2025年「新語・流行語大賞」ノミネート30語発表―社会を映すキーワードたち
2025年11月5日、毎年恒例となっている「現代用語の基礎知識選 2025 T&D保険グループ新語・流行語大賞」のノミネート30語が公式に発表されました。今年も日本社会の変化や話題を色濃く映し出す多彩な言葉が選ばれています。社会現象、政治動向、エンタメ、異常気象、食料問題、ネット流行語など、幅広い分野からのエントリーとなり、特にスポーツ関連語が5年ぶりにゼロという点も注目されています。この記事では、2025年を象徴する多様なノミネート語の背景や社会的意義について優しく解説します。
流行語大賞ノミネート30語と選考の背景
「新語・流行語大賞」は、その年の社会を象徴するキーワードを通して、私たちの日常や時代の空気を鮮やかに映し出してきました。2025年は、政治のエンタメ化やイノベーションの加速、社会の分断、異常気象が影響力を持った一年でした。さらに、ネットとオールドメディア(従来型メディア)の分岐点にもなったと言われています。
ノミネート30語一覧(五十音順)
- エッホエッホ
- オールドメディア
- おてつたび
- オンカジ
- 企業風土
- 教皇選挙
- 緊急銃猟/クマ被害
- 国宝(観た)
- 古古古米
- 7月5日
- 働いて働いて…
- ビジュイイじゃん
- プデュ
- ヘビーユーザー
- ミャクミャク
- ラブブ
- ルームフレグランス
- 倫ボ
- 緑茶割り
- 長袖をください
- 肥料高騰
- 魔法のSHEET
- 物価高
- 猛暑日
- やきしゃけ
- 16号線経済圏
- 逃げるが勝ち
- 二刀流
- 旧姓併記
- トランプ関税
以上が2025年を象徴するキーワードです。
注目の新語・流行語をやさしく解説
1. 「長袖をください」
今年特に若者を中心に多用されたフレーズで、ファッションや異常気象そして職場や学校の冷房問題など、多様なシーンで話題となりました。季節外れの気温変化が続く中、夏場でも長袖が欲しいと感じる人が多くなったことを反映しています。「もう半袖は無理!」という心の声を、SNS上で共感を呼ぶかたちで使われ、集合的な「冷え」の感覚が社会現象となりました。
2. 「ミャクミャク」
大阪・関西万博の公式キャラクターとして誕生した「ミャクミャク」は、インパクトのあるビジュアルからSNSを中心に全国展開しました。イベントや関連グッズで大きな話題となり、子どもから大人まで幅広い人気を獲得しました。
3. 「国宝(観た)」
国宝級の何か(主に人物や芸能、アート)を体験したときに使われるフレーズです。特に有名人や映画、舞台公演などに触れた際の感動表現として、主にネット上で多用されました。「観た」こと自体が価値となり、周囲と話題を共有する新しい流行語として定着しつつあります。
4. 「古古古米」
米不足や物価高、食料問題が深刻化する中で話題となったキーワードです。本来「古米」とは収穫から1年以上経過した米を指しますが、更に古い米を「古古古米」と表現。家庭だけでなく流通・外食産業にも波及する問題として、社会的課題化しています。
5. 「働いて働いて…」
日本初の女性首相に就任した高市早苗首相の発言がきっかけで、社会全体の働き方やワークライフバランスの象徴的なフレーズとなりました。多忙な毎日や労働環境を憂う声と共感を集め、職場やSNSで盛んに使われています。多くの人が自身の働き方を見直す契機ともなっています。
6. 「緊急銃猟/クマ被害」
今年は特にクマによる被害が過去最大級に達し、全国的なニュースとなりました。野生動物との共生や里山保全の重要性、対策の緊急性が改めて問われています。「緊急銃猟」は、やむを得ず捕獲・駆除する措置を意味し、都会でも身近な問題として社会的議論が巻き起こりました。
2025年の社会背景と流行語の特徴
今年の流行語大賞ノミネートの大きな特徴は、社会問題や異常気象、食の安全、政治問題など、 日常生活に密接に関連したキーワードが増加したことです。
また、従来主力だったスポーツ分野の流行語が5年ぶりにゼロとなりました。これは政治や経済、生活全般を揺るがすニュースが多かった1年であり、多くの人の関心が社会環境や日々の暮らしに集まっていることを示しています。
他にも話題のノミネート語
- 「オールドメディア」…従来型のテレビや新聞など、変化するメディア環境に対する皮肉交じりの呼び方として、ネット世代を中心に使われました。
- 「おてつたび」…旅行とアルバイトを組み合わせた体験型の新しい旅の形。コロナ禍をきっかけに再注目されています。
- 「企業風土」「物価高」「肥料高騰」…経済やビジネス環境の変化を反映した実用的な言葉です。
- 「7月5日」…何か社会的事件や記念日を示唆し、話題の中心となった日付です。
- 「ヘビーユーザー」「オンカジ」「緑茶割り」…消費スタイルや流行の飲食文化、ネットカルチャーなど、生活の細部も反映されています。
流行語から読み解く日本社会の今
今年のノミネート語は、日々のニュースやSNS、著名人の発言など、私たちの生活になじみのある話題ばかりです。「流行語大賞」は決して一過性の言葉遊びではなく、日本社会の変化や課題、喜びや悲しみまでも映し出す鏡であり、現代史としての価値も高いものです。
今回の一覧からも、異常気象や政治の変化、経済環境の揺らぎ、そして人々の生活防衛や連帯感が浮き彫りとなっています。大げさでなく、ひとつひとつの流行語に時代の息遣いが込められています。
今後の展望と流行語への期待
12月1日には、30語からトップ10が決定され、その中から年間大賞が選ばれる予定です。どの言葉が最も2025年を象徴するのか、社会はどんな変化を体現しているのか――今後も多くの注目が集まっています。
これからの一年、どんな新しい言葉が生まれ、私たちの暮らしや価値観を表すのか。流行語大賞が「日本の今」を照らす役割を今後も続けてくれることに期待しましょう。


