
  • 直近1ヶ月で株価は大幅な上昇トレンド、ボラティリティも高い状態。

今後の注目点 ― AIインフラ需要の持続性と業績発表

足元のフジクラへの投資家注目度は非常に高まっており、今後のポイントとしては以下が挙げられます。

  • 直近の四半期決算発表(11月7日予定)の業績動向
  • 米国・中国など海外新規受注動向、AI・データセンター投資の継続性
  • 原材料コストやサプライチェーンリスクへの対応力
  • 市場の需給バランス(信用倍率や空売り残高の深化)

加えて、グローバル競合との技術力・価格競争にどう対応するかも引き続き注目されます。

市場関係者や投資家の声

マーケットの掲示板や投資家の間では

  • 「AIバブル再来の中心銘柄」「これからも強気継続」
  • 「短期的な値動きに注意しながら、中長期では安定成長に期待」

など、様々な期待とリスク意識が交錯しています。

まとめ

フジクラはAIデータセンター関連需要という世界的な潮流の中心で株価・売買ともに大きな注目を集めており、今後の事業継続性や業績動向が改めて問われる局面となっています。企業としてはサプライチェーンの頑健性確保やグローバル競争への対応がより重要性を増しており、新たな成長局面への投資家の期待はさらに高まっています。

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