2025年11月5日「津波防災の日」 全国一斉で緊急地震速報訓練を実施

全国で一斉訓練、その目的とは?

2025年11月5日(水)午前10時、全国で緊急地震速報訓練が実施されました。この日は「津波防災の日」でもあり、日本中で防災意識を高めるさまざまな取り組みが行われています。気象庁・消防庁と自治体が連携し、防災行政無線や商業施設の放送、携帯のエリアメール、そしてJアラート(全国瞬時警報システム)といった、緊急情報伝達の仕組みを活用した訓練が全国規模で行われました。
「もしもの時に、自分や大切な人の命を守る行動」が身につくように、今回の訓練は、子どもから大人まで多くの人が参加できる内容になっています。

訓練のしくみと流れ

  • 訓練は、気象庁が発信する訓練用緊急地震速報の配信を合図にスタートしました。
  • 各地の自治体では、防災行政無線や屋外スピーカーを使って、「緊急地震速報。大地震です。これは訓練です。」というアナウンスが行われました。
  • 企業や学校、家庭にいる方々も、実際の地震が起きた時と同じように、机の下に入る、頭を守る、安全な場所に移動するといった「身を守る行動」を取るよう呼びかけられました。
  • 訓練放送やメール配信を受信しても、実際の避難は不要です。混乱を避けるため、自治体からも「これは訓練です」と何度も案内されました。

「津波防災の日」にあわせた取り組みとは?

  • 11月5日は「津波防災の日」として知られ、内閣府や気象庁をはじめ全国の自治体で、地震・津波を想定したさまざまな訓練や啓発活動が実施されています。
  • 徳島県では9市町で一斉津波避難訓練が行われ、「安全な場所へ素早く避難すること」が住民に呼びかけられました。実際に徒歩や車で避難する訓練も盛んに行われ、防災意識向上が図られました。
  • 香川県では「香川県シェイクアウト」も同時開催。シェイクアウトは「しゃがむ」「頭を守る」「動かない」の3ステップを体験する地震防災行動訓練で、大規模地震を想定し、身を守る具体的な方法を身につけるためのものです。

誰が参加したの?対象と規模

  • 今回の全国訓練には、すべての都道府県(47団体)市区町村(1,741団体)など地方公共団体が参加しました。そのうち、住民参加型の訓練を実施したのは161団体です。
  • 他にも、国の中央省庁(19府省庁)、地方出先機関(608組織)、民間企業・各種団体(784ヶ所)が参加しました。
  • 緊急地震速報の情報伝達訓練には、商業施設や学校、事業所も含まれていて、一斉に訓練報が発信されました。

訓練手法と注意事項

  • 訓練はメール、屋外スピーカー、テレビ放送、アプリ通知などあらゆる情報伝達手段で一斉に伝えられました。地域によってはスマートフォンのエリアメールが届き、「なぜ通知が来たの?」と不安に思う方もいたようですが、今回は訓練であり実際の危険はありません
  • 各自治体や施設からは、訓練実施前に「訓練ですのでご注意ください」との案内が徹底されました。また、気象庁は「気象状況や地震活動によっては配信を急きょ中止する場合がある」と注意喚起しています。

地震や津波から身を守るために大切なこと

 緊急地震速報は、強い揺れが来る前に「大きな地震が来る」という情報を発信します。しかし「速報」から強い揺れが来るまでの時間は数秒から数十秒と非常に短いのが特徴です。そのため、日ごろの訓練や心構えがとても大切です。
 何度も繰り返し身を守る動作を体験することで、本当に地震が来たときも無意識に身の安全を守ることができます。実際の地震災害では、すぐに正しい行動がとれるかどうかが生死を分けることも少なくありません。

実際の訓練の声・現場の様子

  • 地域によっては、町内会や学校、商業施設などでも合同で防災訓練が行われ、人々が一斉に頭を守り、姿勢を低くする動きが見られました。高齢者施設や保育園でも独自の訓練メニューが工夫されていました。
  • 一部地域では、Jアラートの訓練放送が屋外のスピーカーから町中に響き、住民が驚く様子も。一方、「訓練だと知っていて安心した」「日ごろの備えの重要性を再認識できた」といった前向きな声も多く寄せられています。
  • SNS上でも「本当に地震が来たかと思ってびっくりした」「子どもがしっかり訓練に参加して偉かった」など多彩な感想が投稿されました。

今後に活かすためのポイント

  • 訓練で得た経験を活かし、家族と「どこに避難するか」「何を持っていくか」「どう行動するか」を話し合っておくことが大切です。
  • いざという時のための持ち出し袋や非常用品の点検も、この機会に家族みんなでやってみましょう。
  • 高齢者や小さな子ども、障害のある方のサポート方法も忘れずに確認するとさらに安心です。

まとめとこれから

「訓練は面倒くさいもの」と思われがちですが、災害時に自分や大切な人の命を守る行動を身につけておくことは、何よりも大切です。
 「津波防災の日」「世界津波の日」がある11月、「この機会に大切な人と一緒にもう一度備えを見直そう」——そんな意識が広がり、災害に強い社会づくりにつながることが期待されています。

参考元