2025年11月、川越市の一番街で歩行者天国を試行実施 ~観光と市民生活をつなぐ小江戸・川越の新たな挑戦~
川越市・一番街「歩行者天国」、3日間限定で実施!
埼玉県川越市の観光名所「一番街」で、2025年11月1日(土)から3日(月・祝)の3日間、午前11時から午後5時まで、歩行者天国が試行的に実施されました。蔵造りの建物が立ち並ぶ一番街は、小江戸川越のシンボルであり、例年多くの観光客や市民で賑わうスポットです。今回の「歩行者天国」は、市が観光地のオーバーツーリズム問題や交通混雑を受けて企画したものです。札の辻交差点から仲町交差点までの区間で、自動車の交通を規制し、歩行者が往来しやすい空間が設けられました。
なぜ歩行者天国を実施?背景に「オーバーツーリズム」と地域課題
近年、川越市では「小江戸」としてのブランド力も高まり、国内外からの観光客が急増しています。観光客の増加は経済的な恩恵をもたらす一方で、
- 歩き食べによるゴミのポイ捨てや道の汚損
- 道路の渋滞や乱横断
- 市民の生活環境、生活交通への影響
といった課題が顕在化してきました。特に一番街周辺は、観光スポットと生活道路が重なり、週末や連休には人と車が入り乱れ、しばしば危険な状況も生じていました。
市民アンケートの反応と歩行者天国実施の狙い
2024年度の市アンケートでは、多くの市民が「一番街の交通環境を危険」と認識しており、交通規制への「肯定的」な声が目立ちました。一方で、交通規制による迂回や生活への影響を危惧する声も一定数ありました。
そうした背景から、年2回の連休期間(5月・11月)に限定して歩行者天国を「試行実施」。これにより「観光」と「市民生活」のバランスを図り、実際の課題や効果を丁寧に検証することが目的です。また、安全で快適な歩行環境を実現し、持続可能な観光地としての川越市を目指しています。
歩行者天国の詳細と利用者の声
- 実施区間:札の辻交差点 ~ 仲町交差点
- 時間:午前11時 ~ 午後5時
- 通行止め:自動車・自転車(自転車は降りて押して通行)
- バス:東武バス・イーグルバスの一部路線が迂回運行
「車を気にせず、歴史的な街並みをゆっくり歩けてうれしい」、「いつもより人が多く、驚いた」など、訪れた観光客からはおおむね好評の声。また、市民からは「子ども連れでも安心」「渋滞が気になる」といった様々な意見が見受けられました。
交通規制による影響と市のお願い
歩行者天国の実施により、周辺道路の混雑・渋滞が予想されるため、市では公共交通機関の利用を強く呼びかけています。特に、川越駅や本川越駅から一番街エリアへのアクセスは鉄道やバスが便利です。
また、周辺駐車場の混雑も予想されるため、車の利用を最小限にするよう、公式サイト等で協力をお願いしています。
歩行者天国が目指す「持続可能な川越観光」
川越市では、観光の発展とともに、
- ゴミ問題や地域美観の維持
- 安全な道路環境
- 市民・観光客双方の満足度向上
という観点で継続的な取り組みを進めています。歩行者天国の試行や、路上イベントの規制・ルール化、啓発活動のほか、YouTubeなどの動画媒体でも観光マナーや公共交通機関の利用促進が呼びかけられています。
「ベスコングルメ」と川越~グルメ注目度も急上昇
同じ連休に放送されたテレビ番組「ベスコングルメ★小江戸・川越巡り!めざすは菊池桃子オススメうなぎのひつまぶし」など、川越の食の魅力も全国に発信されました。女優・菊池桃子さんが川越の名店を巡り、地元名物やうなぎのひつまぶしに舌鼓。歴史ある和菓子やさつまいもグルメも取り上げられ、放送翌日には市内の飲食店に行列ができるほどの反響がありました。
テレビ放送を見て訪れた観光客からは、「地元の食材を使った料理が美味しかった」「名所巡りと一緒に、食べ歩きを楽しめた」といった感想も。観光地としてだけでなく、グルメタウンとしての川越の再発見が進んでいます。
今後の展望と課題
川越市では、今後も市民や観光事業者、バス会社などと連携しながら、歩行者天国の定期化や実現可能性について意見を集めていく方針です。実施後には、市民・観光客・事業者からのフィードバックをもとに、サービス・規制の見直しや新たなマナー啓発策を検討予定です。「住民にとっての暮らしやすさ」と「観光地としての魅力」が両立する町づくりをめざし、川越の挑戦は続きます。
また、グルメや町歩き、四季折々のイベント情報を定期的に発信することで、小江戸川越の魅力をより多くの人に伝えていく計画があります。市の公式サイトや観光協会のSNSなども、ぜひご覧になってみてください。
観光と地域の共生、未来につなぐ川越市の工夫
歴史ある街並みを守りつつ、時代に合わせた交通システムや観光マナーへの取り組みを進める川越市。今回の歩行者天国は、「観光地と市民の生活が調和する持続可能な地域モデル」として、今後他地域への波及も期待されています。
観光で訪れる皆さまも、地元の住民も、お互いに気持ちよく過ごせる川越を目指して、今後も様々なチャレンジが続いていくことでしょう。


