ビットコイン急落、6月以来の安値を記録 ― 10万ドルの大台を下回る動きが続く
2025年11月4日、仮想通貨市場で何が起きたのか?
2025年11月4日、世界の仮想通貨市場に大きな衝撃が走りました。主要暗号資産の代表格であるビットコイン(BTC)が、ついに10万ドルの大台を割り込む下落を見せ、6月以来の安値水準に突入。全体的に「リスクオフ」(リスク回避)の姿勢が意識され、市場は一時、大きな悲観に包まれました。
ビットコインはどれほど下げたのか?
- ビットコインは2025年8月に史上最高値約12万ドル(円建てでは約1,800万円)をつけていましたが、わずか数か月で大きな下落トレンドに転じました。
- 11月4日5時時点での価格は107,090USDT(前日比-2.8%)まで下落。その後も下落の流れが続き、同日朝には一時105,000ドルを下回る場面がありました。
- 円建てでは16,432,031円を記録し、24時間で-3.66%という下落率となりました。
- ビットコインだけでなく、イーサリアム(ETH)は-7.78%、ソラナ(SOL)は-10%と他の主要仮想通貨も大幅に値下がりしました。
市場を動かした要因は?
- 最大の要因は、米連邦準備制度理事会(FRB)の今後の政策スタンスに対する警戒感です。先週FRBから発表された「慎重な姿勢」のメッセージによって、市場全体がリスク回避の流れに入りました。
- 加えて、米国政府機関の閉鎖リスクや世界的な金融市場の緊張感、金価格の高騰なども投資家心理に影響を与えています。
- 直近の米政策金利に関する観測変化や、7月の米生産者物価指数(PPI)の予想を大きく上回る発表も、仮想通貨への逆風となっています。
ビットコインの下落はどこまで進んだのか?
- ビットコインの下落は2025年10月以降特に目立っており、「10年ぶりの最悪の10月」との評価も聞かれます。
- 下落は11月以降も続いており、11月4日朝には105,000ドル台、円建てでは16,400,000円台まで値を下げました。
- 一時的には反発の動きもありますが、欧米主要市場のリスクオフ傾向が強まっており、上値の重い展開が継続しています。
この下落局面で仮想通貨市場の他銘柄はどうなった?
- ビットコインの下落に連動し、イーサリアム(ETH)は約3630ドルで6%安、ソラナ(SOL)は10%下落し160ドルを割り込むなど、主要アルトコインも大幅な値下がりに見舞われました。
- バイナンスコイン(BNB)は6.4%、XRPは5%、ドージコイン(DOGE)やカルダノ(ADA)もそれぞれ約6%の下落となるなど、全面安の展開です。
- 市場全体の時価総額は1000億ドル近く減少、時価総額が100億円以上の銘柄52種のうち48種が値下がり。
- 中には、インターネットコンピューター(ICP)のように直近1週間で約25%の上昇を見せる銘柄もあったものの全体的には売り優勢です。
仮想通貨市場の専門家はどう見ているか?
- 多くの専門家は「過度な悲観は不要」とする意見を出しています。過去にもビットコインは大きな値動きを繰り返しており、「反発局面へと向かう可能性」を指摘する声も少なくありません。
- 2022年から2025年の週足チャートを見ると、徐々に高値を更新し続ける長期上昇トレンドが続いているという見方も根強くあります。
- また、米国政府の規制緩和や金利政策の転換、世界経済の動向など外的要因によって再び上昇する可能性があるという分析も指摘されています。
今後の注目ポイントと注意点
- 今後の市場動向においては、「FRBの金利政策および米抜本的規制の行方」「米政府機関閉鎖リスクの推移」「世界経済のリスク要因と金価格上昇の影響」などがキーとなりそうです。
- 急落局面では「狼狽売り」が起こりやすく、個人投資家は冷静に状況を見極めて対応することが重要とされています。
- 短期的な価格変動で一喜一憂せず、市場の中長期的な動向に注意を払いながら資産運用を検討する必要があります。
- また、過去の急落時にも反発局面へ転じることが繰り返し起こってきたため、ネガティブな材料ばかりに注目しすぎないバランス感覚も求められます。
まとめ ― 混乱の中にこそ冷静さを
2025年11月の仮想通貨市場は、ビットコインを筆頭に全面安の展開となり、不安定な地合いが続いています。ただし、市場関係者からは過度な悲観は必要ないとの声も多く、ビットコインは過去にも大きな上下動を繰り返しながら成長し続けてきました。
今は「リスクオフ」の空気が支配的ですが、規制・政策・マクロ経済の変化や投資家心理の改善により、新たなステージに移る可能性も十分にあります。これからも市場動向を注視しつつ、落ち着いた判断が必要です。




