新潟県知事、柏崎刈羽原発の再稼働について「近く考え示す」

新潟県の花角知事は、東京電力柏崎刈羽原子力発電所の再稼働について、「近く考えを示す」と発表しました。11月5日の会見で、知事は「近いうちに私の考え方を示すつもり」と述べ、再稼働の是非について県民の意見や現場の状況を踏まえて判断する考えを示しました。

知事、柏崎刈羽原発を7年ぶりに視察へ

花角知事は、柏崎刈羽原発の視察を11月14日ごろに調整していると明らかにしました。これは2018年以来、7年ぶりの視察となります。知事は「事故への対応力や安全対策、核物質の防護措置など、現場で感じたい」と語り、視察を通じて自身の判断に影響を与える可能性があると話しています。

視察では、東京電力の対応や安全対策の取り組みを確認し、原発周辺の市町村長とも意見交換を行う予定です。知事は「私自身の東京電力に対する見方が変わるかもしれない」とも述べており、現場の状況を肌で感じることで、再稼働の判断に反映させたい考えです。

東京電力、1・2号機の廃炉検討と1000億円規模の基金提案

一方、東京電力は10月16日、新潟県議会で柏崎刈羽原発1・2号機の廃炉を検討する方針を表明しました。小早川智明社長は「安全運転に万全を期すため、1・2号機に関して廃炉の方向で具体的に検討を進めることにした」と述べました。

また、東京電力は新潟県に対して1000億円規模の基金を提案しています。この基金は、地域経済の活性化や安全・安心の向上に活用される予定です。しかし、地元県議からは「誠意というより取引にしか見えない」との反発の声も上がっています。

東京電力は、新潟県に深く根を下ろし、将来にわたり発電事業を営んでいくため、地域経済の活性化やGX・DXへの事業投資などを実施し、新潟県内の「安全・安心の向上」と「地域経済の活性化」に貢献していくことを表明しています。

県民の意見を踏まえた判断へ

柏崎刈羽原発の再稼働には「地元の同意」が必要です。花角知事は、県民意識調査などを通じて県民の多様な意見を把握した上で、自身の判断を示すとしています。視察や市町村長との会談を通じて、現場の声や県民の意見を踏まえた判断を行う方針です。

知事は「できるだけ肌で感じたい」と語り、現場の状況や東京電力の対応を直接確認することで、再稼働の是非について慎重に判断する考えです。

新潟商議所、新たな正副会頭が就任

新潟県の商界でも動きがあります。新潟商議所は、新たな正副会頭が就任し、記者会見を行いました。新会頭は「中小企業振興に全力を尽くす」と述べ、地域経済の活性化に向けた取り組みを強化していく考えを示しました。

商議所は、東京電力の基金や柏崎刈羽原発の再稼働についても注目しており、地域経済への影響を慎重に見守っていく方針です。

今後の見通し

花角知事は、視察や県民の意見を踏まえて、再稼働の是非について月内にも判断を示す可能性があります。東京電力は、1・2号機の廃炉検討や基金提案を通じて、地元との信頼回復を目指しています。

柏崎刈羽原発の再稼働は、新潟県の経済や安全、県民の生活に大きな影響を与えるため、今後も注目が集まります。東京電力や県、商界の動きに注目が集まっています。

まとめ

  • 花角知事は柏崎刈羽原発の再稼働について「近く考えを示す」と発表
  • 7年ぶりに原発を視察し、現場の状況を確認
  • 東京電力は1・2号機の廃炉検討と1000億円規模の基金提案
  • 県民の意見を踏まえて、再稼働の是非を判断
  • 新潟商議所は新たな正副会頭が就任し、中小企業振興に全力

柏崎刈羽原発の再稼働をめぐる動きは、今後も注目されます。東京電力や県、商界の動きに注目が集まっています。

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