大阪・関西万博のナウル共和国パビリオン、そのレガシーが東大阪で新たな展開
2025年10月31日、東大阪市役所本庁舎1階で、「ナウル共和国臨時パビリオン」や「ナウル台座」などの展示が始まりました。これは、大阪・関西万博会場内「コモンズB館」に出展していたナウル共和国パビリオンの展示物を中心にしたもので、万博閉幕後もその魅力を多くの人に伝えるための取り組みです。
「ナウル台座」誕生の舞台裏とSNSでの話題
万博開催時、ナウル共和国パビリオンの展示物到着が遅れ、白色の台座だけが入り口にぽつんと置かれていました。この状況に対して、ナウル共和国政府観光局の公式SNS(X)アカウントは「心がきれいな人には台の上の展示物が見えるはずです」とユーモアある投稿を展開。これがSNS上で大きな話題となり、注目されるきっかけとなりました。
その後、この台座には島の形をしたキャラクター「ナウルくん」のデザインを使ったファンアートなどが続々と寄せられ、展示として彩り豊かなものへと変化していきました。展示台という物理的な「空間」が、SNSや地域のファンの「気持ち」とつながる象徴的な存在になっています。
東大阪市役所との連携―「コモンズH」の誕生
大阪・関西万博開催期間中、ナウル共和国政府観光局と東大阪市は連携・交流協定を締結しました。市役所1階にはナウルくんの顔出しパネルなどのフォトスポットが設けられ、10月11日には展望ロビーにも移設され、週末や夜間でも楽しめるようになりました。
- ファンアートや絵画など、来場者が制作して寄贈した作品も展示。
- 万博パビリオンの現物展示だけでなく、地域の人々が愛着を持てる交流スペースに。
さらに万博閉幕後は、パビリオンで展示されていた品々に加え、「8億年前の岩塩」やサンマリノ共和国のパンフレットなども展示され市役所1階は「コモンズH」と呼ばれる市民と万博ファンの集いの場所となっています。
万博を彩った「ナウルくん」とそのファンアート
ナウル共和国公式キャラクター「ナウルくん」は、ナウルの島の形をモチーフにした可愛らしいキャラクターです。万博会場のナウルパビリオンでは、ナウルくんのぬいぐるみやパネルを使ったフォトスポットが人気となり、来場者が記念写真を撮る姿が見られました。また、手作りのグッズやファンアートが台座にも展示されることで、開幕当初「虚無展示」と揶揄されたブースが、すぐに賑やかで心温まるスペースへと生まれ変わったのです。
パキスタンパビリオンの「8億年前の岩塩」展示も話題
東大阪市役所1階では、ナウル台座だけでなく「パキスタンパビリオンの8億年前の岩塩」も目玉展示のひとつです。万博で展示された本物の岩塩を間近で見られるこの展示は、市民や万博ファンのみならず、教育目的で訪れる子どもたちにも人気となっています。
ナウル共和国パビリオンの多角的な展開
- 箕面市との広報連携による地域振興イベントの開催。「EXPOメッセ」ではスタンプラリーや期間限定のナウル資料展、ナウル料理の販売など、万博を契機に地域との絆を深めています。
- 銚子電鉄の「ナウル共和国銚子パビリオン」開設。万博公式キャラクター「ナウルくん」が銚子市に来訪し、展示物搬入やグッズ・伝統衣装の公開も話題を呼びました。
- 大阪・関西万博のパビリオンにはナウルの特徴的な地形、伝統衣装、工芸品、キッズワークショップなど様々な展示企画が用意され、小さな島国ならではのユニークな魅力が伝えられました。
万博レガシーとしての地域振興と絆の広がり
今回のパビリオン展示や東大阪市など地域連携によって、ナウル共和国は単なる万博出展国にとどまらず、日本の各地で話題と交流のきっかけとなりました。市役所をはじめ地域施設に万博パビリオン由来の展示物が残されることで、日常の中で万博の記憶と国際交流が継続します。
特にナウル台座のエピソードは、物理的には空っぽでも、想いと工夫で人々を惹きつける力があることを示しました。SNSとキャラクターが生み出す「共感」と「参加」が、地域振興や国際交流に発展する―このプロセス自体が万博レガシーと言えるでしょう。
地域交流の今後への期待
- 東大阪市役所の臨時パビリオン「コモンズH」は引き続き市民交流と万博ファンの居場所として親しまれています。
- ナウル台座やファンアート、パビリオングッズの展示は、訪れる人々にナウル共和国や万博の思い出を楽しく伝えています。
- パキスタンパビリオンの「8億年前の岩塩」をはじめ、世界各国の万博展示物が市民の知識や興味を広げる機会となっています。
- 箕面市や銚子市などとの連携も、地域文化交流を推進する新たなモデルケースです。
おわりに
大阪・関西万博をきっかけに、ナウル共和国パビリオンの展示物やキャラクター「ナウルくん」と東大阪市役所の連携は、地域の活性化や国際交流を深める役割を果たしています。「ナウル台座」の話題とファンアートは、SNS時代らしい新しい万博の残し方として注目されています。これからも展示を通じて、さまざまな地域で万博のレガシーが受け継がれていくことでしょう。



